アメリカのトランプ次期大統領は先月30日、Twitterで、ビジネスから一切退く方針を明らかにしました。ビジネスと大統領職は利益相反につながるとの指摘が上がっている事を受けたものですが、トランプ氏は、法的に必要なことではないが、私に利益相反がないということが傍目にもわかることが重要と説明しています。
いい加減なことを言って欲しくないものです。今回の安倍首相の訪問といい、自分のビジネスそのものに直結しているのは明らかです。また自分のキャンペーンで寄付してくれた人の利益のために外交の力を使うなど、あってはならないことです。
政策が間違っているのです。インフレ期待といいますが、そんなものを期待したところで意味がありません。待っていると高くなるから今のうちに買いたいというのは高欲望社会の特徴ですが、低欲望社会の今の日本では、待っていたら高くなるから今のうちに買いたいと思えるほどのものがない、というのが基本的な消費者心理です。
トランプ氏のノアの箱舟、最後はすべて失敗しているとの記事も出ていて、注意していかなくてはいけません。今回の人事を見ても、厚生長官にプライス氏を指名するなど、オバマケアを葬り去るための人事となっています。国防長官も狂犬と言われる人を指名し、必ずしもコンセンサスが取れないとんでもない人事と言えます。
さらにキューバとの関係については、「より良い取引をするつもりがなければ取引を終わらせる」と発言し、これはまさにビジネスマンの言葉です。TPP、オバマケア、キューバとの関係修復と、オバマ大統領のレガシーを全て潰したと言っていいでしょう。キューバのカストロ氏については残忍な独裁者としていて、この点は私も一部同意しますが、このようなやり方で外交をやられた時には、にっちもさっちもいきません。
台湾の蔡英文総統との電話協議についても、中国に対する最大の嫌がらせで、アメリカの外交筋の人たちは驚きで腰が抜けたと思います。中国側も最初は大変怒ったのですが、トランプ氏は1回殴られたら5回殴り返すと言っているので、こんな狂犬を敵にするとまずいことになると態度を変えてきています。フィリピンのドゥテルテ大統領もトランプ氏と戦うのはやめたと言っています。就任前で単なる私人なので、台湾総統と話そうが大したことではないはずなのですが、やはり大事になってきています。
さらには企業への干渉です。キヤリアというユナイテッドテクノロジーズ参加の米国最大のエアコン製造会社に対し、メキシコ移転をやめろと自ら電話をかけて警告しています。フォードに対しても小型車の工場移転を止めろと言い、35%の税金をかけると警告しています。
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