株式会社リクルート(以下、リクルート)で、エグゼクティブ・プロデューサーとしてさまざまな事業や企画の戦略設計を手がける深澤昌生さん。もともと営業職として入社し、トップの成績を収めたことでコンサルティングにかかわる部署へ異動。

人と組織にかかわるコンサルティングの仕事に取り組むなかで、MBAに興味をもったそうです。一流の講師陣から実践的な知見を得られるのがBBT大学院の魅力だと語る深澤さん。2年間の学びがいまどのように役立っているのか、お話をうかがいました。

修了生プロフィール

深澤 昌生(ふかさわ まさお)さん
2009年4月ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)入学、2011年3月修了。入学時36歳、インタビュー時は46歳。株式会社リクルート・リクルートDivion統括本部、HR本部、HRエージェントDivision、ソリューション統括部・エグゼクティブプロデューサー(2021年9月現在)。

一流の講師陣から学びを得たい。ビジネスパーソンとしての視座を高めるべくBBT大学院へ


――はじめに、深澤さんがBBT大学院でMBAを取ろうと思ったきっかけを教えていただけますか。

私は、メーカー勤務を経てリクルートに転職しました。はじめは営業職でしたが、一定の成果を上げ、コンサルティング色の強い部署に異動することになりました。そこでは人と組織にかかわるコンサルティングを行なっていました。

もともと営業を担当していたのでマーケティングの仕事がわかっていて、さらにコンサルティングの部署を経験したことで人と組織にかかわる仕事もわかるようになってきました。

当時、BBT大学院で組織人事分野を専門としていたする野田稔先生がリクルートにいらっしゃって、一緒に仕事をしていました。実務を通していろいろなことを教わるうちに、MBAとは、人と組織、マーケティングや経営戦略など、全体を俯瞰する学問だと知りました。

コンサルティングの部署では、仕事のおもしろさと同時に難しさも感じていました。このままリクルートで働くうえで、マネジメント層として上を目指していくキャリアパスもあれば、専門的なものの見方ができるスペシャリストになる方向もあり、自分の性分としては後者を試してみたいと思っていました。

――なぜBBT大学院をお選びいただいたのでしょう?

BBT大学院を選んだのは、通学を必要とせず、100%オンラインで学べることに魅力を感じたからです。仕事が忙しかったので、通って学ぶという選択肢はありませんでした。

また、大前学長をはじめ、BBT大学院の講師陣にはマッキンゼー出身が多く、第一線で活躍するビジネスパーソンからマッキンゼー流のMBAを学んでみたいと思いました。

ディスカッションはいわゆる他流試合。暗黙知が通用しない相手とのコミュニケーションの難しさを実感


――実際にBBT大学院に入学されてみていかがでしたか?

入学してからのギャップは特になく、思った通りの学校でした。特に良いと感じたのは、オンライン上でテキストを通してディスカッションを行なうことです。所属先や役職、年齢などに関係なく、フラットな立場で自由に議論ができるのは有意義な経験でした。ただ、自分なりの言葉で、相手に意味がわかるように伝えなければならない部分は工夫が必要でしたね。

というのは、自社内では少ない言葉で伝わるような内容でも、違う会社の文化が異なる人に伝えるには、ロジカルかつ丁寧に説明する必要があります。相手によって伝え方を変えなければならないこともあり、頭を使いました。

――暗黙知が通用しない社外の人たちと議論をする、つまり他流試合の機会を持てるということですね。

異なる文化をもった人とうまくやっていくために、ロジカルな考え方ができること、しっかりと文章化できること、そしてそれをうまく伝えられることの3つはとても重要です。

ディスカッションの内容を何度も見返すことができるのも、BBT大学院で学ぶことのメリットだと思います。多くの人が納得してたくさんレスポンスがついたものは良い発言だったといえるので、同じパターンで応用が利きます。また、過去のディスカッションを振り返ると、「こういう論理展開をするとこうなる」「こういう点に注意して文章を書いたな」などと思い出すことができます。

いろいろな人に気を遣って文章を書くことは、自分に味方をつけるうえで大切です。仕事で何かを提案する時の文章も一緒で、いかに相手に納得してもらい、味方になってもらうかがポイントですよね。

ひとつの会社に長くいて、その環境に慣れてしまうと、コミュニケーションの仕方が凝り固まってしまいます。若いうちに外の世界を知らないと自分を変えられないので、思い切って新しい環境に飛び込んでよかったと思っています。

卒業研究をもとに新規事業の立ち上げに成功。バッターボックスがたくさん回ってくるように


――卒業研究(※1)はどのようなテーマで進められたのでしょうか?

