レーガン大統領の時の為替レートを確認してみると、確かにドル円はドル高方向に動きました。今からは想像がつきませんが1ドル250円、どこの国の通貨かと思う水準です。レーガン大統領の一期目、1981年から85年まではドル高がどんどん進みました。アメリカの復活を掲げていたからです。
ところがこれはやり過ぎで、アメリカの輸出企業を中心に業績が苦しくなってきたのです。そこで、レーガン大統領はニューヨークに世界の国の中央銀行総裁と財務大臣を集めました。日本からは当時の澄田日銀総、竹下大蔵大臣が呼ばれました。
2人ともお忍びで、ゴルフに行く格好をしてゴルフ道具を持って車に乗り、成田からニューヨークへ向かったと言われています。ニューヨークのプラザホテルに召集がかけられ、いよいよドル高修正の時が来たのです。このレジュームチェンジにより250円だった為替は一気に100円台前半へと押し下げられました。今回もこうしたことが起きる可能性があるのです。
実はその時始まった円高がずっと続き、民主党政権末期の、80円を切るところまで続いたのです。失われた25年と言われるように、長い間日本経済は円高に苦しむことになります。この円高の動きはアベノミクスによって変わったと言われていますが、ここ1年は再び円高方向に進んできていました。
それがまたトランプ氏の登場により、現在は他の国の通貨と同じようにドル高が進んできているわけです。過去には大きなレジュームチェンジがあったことを踏まえると、安心してこれで大丈夫とは言い切れませんが、かなり急激な変化が起きていることは事実です。
米国金利も、このまま財政政策をして国債を多く発行する可能性があることから、米10年債の利回りは非常に急激な上昇を見せています。各国ともこの動きに完全に連動しています。日本ですら金利は上向いています。ただこれについてはより多くの国を見る必要があります。
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