グローバル・マネー・ジャーナル

トランプ次期大統領はアメリカをどのように変えるのか?(大前研一)2016/12/07(水)

大前研一学長総監修 資産形成力養成講座 グローバル・マネー・ジャーナル 「最新・最強・最高」クオリティの金融情報とデータ!

 第470号 資産形成力養成講座メルマガ

大前研一
 資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ!

【東証一部上場記念企画】10%OFF他、2017年1月生、12月15日(木)15時まで!

 おかげさまで東証一部に市場変更することとなりました。今後も価値ある教育の制作へ邁進してまいりたいと存じます。「自ら考え、自ら行動を起こし、自らの手で資産を形成すること」 答えのない時代を切り開く知恵の獲得をサポートしてまいります。

【東証一部上場記念企画】10%OFF他、2017年1月生、12月15日(木)15時まで!

【2017資産運用セミナー】人気講師が2017年マーケットを大予測!

【無料講座説明会】東京(12/13)、オンライン(12/8)にて開催!

今回のテーマ

トランプ次期大統領はアメリカをどのように変えるのか?(大前研一)

【日本】休眠預金約1000億円の半分程度を公益活動に活用

 休眠預金活用法案が、1日の参院財政金融委員会で可決、2日の参院本会議で成立しました。毎年新たに発生する約1000億円の休眠預金のうち、半分程度を払い戻しに対応できるように残し、残りを公益活動の支援に当てると言うことです。

 私はこの案に対しては、子どもの支援などに使うということで、必ずしも反対ではありません。ただ、前の民主党政権時、古川財務担当大臣に、休眠口座のうち100億円でいいから起業家養成に使ってほしいと要請しました。

 私自身もそのためのファンドをやっていますが、100億円を使うことで非常に大きなことになり、日本の景色が変わると言ったのです。彼もやる方向でしたが、銀行協会がなかなか許可せず、難しかったという経緯があります。

 1000億円あれば、100億円は次の世代にということで進めれば、非常に意味のある投資になると思います。支援、支援とお涙頂戴でいっていますが、それよりも日本の将来を変えてくれるような投資が必要なのです。起業家養成に100億円となれば、一件2000万円としても大変な数のものが毎年生まれることになるのです。当時せっかくかなりの所まで話が進んだので、その考えを少しは残して欲しいと思います。

【米】トランプ次期大統領はアメリカをどのように変えるのか?

 アメリカのトランプ次期大統領は先月30日、Twitterで、ビジネスから一切退く方針を明らかにしました。ビジネスと大統領職は利益相反につながるとの指摘が上がっている事を受けたものですが、トランプ氏は、法的に必要なことではないが、私に利益相反がないということが傍目にもわかることが重要と説明しています。

 いい加減なことを言って欲しくないものです。今回の安倍首相の訪問といい、自分のビジネスそのものに直結しているのは明らかです。また自分のキャンペーンで寄付してくれた人の利益のために外交の力を使うなど、あってはならないことです。

 政策が間違っているのです。インフレ期待といいますが、そんなものを期待したところで意味がありません。待っていると高くなるから今のうちに買いたいというのは高欲望社会の特徴ですが、低欲望社会の今の日本では、待っていたら高くなるから今のうちに買いたいと思えるほどのものがない、というのが基本的な消費者心理です。

 トランプ氏のノアの箱舟、最後はすべて失敗しているとの記事も出ていて、注意していかなくてはいけません。今回の人事を見ても、厚生長官にプライス氏を指名するなど、オバマケアを葬り去るための人事となっています。国防長官も狂犬と言われる人を指名し、必ずしもコンセンサスが取れないとんでもない人事と言えます。

 さらにキューバとの関係については、「より良い取引をするつもりがなければ取引を終わらせる」と発言し、これはまさにビジネスマンの言葉です。TPP、オバマケア、キューバとの関係修復と、オバマ大統領のレガシーを全て潰したと言っていいでしょう。キューバのカストロ氏については残忍な独裁者としていて、この点は私も一部同意しますが、このようなやり方で外交をやられた時には、にっちもさっちもいきません。

 台湾の蔡英文総統との電話協議についても、中国に対する最大の嫌がらせで、アメリカの外交筋の人たちは驚きで腰が抜けたと思います。中国側も最初は大変怒ったのですが、トランプ氏は1回殴られたら5回殴り返すと言っているので、こんな狂犬を敵にするとまずいことになると態度を変えてきています。フィリピンのドゥテルテ大統領もトランプ氏と戦うのはやめたと言っています。就任前で単なる私人なので、台湾総統と話そうが大したことではないはずなのですが、やはり大事になってきています。

 さらには企業への干渉です。キヤリアというユナイテッドテクノロジーズ参加の米国最大のエアコン製造会社に対し、メキシコ移転をやめろと自ら電話をかけて警告しています。フォードに対しても小型車の工場移転を止めろと言い、35%の税金をかけると警告しています。