卒業研究ではRPO(Recruitment Process Outsourcing=採用アウトソーシング)をテーマに事業計画を立案しました。もともと興味があるテーマだったので、BBT大学院に入学する前から構想を練っていて、2年間の学びを活かしてカタチにしようと思っていました。

はじめは自分ひとりで考えて、ある程度の手ごたえを感じていたものが、BBT大学院でいろいろな人から第三者視点でのアドバイスをもらったことで、さらにブラッシュアップされていきました。

担当教官の久保一之先生は事業計画に抜けがないかしっかり確認してくださいましたし、大前学長も「おもしろいかも」と言ってくださいました。背中を押してくれる人がたくさんいたことはありがたかったですね。

――卒業研究でまとめたビジネスプランを、実際に事業化されたとうかがいました。

BBT大学院を卒業後に社内で新規事業を立ち上げ、成功させることができました。結果として、それまで以上に仕事におけるバッターボックスがたくさん回ってくるようになりました。現在は、さまざまな事業や企画のプロデュースと戦略設計をするのが私の仕事です。

(※1)「卒業研究」:BBT大学院の卒業研究では、新規事業計画を立案します。一流の実務家教員による個別指導のもと、机上の空論ではなく、実戦で通用する事業計画を作ります。

MBAを学ぶことは、人生における“モヤモヤ”を“スッキリ”させるための選択肢のひとつ


――深澤さんは36歳の時にBBT大学院に入学されました。30代のビジネスマンがMBAを学ぶことの意義をどのようにお考えでしょうか?

30代中盤は、自分のキャリアや進むべき方向について漠然とした不安を抱えやすい世代だと思います。中長期的に考えてうまくいくのかわからないことに出会った時、自分である程度判断できる力は必要です。でも、自分の考えや判断が正しいのかどうか、相対的に比較するものがないとモヤモヤして、誰かに助言をもらいたいことがあると思います。

人生はそんな“モヤモヤ”を“スッキリ”させていくことの連続です。MBAを学ぶことは、モヤモヤをスッキリさせるための選択肢のひとつではないでしょうか。人生100年といわれるなか、「思考して、意思決定して、行動する」というサイクルの繰り返しを楽しめるかどうかが肝心です。

――自己投資をして新たなコミュニティに飛び込むことが、その後の人生を大きく変えることにつながるんですね。

BBT大学院は私にとって、人生の分岐点です。いろいろなタイプのクラスメイトとの出会いはとても刺激になりました。また、大前学長の竹を割ったような性格を目の前で見られましたし、思ったよりもやさしくて情に厚いことは意外な発見でした。

それまでリクルートで覚えてきたものとは違う多様な価値観を知れたことで、さまざまなものごとに対する判断が早くなったように思います。ものごとの判断をスムーズに行なうには、世界で成功した人と同じ思考回路を学ぶ、つまり思考のトレースをするのが最善の方法です。何か問題に直面した時、「学長ならどうするだろう」「あの先生ならどうするだろう」と考えるようになりました。

全部をマネするのは難しいですが、何度も繰り返すことでだんだんと体に染み付いていきます。そういう意味で、RTOCS(※2)は「当該企業の経営者だったらどうするか」という課題を100回繰り返すので、世界的なビジネスマンの思考をトレースできる絶好の機会でした。

――最後に、MBAを検討されている方へのアドバイスをお願いします。

MBAは、言ってしまえばある一定の単位を取れれば取得できてしまいます。カリキュラムはどの大学院でも大差がないだけに、学生生活の過ごし方が重要です。だからこそ、せっかく自己投資をするなら一番おもしろそうなところを選ぶべきだと思います。

私にとっては、オンラインで学べて通学が必要ないことと、一流のビジネスマンから学べることが、BBT大学院を選んだ決め手でした。BBT大学院で学んだことは現在も活きていますし、入学してよかったと思っています。

※編集註:
(※2)「RTOCS(アールトックス)」は「Real Time Online Case Study」の略称で、BBT独自のケースメソッドです。答えの出ていない「現在進行形の企業課題」をケースとして扱い、当該企業に関する調査・分析・戦略考案を自ら実施します。大前研一学長の戦略系科目において、2年間毎週1題=合計約100題 を繰り返し行います。


