ドイツ銀行がMBS、モーゲージ担保証券を不正販売した問題で、アメリカ司法省が当初課すとしていた罰金を、最大140億ドルから54億ドルに削減することで合意する見通しが明らかになりました。一方ドイツのショイブレ財務大臣は7日、ECBのゼロ金利政策や主要国の超緩和的な金融政策を改めて批判するとともに、新たな危機が訪れるリスクは完全には消滅していないと語りました。
天下のドイツ銀行がここまで危機に陥るということは誰も予想していませんでした。いわゆる銀行業務ではないモーゲージバックセキュリティーということで、非常にレバレッジの効いた販売をしてしまいました。底知れずとも言われますが、数百兆規模であると言われています。リーマンショックの時のリーマンブラザーズの抱えていた問題よりも大きいのです。
しかしドイツ銀行というのは世界中の銀行とものすごい量の取引をやっていますし、特に南ヨーロッパの銀行に対する貸し付けもあるので、破綻すると大変なことになります。ドイツの政府は救済しないと言っていますので、これから先どうなるかを見ていかないといけません。
アメリカへの罰金は三分の一で済みそうですが、それでも5000億ありますから、非常に大きなダメージです。しばらくはABCDリスク(アメリカ、イギリス、中国、ドイツリスクの総称)が続きますし、注視すべきだと思います。
新潮社のニュースサイトの18日の記事、「ドイツ銀行パニック」のメカニズムと世界金融への影響をご紹介します。アメリカ司法省がドイツ銀行に巨額の和解金を求める背景には、アメリカ政府当局間で熾烈になっている制裁金の獲得競争や、EUがアップルに課した追徴課税の報復との見方まであります。また、ドイツ銀行が投資銀行業に舵を切ったことも現在困窮している一因で、偶発転換社債の発行などがそれに拍車をかけているということです。
スイス人のアッカーマンという人がCEOをやっている時に投資銀行みたいな方向にひきずってしまいました。モーゲージバックセキュリティーMBSという方向で、大胆な転換をしてしまいました。これが大きく亡霊のように跳ね返って出てきています。
これらが綺麗に片付くことはないと言われていますが、しばらくまだドイツ銀行は世界の金融界を揺さぶる要因ということで年末にかけて厳しい状況でしょう。世界中がドイツ銀行の行方について固唾を飲んで見守っているという状況です。
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