『目の健康を取り戻す』をコンセプトに新しいメガネ「リトリーブ」を自社の新規事業として開発した筒井さん。このメガネは独自の成膜技術を応用して開発したまったく新しい機能性メガネとして世にリリースされました。そこで開発ストーリーを交えつつ、製作過程で役立ったと言う「企画の考え方」をお話しいただきます。

修了生プロフィール

筒井 麻江 さん
SELエナジー株式会社 事業推進部 部長
アメリカNY州へ留学をし、New York Institute of Business Technologyを卒業。1年間の労働許可を得、丸紅株式会社NY支社にてCFO秘書及び財務部アシスタントとして勤務。
帰国後は山九株式会社にて、中国系船会社の航路経営管理部として社内の業務改善に従事。その一貫として独自の船社システムを構築し業務のスリム化を実現。また、新船会社設立なども担当。その後は昔の上司に紹介された現在の企業にて業務全般を担当している。
現在は「かけるサプリ」疲れ目を取るメガネの事業運営が業務の中心。 retrieve-リトリーブHP: http://team-omo.com/

趣味はスノーケリング、マラソンなどのアクティビティから、生花まで興味を持ったことは何でも挑戦する好奇心旺盛な性格。特にスノーケリングは、親戚が住んでいる小笠原諸島父島で体験したことをきっかけに魅了され、毎年海外へ潜りに行くように。これまでの中で印象深いスポットは、モルジブ、グレートバリアリーフ、鹿児島の沖永良部島。アレルギー体質を改善する目的で、運動や食事にも関心が強い。過去にはフルマラソンにも挑戦したことも。BBT大学院で学びの習慣が身についたので、常にテーマを持って新しいことを学ぶようにしている。最近のブームはイタリア語。

CASE1 日常に溢れる情報や様々な現象にアンテナを張る

テーマを持ち世の中を観察する

スマホがあればどこでもネットに繋ぐことができる現代、情報収集はぐっと簡単になりました。例えばちょっとした電車の移動時間など、場所や時間などに囚われずにリサーチできますよね。多くのニュースアプリやソーシャルネットワークなどが、大量の情報をスマホの画面に表示してくれます。しかし、ただ単に目の前を流れている情報をそのまま斜め読みしたり聞き流したりするだけでは、自分自身の「知識(ナレッジ)」としては蓄積されません。膨大な情報の中から、いかに自分に役立つものを見つけ出し、自分の財産として育てるかは、変化の激しい時代においてますます重要なスキルになると考えています。

いわずもがな、情報収集はむやみに行っても意味はありません。情報収集とは自分自身の「ナレッジ」の素材を蓄えることが目的であり、収集自体が目的ではないからです。従って前提として、「自分自身のアンテナ」の感度を高めておく必要があります。この感度は「問題意識」とも言えるでしょう。これは現状の業務に対する課題感はもちろん、社会や経済に対する問題意識も含まれます。

・業務上の課題と考えていること
・社会の課題だと考えていること
・自分自身が関心を持っていること

例えばこれらの観点を常に意識することが大切だと思います。

私の場合は業務上の課題として、自社が独自に保有する「成膜技術」をどのように活用するか?というテーマを持っていました。この成膜技術とは、物体の表面に特殊な薄い膜をコーティングする技術です。元々は発電事業に使っていましたが、事業構造の変化によって現在は縮小傾向となっています。とはいえ設備や人員のリソースを抱えていたので、他用途としての開発が必要でした。当然発電関係での用途も検討していましたが、そこにとらわれない新しい領域へ挑戦できないか、と試行錯誤していたのです。

また業務上のテーマとは別に、日常的なテーマも常に持つようにしています。例えば「スマホ普及に伴う変化」などです。

・スマホの普及によって、どのような経済の変化が起こるのか?
・スマホの普及によって、人の体にはどのような変化が起こるのか?
・スマホの普及によって、社会はどのように変化するのか?