株式会社リクルート(以下、リクルート)で、エグゼクティブ・プロデューサーとしてさまざまな事業や企画の戦略設計を手がける深澤昌生さん。もともと営業職として入社し、トップの成績を収めたことでコンサルティングにかかわる部署へ異動。

人と組織にかかわるコンサルティングの仕事に取り組むなかで、MBAに興味をもったそうです。一流の講師陣から実践的な知見を得られるのがBBT大学院の魅力だと語る深澤さん。2年間の学びがいまどのように役立っているのか、お話をうかがいました。

修了生プロフィール

深澤 昌生(ふかさわ まさお)さん
2009年4月ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)入学、2011年3月修了。入学時36歳、インタビュー時は46歳。株式会社リクルート・リクルートDivion統括本部、HR本部、HRエージェントDivision、ソリューション統括部・エグゼクティブプロデューサー(2021年9月現在)。

一流の講師陣から学びを得たい。ビジネスパーソンとしての視座を高めるべくBBT大学院へ


――はじめに、深澤さんがBBT大学院でMBAを取ろうと思ったきっかけを教えていただけますか。

私は、メーカー勤務を経てリクルートに転職しました。はじめは営業職でしたが、一定の成果を上げ、コンサルティング色の強い部署に異動することになりました。そこでは人と組織にかかわるコンサルティングを行なっていました。

もともと営業を担当していたのでマーケティングの仕事がわかっていて、さらにコンサルティングの部署を経験したことで人と組織にかかわる仕事もわかるようになってきました。

当時、BBT大学院で組織人事分野を専門としていたする野田稔先生がリクルートにいらっしゃって、一緒に仕事をしていました。実務を通していろいろなことを教わるうちに、MBAとは、人と組織、マーケティングや経営戦略など、全体を俯瞰する学問だと知りました。

コンサルティングの部署では、仕事のおもしろさと同時に難しさも感じていました。このままリクルートで働くうえで、マネジメント層として上を目指していくキャリアパスもあれば、専門的なものの見方ができるスペシャリストになる方向もあり、自分の性分としては後者を試してみたいと思っていました。

――なぜBBT大学院をお選びいただいたのでしょう?

BBT大学院を選んだのは、通学を必要とせず、100%オンラインで学べることに魅力を感じたからです。仕事が忙しかったので、通って学ぶという選択肢はありませんでした。

また、大前学長をはじめ、BBT大学院の講師陣にはマッキンゼー出身が多く、第一線で活躍するビジネスパーソンからマッキンゼー流のMBAを学んでみたいと思いました。

ディスカッションはいわゆる他流試合。暗黙知が通用しない相手とのコミュニケーションの難しさを実感


――実際にBBT大学院に入学されてみていかがでしたか?

入学してからのギャップは特になく、思った通りの学校でした。特に良いと感じたのは、オンライン上でテキストを通してディスカッションを行なうことです。所属先や役職、年齢などに関係なく、フラットな立場で自由に議論ができるのは有意義な経験でした。ただ、自分なりの言葉で、相手に意味がわかるように伝えなければならない部分は工夫が必要でしたね。

というのは、自社内では少ない言葉で伝わるような内容でも、違う会社の文化が異なる人に伝えるには、ロジカルかつ丁寧に説明する必要があります。相手によって伝え方を変えなければならないこともあり、頭を使いました。

――暗黙知が通用しない社外の人たちと議論をする、つまり他流試合の機会を持てるということですね。

異なる文化をもった人とうまくやっていくために、ロジカルな考え方ができること、しっかりと文章化できること、そしてそれをうまく伝えられることの3つはとても重要です。

ディスカッションの内容を何度も見返すことができるのも、BBT大学院で学ぶことのメリットだと思います。多くの人が納得してたくさんレスポンスがついたものは良い発言だったといえるので、同じパターンで応用が利きます。また、過去のディスカッションを振り返ると、「こういう論理展開をするとこうなる」「こういう点に注意して文章を書いたな」などと思い出すことができます。

いろいろな人に気を遣って文章を書くことは、自分に味方をつけるうえで大切です。仕事で何かを提案する時の文章も一緒で、いかに相手に納得してもらい、味方になってもらうかがポイントですよね。

ひとつの会社に長くいて、その環境に慣れてしまうと、コミュニケーションの仕方が凝り固まってしまいます。若いうちに外の世界を知らないと自分を変えられないので、思い切って新しい環境に飛び込んでよかったと思っています。

卒業研究をもとに新規事業の立ち上げに成功。バッターボックスがたくさん回ってくるように


――卒業研究(※1)はどのようなテーマで進められたのでしょうか?

