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中国のGDP成長率より高い民間債務の伸び(大前研一)2016/10/12(水)

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今回のテーマ

中国のGDP成長率より高い民間債務の伸び(大前研一)

【日本】日銀、長短金利操作付き量的・質的金融緩和

 日銀は9月21日に開いた金融政策決定会合で、長短金利を誘導目標とする新たな金融緩和の枠組みを導入することを決定しました。異次元緩和の導入から3年が経過し、日銀は金融政策の総括的な検証を実施。物価2%の実現のためには大胆な枠組みの変更が必要と判断したもので、今後必要な場合にはマイナス金利の深堀なども実施する考えを示しました。

 日銀黒田総裁はほとんど自信をなくし、量から今度は金利、イールドカーブということを言っていますが、同時に彼はインフレ期待というものを作り出したいとも言っています。それにより、将来物が高くなるということで、今早めに買っておこうという行動になるだろうと言うのです。

 これは100年前の考え方で、大丈夫かと不安になります。世界でも例のないような領域に踏み込んでしまい、10年国債のイールドを0%にするなどと言っていますが、今まで何一つコントロールできなかったのに、このような難しい政策を本当にコントロールできるのでしょうか。疑問符がたくさん付くところです。

 その前にアベノミクスがなぜうまくいかないのかを考えるべきです。要するに、低欲望社会というものに対して、何か物が欲しいと思う気持ちを作らなくてはならないわけです。このやり方では日本の場合には全くうまくいかないので、その考えの深堀が足りないのです。

 政策だけは焦ってインフレ期待を高めたいなどと言っていますが、少なくとも明日、明後日、来年の方が物価高になるなら今のうちに買わなくてはならないような、そこまで欲しいものが実際あるのでしょうか。インフレ期待などというものを政策議論に持ち出す黒田総裁は古色蒼然で、信じられないほど感覚がずれていることにがっかりしました。

 インフレ期待を高めたいと言っていますが、そんなものはあるわけがないのです。供給はものすごく旺盛なので、供給が止まればまた物価は高くなるかもしれませんが、インフレ期待などという言葉を持ち出した黒田総裁はもう八方塞がりなのだということが改めてよくわかりました。

【中国】民間債務急増 GDP成長率より高い債務の伸び

 日経新聞は22日、「中国の民間債務急増に警鐘」と題する記事を掲載しました。これは、BIS、国際決済銀行の発表した四半期報告で、「債務の伸びがGDP成長率より異様に高い」と指摘したことや、IMFも8月の年次審査報告で「早急に企業債務の問題に取り組むべき」と促したと紹介しています。中国政府も昨年12月、サプライサイド改革を打ち出し、過剰債務の削減に乗り出しているものの、実効性は上がっていない現状としています。

 日米中のクレジット・GDPギャップの推移から、民間部門向けの信用の対GDP比が長期トレンドからどのぐらい乖離しているかがわかります。中国の場合には乖離の度合いがどんどん大きくなってきています。一方アメリカは逆で、マイナスになっています。日本はほとんどGDPと同じで、GDPが伸びていないので、債務の方も伸びていないということが示されています。

 民間債務の対GDP比率を見ると、三国のうち日本は最も悪かったのですが、中国がそれを抜いて、現在GDPの200%になっています。かなりの債務を抱え込んでしまっていることがわかります。やはり中国の過剰債務問題は深刻で、また、需要が減った時に国有企業が供給できなくなり赤字化し、赤字を隠すようなことが起きるのです。

 国有企業がリストラをすると、共産党政権は自分の子飼いの企業を削って行かねばならず、鉄鋼会社だけでも100社もある中国では、どこの地域から削減するかという問題が難しいのです。やはり国策企業の改革は、そう簡単ではないのです。中国の場合にはこれが政治的に非常に難しい点だと言えます。

【租税回避地問題】パナマ文書に次ぐバハマ文書の影響は!?

 タックスヘイブンとして知られるカリブ海のバハマに設立された企業の役員に、欧州委員会のネーリー・クルス元副委員長の名前が登録されていたことが明らかになりました。クルス氏は、2004年から10年にかけて、欧州委員会で競争政策を担当し、その後デジタル戦略担当の副委員長に就任。アメリカ誌フォーブスの、世界で最も影響力のある女性100人にも選ばれました。

 事務的なミスによって名前が出たのではないかと言っていますが、以前問題になったパナマ文書に続き、今回はバハマと言うわけです。相当な量の情報が出てきて、今また世界がびっくりしているところです。パナマ文書に登場するタックスヘイブンは、英領バージン諸島が最も多く、パナマ地震もありましたが、その次がバハマでした。そこへバハマ文書というものが出てきてしまったわけです。これによってまた驚くことが出てくる状況となっています。

 パナマ文書では、プーチン氏は2400億円を単なる友人の音楽家が持っていたということでしたが、結局決着はしていません。様々な名前が出てきましたが、キャメロン元イギリス首相にとっても若干のマイナスとなりました。ただ、納めなければならなかった税金は300ドルほどで、大した事はありませんでした。しかし、今回のバハマ文書によって、また再び地震に揺れるかもしれないというわけです。

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 それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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