このような日常的な「問い」を持つことで、ネットを見ている時だけでなく街を歩いていても様々な発見をすることができます。つまり「観察」という情報収集手段です。

・通勤電車の中を観察すると、自分を含め殆どの人がスマホを利用している
・各電鉄会社は「ホームでの歩きスマホ」に対して注意広告を出している
・「若年層の老眼増加」というニュースが飛び込んでくる

こんな風に何気なく眺めている日常の様々なカットが貴重な情報源となります。他にも様々なテーマの持ち方があります。テーマを意識すると情報への感度は高くなるでしょう。

情報の整理は仮説の閃きにつながる

また、私はアンテナに反応して得た情報をスマホのメモやカメラを活用して記録しています。頭の中にストックしているものもありますが、基本的には忘れないようにキーワードだけでもメモしているのです。そして時折これらの情報やキーワードを見返し、そのとき抱えている問いやテーマと関連が深いと感じたものをノートに書き出しながら整理し、新たな気づきを得るようにしています。

以下の写真は私が実際に使っているノートの一部です。まだ情報を整理しているプロセスなので、決してきれいにまとめまってはおらず、混沌とした状態です。

この状態から情報の整理を更に進めます。こうして情報は「ナレッジ」に変化していくのです。この過程で新たな発想や仮説が生まれることも多くあります。たとえば今回のメガネ企画をはじめた当初の整理は、下図のようなイメージでした。

この事例では、スマホ市場の成長に伴い「目」に対しての悩みも増加している、目の疲れを軽減するプロダクトにニーズは無いだろうか、という仮説が生まれました。業務上のテーマと日常の観察テーマが繋がった瞬間です。私の経験では、アイデアはロジックの積み重ねではなくある一定のインプットの量に達すると、ふと閃くようなイメージがあります。ちょうど神経回路(シナプス)が繋がるような感覚です。

情報収集と言ってもどこから手を付けて良いかわからない、アイデアが出ない、と考えている皆さんは、このような形でテーマ設定から始め、自分の情報データベースを徐々に蓄積されてみてはいかがでしょうか。

CASE2 データ検証によって仮説から企画へと昇華させる

仮説の検証と説得力を高めるために

CASE1のプロセスを経てある程度の情報が集まってくると、持っているテーマに対して、アイデアや仮説が芽生えます。

今回の仮説は、 「自社の成膜技術を応用したメガネを開発し、目に対する悩みの解決できる市場に参入できないか?」 というものでした。そこで次のステップとしてこの仮説の検証に進めます。

CASE1で得た情報のソースは主にニュースや観察事項です。すなわち一次情報やファクト(事実)という視点で考えると、もう少し正確性が必要です。また、実現可能性という点でもまだ検証すべき事項が残っています。 (※実現可能性については今回の本論では無いので詳細は省きますが、成膜技術をメガネのレンズに施す事の技術的なハードルはクリアできそうでした)

なぜ検証が必要かと言うと、上述のようにスマホに蓄積しノートにまとめた情報は、あくまでキーワードや気付きが元となるので、いわゆる「肌感覚」に近いものです。今後事業化するにあたっては、社内であれば上司の承認が必要ですし、ベンチャー企業であれば投資家に支援をしてもらうための説明が必要です。即ち第三者を納得させるだけの説得力が必要なのです。また、この説得は自分にも向けられます。自分自身も強く説得することで、より深い自信を持つことが出来るからです。

そこでこれらの感覚値を事実と結びつけるために、各省庁やシンクタンクが発表するデータを使って検証していきます。最近はインターネットで多くの「白書」がデータを公開しているので、ネット検索で簡単にファクト調査ができるようになりました。

戦略フレームワークを活用し正しく分析する

ファクトデータの収集に抜け漏れを起こさないためには、様々なフレームワークが役に立ちます。フレームワークは思考を整理する「型」のようなもので、情報収集の目的によって使い分けることが大切です。

ファクトに基づく情報収集は「大きな視点から細部」に落とす流れが重要ですので、まずはマクロな観点から下図のようにPESTのフレームワークを用いて情報を整理しました。

(※以下の図表は、実際のデータを編集し作成しています。)

PEST分析とは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの言葉の頭文字を取った外部環境分析におけるフレームワークを指し、この場合は「スマホをめぐる大きな社会の変化」というテーマに当てはめて分析をしています。

またこれに加えメガネ業界の収益性や魅力度を確認する5F分析、そして外部環境の変化に対する自社の強みや弱みを分析するSWOT分析や3C分析なども行いました。これらフレームワークはPESTと同様に理論化された整理軸であり、大きな視点から戦略を立てるにあたりとてもパワフルに働くものです。

