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ドイツ銀行のリスクはどこまで拡大するのか?(大前研一)2016/10/26(水)

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今回のテーマ

ドイツ銀行のリスクはどこまで拡大するのか?(大前研一)

【中国】約6年1カ月ぶりの元安・ドル高水準

 2010年9月以来、およそ6年1か月ぶりとなる元安、ドル高水準です。中国人民銀行は17日、人民元の売買の基準となる為替レートの基準値を1ドル6.7379元と発表しました。中国当局が目に見えるかたちで元安を容認しだしたことを受け、市場では他のアジア通貨を巻き込む通貨安競争を懸念する声も上がっています。

 アメリカが大統領選で半分眠っていて機能していないのが現状です。ではこのままアメリカが放置しておいたらどうなるのかというと、人民元は強くなりすぎたので落ちると思います。ここまでにどれくらい安くなってきたかというと6.8元あたりということですが、本当に放っておいたらどれくらいになるのかというと、例えば12元や20元程度かもしれません。

 仮に12元=1ドルとすれば、中国の競争力は回復し、現在ベトナムやバングラディシュに逃げているものも中国に戻ってくると思いますし、中国のお得意の製造業は再びものすごい競争力を持ちます。それに対してアメリカが人為的に為替操作をして安くして、アメリカの雇用を奪っているという言い方をするので、元高にしろとなります。

 日本も日米貿易戦争の時は円高に誘導されていた局面がありました。今の中国元というのは人為的に高くなりすぎていて、私は少なくとも今の倍くらい、12,13元=1ドルくらいまでいかないと、中国の購買力こそ下がりますが、中国の競争力という観点で見るとつぶしてしまうと思います。

【ドイツ】ドイツ銀行のリスクはどこまで拡大するのか?

 ドイツ銀行がMBS、モーゲージ担保証券を不正販売した問題で、アメリカ司法省が当初課すとしていた罰金を、最大140億ドルから54億ドルに削減することで合意する見通しが明らかになりました。一方ドイツのショイブレ財務大臣は7日、ECBのゼロ金利政策や主要国の超緩和的な金融政策を改めて批判するとともに、新たな危機が訪れるリスクは完全には消滅していないと語りました。

 天下のドイツ銀行がここまで危機に陥るということは誰も予想していませんでした。いわゆる銀行業務ではないモーゲージバックセキュリティーということで、非常にレバレッジの効いた販売をしてしまいました。底知れずとも言われますが、数百兆規模であると言われています。リーマンショックの時のリーマンブラザーズの抱えていた問題よりも大きいのです。

 しかしドイツ銀行というのは世界中の銀行とものすごい量の取引をやっていますし、特に南ヨーロッパの銀行に対する貸し付けもあるので、破綻すると大変なことになります。ドイツの政府は救済しないと言っていますので、これから先どうなるかを見ていかないといけません。

 アメリカへの罰金は三分の一で済みそうですが、それでも5000億ありますから、非常に大きなダメージです。しばらくはABCDリスク(アメリカ、イギリス、中国、ドイツリスクの総称)が続きますし、注視すべきだと思います。

 新潮社のニュースサイトの18日の記事、「ドイツ銀行パニック」のメカニズムと世界金融への影響をご紹介します。アメリカ司法省がドイツ銀行に巨額の和解金を求める背景には、アメリカ政府当局間で熾烈になっている制裁金の獲得競争や、EUがアップルに課した追徴課税の報復との見方まであります。また、ドイツ銀行が投資銀行業に舵を切ったことも現在困窮している一因で、偶発転換社債の発行などがそれに拍車をかけているということです。

 スイス人のアッカーマンという人がCEOをやっている時に投資銀行みたいな方向にひきずってしまいました。モーゲージバックセキュリティーMBSという方向で、大胆な転換をしてしまいました。これが大きく亡霊のように跳ね返って出てきています。

 これらが綺麗に片付くことはないと言われていますが、しばらくまだドイツ銀行は世界の金融界を揺さぶる要因ということで年末にかけて厳しい状況でしょう。世界中がドイツ銀行の行方について固唾を飲んで見守っているという状況です。

【BRICS】共同宣言採択し閉幕も経済は厳しい状況

 インドのゴアで開かれたBRICS首脳会議は16日、新興国の国際組織として利益を代表する機能を果たすことを掲げた共同宣言を採択し閉幕しました。議長を務めたインドのモディ首相はBRICSの役割を拡大する方策と可能性を話し合ったと述べ成果を強調しましたが、新興国経済は減速、低迷しており、アメリカ主導の国際秩序への対抗軸を目指した従来の議論は影を潜めました。

 ゴールドマンサックスがBRICSの話を書いた時は2000年の初め頃だったのですが、50年後の話でした。その後一気に中国が伸び、今ではインドの成長率が中国を抜きましたが、後のところはみな頭を垂れて右肩下がりということで、モディさんがいくら頑張ってもあまり気勢が上がらない状況です。

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 それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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