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日本株PER低下!割安でまだまだ買う余地あり?(田口美一)2017/07/12(水)

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今回のテーマ

日本株PER低下!割安で買う余地あり?(田口美一)

日本株PER低下!割安でまだまだ買う余地あり?

 バフェット指数のような、みなさんがよくご存知の大局で見るような指数で言えば、もうアメリカも完璧に高い水準になっており、日本は既にもっと高くなっている状況です。またバリュエーションで見ても、日本はPERがどんどんと下がっているので、割安感から買えると日本の証券会社はよく言いますが、収益が上方修正されているのでPERが下がるのは当たり前ですし、株価が上がっていないのでPERは下がって当然なのです。

 PERが割安というのはある意味非常に危険なことです。株というものは先の先を見て、あるいは予想して先回りして買うのが定石です。PERが下がっているという事は、収益見通しが上がっているのに期待で株が買われていないということなのです。割安でまだまだ買う余地があるなどと、主語と述語を間違って使ってはいけないのです。

 特に日本の証券会社は365日、常に強気を言っているのです。しかしそれを責めることはできません。彼らは投信を売らなければいけないからです。このようにいつも強気を言っているのが日本の証券会社なのです。もちろん、分析手法そのものは正しいし素晴らしいので、その手法だけを見るようにするべきなのです。

 株価とPERの比較グラフを見ると、日本の状況がよくわかります。PERは下がっている一方で、株価は僅かの上昇に止まっています。バイバックをすることで、1株当たり利益、EPSがどんどんと上がっている状況なのです。この20年間アメリカ企業がやってきたことを、今日本の企業は一生懸命やっているのです。もっとバイバックをやろうと思えばできますし、もっとPERを下げることもできるのです。

 日本のPERをさかのぼってみると、1999年には60倍から70倍もありました。今の4倍ということになるので、その基準で言えば日経平均は今80000円という水準になります。しかしなぜ今ではPERはここまで低くなっているのでしょうか。それは、全然先が買えないからなのです。期待を買えるような企業が全然ないのです。これは非常に厳しい状況と言えます。

アメリカ経済に黄色信号!?

 世界の経済成長率の推移を、4月のIMFのデータで見てみます。日本は1.2%の見通しとなり、それほど悪くないのだという印象でした。そして何よりも新興国の景気が良くなってきているのが目立ちました。ロシアとブラジルの急回復が言われていましたが、結局ブラジルは再び政治スキャンダルが起こり、心配な状況になってしまっています。ロシアに加え、インドも回復を見せていますが、新興国は足許の原油価格が下がったことにより、これ以上のアップサイドは無いだろうと思います。

 ブラジルは、また大統領の汚職問題などにより株価も低迷しています。おそらくこれからもこうしたことが起こるでしょう。ですから新興国への投資は気をつけてやらないといけないのです。トルコ、ギリシャ、ブラジルなど、1つの国の1つの債券を持っていると、大きくやられてしまうことになりかねません。投資をするならよほど気をつけてやるべきなのです。

 単品で投資をして成功した例はあまり見たことがありません。プロとしてはやはりインデックスで持った方が良いと思います。新興国というインデックスで持てば、ブラジルだけではなくインドなどいろいろな国が入っているので、飛び抜けたリターンはありませんが、やられる幅も少なく済むのです。単品で持っていると、1日で平気で10%下がってしまうこともあります。誰も買い手がいないので、まさにフリーフォールなのです。

 原油価格が40ドルを切るという事はおそらくないとは思いますが、今後も40ドルから60ドルの間で動くのだろうと思われます。なぜなら、シェールガスの採算レートから、40ドルを切るとシェールガスが掘れなくなるからです。原油相場の予想は世界で最も難しいのでなかなか当てることはできませんが、40ドルから60ドルの範囲で揉み合うと見ています。これまで一旦価格が上がってぬか喜びしたわけですが、長くは続きませんでした。価格上昇が上昇するとテキサスでシェールガスをどんどん掘り、増産をするからです。

 合わせて世界の株価のパフォーマンスを見ると、エマージングが、今年1番いいリターンをあげています。BRICsも悪くなく、ヨーロッパもドイツが頑張っているのでリターンは結構良くなっています。アジア全体でも悪くはないものの、中国はマイナスから僅かの上昇になっています。こうして見ると、トランプ以降、株価の上昇が突出したのはアメリカではなく、エマージングマーケットだったのです。

 この6ヶ月、新興国が最も強い動きを見せたのです。トランプラリーは何だったかと一言で言えば、新興国の株が上がったということだったわけです。しかしブラジルを見ても明らかなように、その動きは非常に心もとなく、サステイナブルなマーケット環境かと言うと、かなり疑問です。

 アメリカについては、5月までは絶好調と言ってきましたが、少しぐらついてきているようです。統計を見ると、企業のコンフィデンスは製造業も非製造業も悪くはありません。ところが心配なのは、賃金が、日本と比べれば高いものの、伸び悩んできていることです。さらに雇用統計が20万人を割ってきているのです。

 そして決定的なことはCPIが落ちてきていることです。CPIは2ヶ月連続で2%を切ってきており、イエレンFRB議長も、CPIに関しては心配だと言っています。これがさらに2ヶ月ほど良くない数字が続けば、アメリカのマーケットの雲行きは結構悪くなってくると思います。

 自動車販売は7年連続良かったわけですが、さすがに息切れを見せています。しかし、4月のマイナスから、5月には前年比トントンのところまでちゃんと戻ってきています。相変わらず売れ行きが良いのは4ドアのセダンではなく、トラックのようなSUVが何とか好調を保っています。統計によれば、4月には値引きを15%も増やしていて、30万円程度引いているようです。そして何とか在庫をさばいているのです。ただ販売台数は7年連続で前年比アップしているので、今年はそろそろだめと思ったほうがよさそうです。

 そうすると、個人消費で残るのは住宅ですが、住宅は相変わらず好調を保っています。テキサスやカリフォルニアは引き続き非常に好調です。カリフォルニアでは、友人が1900ドルで貸していた物件の家賃が、この3ヶ月で軒並み2000ドルから2200ドル程度まで上昇しています。

 一方、日本は家賃が上がってきていません。もう日本国内の家賃は下がると思った方が良いでしょう。しかし、アメリカでは全く逆で、家賃は上がってきているのです。アメリカは不動産がまだ強く、自動車販売は少し心配ですが、何とか前年比トントンまで持ってきていて個人消費はまだ悪くなってはいないと言えるでしょう。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
金融経済アナリスト
前クレディ・スイス証券副会長
田口 美一
7月1日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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 それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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