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首都圏販売戸数減少!不動産市場は下降に向かうのか?(大前研一)2016/08/24(水)

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今回のテーマ

首都圏販売戸数減少!不動産市場は下降に向かうのか?(大前研一)

【日本】7月の首都圏発売戸数 前年同月比30.7%減

 不動産経済研究所が発表した7月のマンション市場動向によると、発売戸数は8ヶ月連続で減少し、契約率も好不調の目安となる7割を2ヶ月連続で割り込んだことがわかりました。また、高止まりが続いていた販売価格も一戸あたり平均5656万円と、前年同月比5%下落。円高や株安を背景に、海外の投資家や富裕層が購入していた億ションの動きが鈍っていることが示された形です。

 私も不動産には非常に関心があり肌で感じていますが、全くこの記事の通り徐々に落ち込んできています。不動産が下がるのは良いことだと思います。バブルは上がれば上がるほど後遺症が大きいからです。

 首都圏のマンション販売戸数と契約率の推移を見ると、契約率は6割近くになってきています。確かにゆゆしき状態です。作れば売れたという時代からこのところ数ヶ月で気が抜けたようになっているのです。外国人が億ションを30戸まとめて買っていくという話もなくなってくるということで、ここはシリアスに考えています。

 理由は簡単で、今金利がほとんどないのでお金を借りて作れるものを作ってしまえとなっているからです。私が朝散歩する千代田区の近辺でも、巨大な建設が進んでいます。そこら中で建築ラッシュがおきています。今まで抑圧されていたものがはじけたような印象です。

 そうした中、新築マンションの価格は上昇してきました。この辺では三菱地所や三井不動産などの良いものは、坪500万円から600万、700万円へと上がっていきました。それが今非常に弱気になってきていて、500万円を割り始めています。少し場所がずれると300万円台も出てきています。

 おそらく建てたときには450万円ほどの計画で、資金コストが安いので下げようと思えば簡単に下げることができるのでしょう。それが400万円ほどの攻防になってきているのです。400万円でも30坪で1億円を超え、非常に高いものではあります。しかし、せっかく低金利にしても徒花に終わっているというのが実態と言えます。

【中国】債務不履行急増 2016年初から42件、計約3800億円

 日経新聞は17日、「マイナス成長危機と北戴河『習・李』戦争」と題する記事を掲載しました。これは中国の北東部遼寧省が鉄鋼の生産能力の減産という産業構造の改革で揺れていると紹介しています。一方、9月にG20首脳会議が開かれる浙江省杭州市は好況に沸いているとし、習近平国家主席と李克強首相がそれぞれトップを務めた地域の経済は現在明暗が分かれているとしています。

 習近平と李克強は今、大変な戦いを繰り広げています。李克強はこれから大リストラをしていかないとだめだと、経済政策として正しいことを言っていますが、習近平の方はかなり楽観的です。ただ、李克強が書記をやっていた遼寧省は鉄鋼業盛んなのですが、今ではハチャメチャな状況に陥ってしまっています。

 習近平はこの状況について、李克強はあの省をダメにした、自分の浙江省は調子が良いと言って、人によってこれほど違うことを見せつけていて、おそらく来年あたりには李克強を追放するのではないでしょうか。こうした戦いでお互いが言っていることが180度異なるので新聞等も困ってしまい、両方の意見を書くようになりました。

 中国企業の大型人員削減計画を見ると、中国首鋼集団は2割の削減、武漢も大きな企業ですが、1万人リストラを検討、そして、鞍鋼集団はまさに李克強の故郷のようなところですが、4割削減するとしています。おそらく今後中国はリストラに次ぐリストラで国営企業の統合や倒産をやっていかないといけません。また地方自治体がこうしたところに貸し込んでいるので、そうしたことも含め、これから先は前人未到の世界に入っていくと言えます。李克強はそれを主張していますが、習近平は明るい見方を主張しているので、両者の溝はますます深まり、危険な状態になってきています。

 また中国では債務不履行が急増しており、日経新聞の記事によると今年初めから8月半ばまでに42件、合計約3800億円とされています。しかし実際はこんな程度では収まらないでしょう。桁が2つほど違うのではないかと思います。まだまだ氷山の一角が表に出たに過ぎず、相当深刻な状況だと思います。

 イギリスを抜いてアメリカが大きくなった1900年の初め頃、アメリカは大バブルになり、金融分野がすごく大きくなりました。しかし、大恐慌に突入した1928年のように、新興国のバブルは世界経済を一気に落とすことが起こり得ます。あれほどの大きな新興経済は、アメリカ以来中国が初めてです。

 日本もバブルがはじけましたが、日本の場合は自分だけがはじけて、世界には迷惑をかけませんでした。アメリカの場合は世界的な大恐慌に陥り、中国の場合もおそらく世界的に大恐慌になると思います。ブラジルやオーストラリア、アメリカも含めて、大変なマイナスの影響が来るでしょう。アメリカの大恐慌以来の、巨大新興国の巨大バブル崩壊が起きることに対し、我々は身構え、ある程度の準備をしておかなければいけないということなのです。

【日中】尖閣諸島めぐる緊張の高まりを市場がやり過ごし!?

 日経新聞は14日、「地政学リスク、『まさか』を見逃す日本市場」と題する記事を掲載しました。これは、8月に入り沖縄県尖閣諸島周辺に数百隻の中国漁船が押し寄せているにもかかわらず、日本の新聞やテレビはリオデジャネイロオリンピックで埋め尽くされていると指摘しています。アメリカなど海外株の堅調が追い風となる中、日本の金融、株式市場の関係者も余計な心配はしたくないと考えているとしながら、万が一の際のテールリスクは大きくなると腹を固めておく必要があるとしています。

 今回の中国の動きを見ると、既成事実を作っていくことを見える形にしてきています。訓練を受けた漁民、つまり実は漁民ではない漁船が240隻も来ていたわけです。リオオリンピック一色といいますが、日本はSMAPで一色になっていた面もあります。新聞も万が一のテールリスクについては書きたくないわけです。

 現在の習近平政権の性格を見ると、このように既成事実を作って日本の出方を見ることを繰り返し、そのうちに上陸するものも出てくるかもしれません。習近平政権は特にそういうリスクを取りやすいということも問題の1つです。

 日本はこれに対し強い反発を見せる必要がありますが、今、安倍首相の頭の中はおそらくロシアとの関係を強化することや、フィリピンなどと協力し南シナ海の方にちょっかいを出そうとしていて、自分の国の問題についてはおろそかになっています。この点についてはこの記事が指摘している通りだといえます。

 尖閣諸島周辺での中国公船などの侵入状況を見ると、接続水域というところで急激に賑やかになっていて、さすがに領海に入ってくるものは少ないようです。日本側が追い出す行動に出ればすぐに出て行くので、中国側が留まって不測の事態には至っていません。しかし、これだけ多く入ってくるという事は、日本の肝試しをしていると見ておいた方がいいと言えます。

講師紹介

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大前 研一
8月21日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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