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トランプ大統領の内政に不安も、高値更新するNYダウ(藤本誠之)2017/08/30(水)

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今回のテーマ

トランプ大統領の内政に不安も、高値更新するNYダウ(藤本誠之)

【米国、欧州、日本の最新動向】

 意図せざる循環という形で、バブル、経済危機、対応策をぐるぐる回っていくというのが今の世の中です。欧州、米国、日本の最近の動向を見ると、アメリカではトランプ大統領の人種差別発言の問題や、利上げのタイミングや回数がどうなるのかということが焦点です。

 利上げについては、現状では来年までに1.2回という織り込み具合になっています。0.2回は上げようがないので、今年一回、来年一回やることで二回の利上げをするか、今年やらずに来年一回で、一回の利上げをするか、このどちらかになるわけですが、今年やらないと見る派が多く、その間を取ると1.2回程度になっているという状況だと思います。逆に、今年利上げを行えばインパクトとしてはすごく大きなものになると思います。基本的にアメリカ景気は好調ですが、ただちょっとムードはそこまで良くないという感じです。

 一方、欧州は金融緩和縮小が見えてきています。足元の景気が非常に良くなったということです。欧州はいろいろな問題を抱えてきましたが、どうやらそれらを突破して良くなってきたと言えます。このまま金融緩和を続けても逆にマイナス面もあることから、これからは縮小に向かっていくということで、ユーロは強くなっています。

 そして日本ですが、アベノミクス継続への不安感が少し出てきたかと思います。前回5月の講義では、憲法改正論議の話をしました。あまりにも自民党一党が強すぎて、憲法を改正したいという安倍首相の望みを達成してしまうのではないかという状況でした。そうすると経済よりも憲法改正の論議の方が増えてくることが心配されていました。しかし、年末に衆議院選挙を控え、夏の東京都議会選挙では自民党が惨敗し、さらに他の地方選挙でも自民党は負けているので、現状はこうした動きが気になるところです。衆議院選挙で負けるようなことになると厳しい状況になるでしょう。ただ他に勝てそうなところもないので、微妙なところだとは思います。

【日経平均3か月の変化を見る】

 日本株式市場の状況を確認すると、前回の講義の時点では日経平均が1万9869円でした。TOPIXは1580ポイント、東証二部指数は5890ポイントでした。日経平均採用銘柄のPERは15倍を少し切った程度でした。それが、直近の状況では日経平均が1万9393円と、500円近く下落しています。しかし、TOPIXと東証二部指数はプラスになっていて、ねじれた展開となっています。そしてもう一つの注目はPERです。15倍弱だったものが、13.73倍と14倍割れまで落ち込んでいます。日経平均はたった500円の下げで3%も下がっていませんが、PERは1.2ほど下がり、1割弱下がったという状態です。これは逆に言えばEPSが上がったということで、企業業績が良くなっていることが表れています。

 日本の問題に目を向けると、前回5月には憲法改正論議が盛り上がるなど安倍政権は非常に好調でした。憲法改正をやってしまうのではないか、経済を放ったらかしにしてその方向にいくのではないかと不安感があったわけですが、その懸念は遠のきました。やはり、都議会選挙で自民党が惨敗、地方選挙でも負けているところを見ると、アベノミクス継続への不安感が出てきつつあると言えます。マーケットとしても年末の選挙が非常に気になるところです。

 日経平均の動きを10年チャートで見ると、下落のあと、アベノミクスで上昇した中、一旦下げ、また上がってきたのですが、足元は2万円割れから調整という状況です。週足の3年チャートで見てもやはり、5月から調整、足元もやや下落というかたちです。日足で見ると、最近は2万円近辺の非常に狭い範囲での動きが続いていたことがわかります。500円ほどの幅の中での推移がとても長い間続きましたが、そこから下に離れるとストンと下がった形です。ほぼ窓を埋めた状態となったので、目先に関しては調整一巡感も出てきているかと期待したいところです。

【トランプ大統領の内政に不安も、高値更新するNYダウ】

 アメリカは、トランプ大統領の動きに注意です。なかなか難しいところに来ています。もともと不安感はあったわけですが、より不安が高まる状況となっています。内政が上手くいかない中、北朝鮮問題にぶつかっているわけで、得点を狙うために先制攻撃ということも可能性としてはありえます。実際、北朝鮮がグアムにミサイルを打ち込むという話を出してきているのは、かなりインパクトの有る話です。

 アメリカは基本的に自国の領土、本土が攻められたことはなく、日本のパールハーバー攻撃以来となるわけで、もしもグアムにミサイルが打ち込まれたら、やはり大変な事態となりかねません。さらに実際にアメリカ本土まで届くミサイルになる可能性があるということで、非常に危険な感じがします。アメリカはそれを押さえ込むために様々な手を打って来るかもしれません。手を打てば、おそらくトランプ大統領の支持率は上がると思われるので、内政に困ると戦争をしたがるという国は多いので、大変気になるところです。

 そうした中でも、アメリカの株式市場は強い動きを見せています。企業業績が非常に堅調ということもあり、株価指数は史上最高値を更新し、足元はやや調整しているものの、高値から見てもほんの3%程度の話です。高値圏でのもみ合いということで、大きな急落もなく、あったとしても2万1000ドル程度までの調整で、言われているほどの大暴落はないだろうと思っています。企業業績は悪くなく、アメリカ経済はそこまで苦しい状況でもないからです。そして、もし業績が悪化したとしても、テコ入れの手法はいくらでもあると思います。

 一方、欧州は金融緩和をしていましたが、そろそろ景気がよくなってきたということで、緩和終了の観測でユーロが高くなってきています。足元はさすがにこのユーロ高の影響から、ドイツのDAX指数も少し休憩という形です。

 そして、強い動きを見せているのが中国です。長いチャートで見るとそれほど高値圏ではないように見えますが、このところの動きはとても堅調で、6ヵ月のチャートからは非常に上がってきているのがわかります。一度景気懸念で下げた中国株ですが、意外とこのままでも景気はなんとかなりそうだということで、上海指数は持ち直してきているという状況と言えます。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
SBI証券 投資調査部
シニアマーケットアナリスト
藤本 誠之
8月23日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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 それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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