さらに、三菱自動車が売れている場所、地域別の販売台数をみると、その他欧州やその他の地域が多いのです。ゴーン氏はロシアが頭にあり、すでにルノー日産は、ロシアの大手自動車メーカー、アフトワズの株を50%持っています。しかしロシアではパジェロなど、三菱のブランド認知度が高いのです。三菱のランサーやパジェロは、パリダカールラリーでいつも勝ってきた車です。そして、ロシアはモスクワの外へ出るとまさにパリダカール状態、全土がダカールのような土地なのです。
そのことから、ロシアでは三菱車のランサー、パジェロに対する信頼が厚いのです。三菱は早とちりで、パジェロの生産をやめると言っていますが、ゴーン氏は必ず復活させると思います。ゴーン氏は日産のZなどに憧れて育っているので、Zを復活させた経緯もあります。パジェロは止めると発表されていて、新型の開発もすでにやめているわけですが、ゴーン氏が必ず復活させるでしょう。ロシアはパリダカ的な国内なのでパジェロへの評価が高く、日産はそのロシアで最大のアフトワズを経営しているのです。
また、実は三菱はルノーの競争相手であるプジョーシトロエンとロシアで協業しています。ゴーン氏は複雑な人なので、もしかするとそのままにして、プジョーいじめに使おうと思うのか、またはその提携を切らせて、自分たちの陣営に入れてやろうと思うのかどちらかになりますが、ロシアでは圧倒的に強くなるでしょう。
さらにインドネシアなどへ行くと、三菱ブランドはダイムラーの傘下になったトラックはもちろん車も非常に人気があります。かつて工場を持っていたオーストラリアなどでも三菱は善戦しており、日産ルノーができてないところが強いという意味で、相性は抜群だと言えるのです。
今回34%の株式を取得するわけですが、燃料不正の問題については金を支払わなくてはならなくなります。20%の燃料分で5年前に購入した人にはその差分を支うということで、膨大なロスになります。しかし、このロスは三菱に払わせるのです。そうすると、日産が買ったことで高騰している株は、この支払いをさせることによって下がり、もしかしたらそれによって破綻するかもしれません。日産はその時に全部買うと思います。ゴーン氏とはそういう男なのです。
今の段階で唾を付け、誰も入っては来れません。拒否権のある34%を取得したからです。三菱の商事、銀行、重工なども皆日本の貴族のようなもので甘いのです。レバノンのゴーン氏にやり方で敵うわけがないのです。三菱に不正の支払いは全部払わせる、そのために上場を維持させているのです。安いのでこの値段で全部買ってもいいところを、さらにこの後地獄を見た時に全部買うという戦略なのです。
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