 オバマ大統領もこれにつられたのか、中国企業がドイツ企業のアメリカ子会社を買収しようとしたら、これにノーと言ったということです。オバマ大統領のトランプ化を見ることができます。ただ、このグランドチップインベストメントという中国企業は実体のない怪しい会社で、買収のために作られた国策会社です。軍事転用もできる技術に関する買収だったので、今回の判断は仕方なかったとも言えます。

 実際、メキシコで生産するとどのくらい安くなるのかというと、フォードのフュージョンという車の場合、1200ドル安くなるということです。人件費はアメリカの5分の1以下という低さで、アメリカ生産よりはるかに安くなるので、流れは止められないとの見方もあります。

【日本】カジノ法案 衆院内閣委員会で可決

 カジノを含む統合型リゾートの整備を政府に促すカジノ解禁法案が先月30日、衆院内閣委員会で審議入りしました。自民、日本新党は今の国会での成立を目指しますが、公明党内には慎重論があるほか、民進党執行部の反発も強く、行方は見通せない情勢です。

 ネットでも少し出始めていますが、トランプ氏と安倍首相の秘密会議で、なぜトランプ氏の家で、娘や娘婿もいる中で行われたのか。実は、トランプ氏の選挙戦での最大の財政支援者は、カジノ王のシェルドン・アーデルソンという人と言われています。彼がトランプ氏の最大のスポンサーというわけなのです。

 安倍首相はこの法案を通すと言って帰り、2週間で通してしまったということなのです。トランプ氏は今ごろ、安倍首相を信頼できると言っていることでしょう。つまりこれは、トランプファミリーのパーソナルな理由なのです。

 今まで借りがあるアーデルソン氏に対し、日本で法案が通りカジノができれば、彼に利益が行くというわけです。したがってこの法案は、日本の自治体が勝手に進めていく話ではなく、いつかアーデルソン氏が特別機で日本に乗り込んでくるということになるのです。

 このことは二階氏や管氏がいきなり持ってきた話で、安倍首相としては、この件が明るみに出れば、トランプ氏との密約があったのかと言われることになるわけです。アーデルソン氏はユダヤロビーのチャンピオンと言われていて、安倍首相はトランプ氏の私邸に呼ばれ、娘婿に突っつかれて、我田引水のところに軽々しく乗っかってしまったということは、これから問題になる可能性があります。すでにネットでは若干伝えられてきていますが、そうした中、今回は国会で審議もなく、民進党が欠席する中で通してしまったということなのです。

 カジノは、ほとんどの国では、街別に運営されています。アトランティックシティや、ネバダ州、ロンドン、マカオなどがその例で、国で運営することは稀です。そのうちマカオでは、中国のクリーンアップ戦略、贈収賄撲滅のために、カジノ収入が激減しています。私は日本ではカジノに期待をしすぎているといろいろな本に書いています。

 今後名乗り出るところはどこなのか、議員の顔を見ていると想像がつきます。本来なら北海道や沖縄、他にハウステンボスも名乗りを上げているので、その辺りはそれなりに意味のあることだと思います。しかし実際は強い政治家のいるところに行くのです。動きが出たことで政治家たちが集まってきているようです。

 ただ、この背景にトランプ・安倍会談があったのは間違い無く、これまで何度出そうとしても通らなかったものが、一、二週間で通ってしまったわけです。しかも向こうから小突かれてやったというのは本当に情けない話です。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 学長
大前 研一
12月4日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
詳しくはこちら

資産形成力養成講座 加藤

 新米大統領、トランプ氏。上院・下院も共和党が過半数を占めたため政策を進めやすい土壌はできました。今後の米経済をどのように予見し、マーケットに織り込まれていくのか。これまで以上に世界経済についてじっくり考えていく必要があります。

 経済環境を鑑みて投資に活かす。また、資産運用は株式・債券・為替・コモディティ・不動産など多岐に渡り、世界中に金融商品は存在します。総合的な理解や考え方が求められます。世界標準の資産運用を学び、第一歩を踏み出してください!


【東証一部上場記念企画】10%OFF他、2017年1月生、12月15日(木)15時まで!

【2017資産運用セミナー】人気講師が2017年マーケットを大予測!

【無料講座説明会】東京(12/13)、オンライン(12/8)にて開催!

資産形成力養成講座では、Facebookページでも金融にまつわる最新ニュースなどご紹介しております。ぜひこちらもチェックしてください。

 それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

大前研一の株式・資産形成オンライン通信制講座の資産形成力養成講座とは
資産形成力養成講座とは。大前研一学長総監修。世界経済の混乱の中、資産運用・形成の方法を学ぶ。FX為替・株式・投資信託・不動産・REIT・商品先物・債券・年金・保険・分散投資・海外投資など体系的に資産運用が学べる講座。ビジネス・ブレークスルー大学の公開講座。

※ このメールは、HTML形式でお送りしています。インターネットに接続した状態でご覧ください。
発行人 : ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ事務局
〒102-0084 東京都千代田区二番町3番地 麹町スクエア

▷配信先変更・配信停止 ▷お問い合わせ ▷個人情報保護方針

資産形成について少しでも知識を高めたい方はまずは無料講義視聴へ。