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2008年9月16日
EIU 年次経済予測―もはやNICE(インフレ無き成長)はありえない
“人々は、世界がどこに向かっているのかを憂えている。そして、それには、理由がある。”
2008年9月16日(火)、六本木インターナショナル・ハウスで開かれたEIUの年次経済予測は、この言葉の重要性を裏づけるものでした。EIUジャパンコーポレートネットワーク部ディレクターのグラハム・デイビス氏が主催したこのセミナーは、かなり悲観的な世界経済の様子を描き出しました。具体的には、世界商品市場、日本の政治、中国経済の差し迫った停滞といったテーマです。最初の3つの基調講演中、EIU国際予測部ディレクターのロバート・ワード氏は、「世界はもう既に終焉を迎えている。そして、この金融の不安定感が収まる事はないだろう。」そして、いまだに下降し続ける米国市場に言及し「我々は、1930年代の大恐慌よりも、さらに大きな未曾有の不況の真っ只中にある」とも語りました。最後に、誰もがワード氏の公演の趣旨を理解することが出来るように、氏は100人を超える熱心な参加者に、ちょっとした言葉遊びを用意してくれました。「もはや、NICE(Non - Inflationary Consistent Expansion-インフレ無き、継続的な成長)はありえないだろう。その代わり、VILE(Volatile Inflationary and Little Expansion - 一触即発のインフレと低成長)がやってくるだろう。」この言葉は会場の笑いを誘いましたが、その意味は誰の目にも明らかでした。

さて、日本についてはどうでしょうか?デイビス氏は、この公演の中で以下のように予測しています。日本は未だ富を作り出しています。(今後13年にわたって英国に次ぐ2位となると予測)しかし、日本経済にとって、今後12ヶ月間は嬉しいニュースは無く、昨年に6兆円が国庫より市場に投入されたことを受けて「追い風は日本に向かっては吹いていない」と論じています。企業や金融部門は概ね健全な状態でも経済はいまだ脆弱であるという状況を踏まえ、氏は「我々は、長期的な視点で構造的な問題に取り組む事の出来る、真にまともな政府を必要としている。」と述べました。
中国もまた、EIUの辛らつな批評から逃れる事はできませんでした『エコノミスト、チャイナ』の上席編集者であるダンカン・インズカー氏は、"市場の脆弱さ"と"オリンピックの呪い"について述べるとともに、参加者に対して、今後数ヶ月にわたって、以下の3つのR-Regulations(規制)、Renmibi(人民元)、Raw Materials(原材料)-に注意するよう警告しました。
EIUセミナーは、世界5番目の米国投資銀行であるリーマン・ブラザーズが、破綻を発表したまさにその日の朝に開催されたこともあり、"VILE"(一触即発のインフレと低成長)という言葉は、参加者の記憶に深く刻みつけられたことでしょう。

撮影GMBAチーム(グローバリゼーション専攻講義用)