卒業研究ではRPO(Recruitment Process Outsourcing=採用アウトソーシング)をテーマに事業計画を立案しました。もともと興味があるテーマだったので、BBT大学院に入学する前から構想を練っていて、2年間の学びを活かしてカタチにしようと思っていました。

はじめは自分ひとりで考えて、ある程度の手ごたえを感じていたものが、BBT大学院でいろいろな人から第三者視点でのアドバイスをもらったことで、さらにブラッシュアップされていきました。

担当教官の久保一之先生は事業計画に抜けがないかしっかり確認してくださいましたし、大前学長も「おもしろいかも」と言ってくださいました。背中を押してくれる人がたくさんいたことはありがたかったですね。

――卒業研究でまとめたビジネスプランを、実際に事業化されたとうかがいました。

BBT大学院を卒業後に社内で新規事業を立ち上げ、成功させることができました。結果として、それまで以上に仕事におけるバッターボックスがたくさん回ってくるようになりました。現在は、さまざまな事業や企画のプロデュースと戦略設計をするのが私の仕事です。

(※1)「卒業研究」:BBT大学院の卒業研究では、新規事業計画を立案します。一流の実務家教員による個別指導のもと、机上の空論ではなく、実戦で通用する事業計画を作ります。

MBAを学ぶことは、人生における“モヤモヤ”を“スッキリ”させるための選択肢のひとつ


――深澤さんは36歳の時にBBT大学院に入学されました。30代のビジネスマンがMBAを学ぶことの意義をどのようにお考えでしょうか?

30代中盤は、自分のキャリアや進むべき方向について漠然とした不安を抱えやすい世代だと思います。中長期的に考えてうまくいくのかわからないことに出会った時、自分である程度判断できる力は必要です。でも、自分の考えや判断が正しいのかどうか、相対的に比較するものがないとモヤモヤして、誰かに助言をもらいたいことがあると思います。

人生はそんな“モヤモヤ”を“スッキリ”させていくことの連続です。MBAを学ぶことは、モヤモヤをスッキリさせるための選択肢のひとつではないでしょうか。人生100年といわれるなか、「思考して、意思決定して、行動する」というサイクルの繰り返しを楽しめるかどうかが肝心です。

――自己投資をして新たなコミュニティに飛び込むことが、その後の人生を大きく変えることにつながるんですね。

BBT大学院は私にとって、人生の分岐点です。いろいろなタイプのクラスメイトとの出会いはとても刺激になりました。また、大前学長の竹を割ったような性格を目の前で見られましたし、思ったよりもやさしくて情に厚いことは意外な発見でした。

それまでリクルートで覚えてきたものとは違う多様な価値観を知れたことで、さまざまなものごとに対する判断が早くなったように思います。ものごとの判断をスムーズに行なうには、世界で成功した人と同じ思考回路を学ぶ、つまり思考のトレースをするのが最善の方法です。何か問題に直面した時、「学長ならどうするだろう」「あの先生ならどうするだろう」と考えるようになりました。

全部をマネするのは難しいですが、何度も繰り返すことでだんだんと体に染み付いていきます。そういう意味で、RTOCS(※2)は「当該企業の経営者だったらどうするか」という課題を100回繰り返すので、世界的なビジネスマンの思考をトレースできる絶好の機会でした。

――最後に、MBAを検討されている方へのアドバイスをお願いします。

MBAは、言ってしまえばある一定の単位を取れれば取得できてしまいます。カリキュラムはどの大学院でも大差がないだけに、学生生活の過ごし方が重要です。だからこそ、せっかく自己投資をするなら一番おもしろそうなところを選ぶべきだと思います。

私にとっては、オンラインで学べて通学が必要ないことと、一流のビジネスマンから学べることが、BBT大学院を選んだ決め手でした。BBT大学院で学んだことは現在も活きていますし、入学してよかったと思っています。

※編集註:
(※2)「RTOCS(アールトックス)」は「Real Time Online Case Study」の略称で、BBT独自のケースメソッドです。答えの出ていない「現在進行形の企業課題」をケースとして扱い、当該企業に関する調査・分析・戦略考案を自ら実施します。大前研一学長の戦略系科目において、2年間毎週1題=合計約100題 を繰り返し行います。