*SWOT: 強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)
*3C: 市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)




さて、このようなフレームワークに基づいて情報をプロットすると、CASE1で得た情報だけでは足りない要素を発見することもあります。例えば、PEST分析においては「政治」の視点が抜けていました。関連の法改正はあったのか?規制緩和は無いのか?などについて調査することで、市場の成長性を予測する要素も集める必要があります。こうすることで情報整理のレベルが高まり、アウトプットにおいては信頼性も高まります。

そしてこれら分析の結果、スマホが急速に普及することにより疲れ目に悩む人が増加している、そのような人々に対して新しい機能性のメガネを販売することは大きなチャンスになる、と裏付けられました。

とはいえメガネ市場は大手店舗拡大に伴う売上競争が中心の業界です。そういった中でブランド認知がなく、予算もない私達が新規に参入する戦術として、EC販売やSNSなどを活用したデジタルマーケティングを実施することにしました。今回の本題とは関連が低いので、詳細は割愛しますが、具体的な戦略立案にあたっても、普段から収集している情報が役に立っていることは言うまでもありません。

また調査の結果、市場性や実現可能性に困難を感じて却下したアイデアは膨大にあります。しかし却下したアイデアは現時点ではフィットしないという判断に基づくものであり、決して無駄にはなりません。このような検討の蓄積が、自分自身のナレッジベースには重要です。このプロセスを通じて、アイデアが具体的な戦略へと育っていきます。

なおフレームワークを活用する際に重要な注意点があります。確かにフレームワークは非常に便利で強力なツールです。しかし目的に合わせた適切なフレームワークを活用しないと、ピントがズレた分析内容になってしまいます。ピントがあったフレームワークを作り出すためには、多くの試行錯誤が必要です。説得力を強化するために当てはめては崩すことを繰り返しながら検証してみましょう。

こだわりは納期やコストとの戦い

このように観察やリサーチを通じて組み立てた事業戦略ですが、最終的に実行するのは「ヒト」です。例えば、今回立ち上げたメガネは一部海外で生産をしています。海外の生産工場とのコミュニケーションは苦労しました。私達が当たり前だと思っていることも全て明文化し、詳細を相手に伝えなければ、思い通りの商品は納入されません。特にメガネは身に付けるもので、かつファッション性が高いため、設計やデザインの意図を正確に反映させてもらうことが重要でした。

さらに「ものづくり」はソフトウェア開発とは異なり、1度世に出すとその製品の修正は原則として出来ません。納期とコストと戦いながらしっかり作り込むことがとても重要なのです。例えばメガネケースの試作品のデザインが、私の描いた下絵と比べて2ミリほどズレて印刷されていたことがありました。この2ミリはデザインした当事者でしか気づかない差でした。しかし私はそのズレを許容せずに再度作成をお願いしました。1つ1つの細かいズレが積み重なると、完成品は当初イメージしていたものと大きく異なる可能性が強いからです。

自分の頭にあるイメージを正確に相手に伝えることは非常に難しいことです。なぜならその人が持っている背景や思考などは人それぞれだからです。相手がデザイナーの場合と、モノづくりをする人では仕事の着眼点は異なります。従って相手をよく理解した上で、相手に合わせたコミュニケーションを行う必要があります。ついつい頭の中にあることを全部伝えたくなるものですが、不要な情報は相手を混乱させるだけです。そのようなコミュニケーション設計も重要だと思い知らされました。

最後となりますが、ここまで製品開発のプロセスにおいて情報収集、整理、コミュニケーションの考え方を私の体験を通じてお話しさせていただきました。新サービスや製品開発に携わる方々の参考になれば嬉しいです。

Interview1:学びを振り返って

勤務先に依存する不安を払拭したい

女性の雇用問題や年金問題、一定の年齢に達すると転職の不確実性が高まる…、など漠然と日本の将来に対する不安が強くなり、自分で稼げる人間になりたいと思い始めたのがMBAを志すきっかけでした。

また、年功序列型の日本の会社文化の中で、勤務先に依存し続けるという不安を払拭したい、精神的に自立して社会と対峙するためにもビジネスを深く学びたい、という想いも背景にはありました。そのため変化の激しい時代において結果を出し続けられる「稼ぐ力の体得」をメッセージとして発信しているBBT大学院にはとてもフィットするだろうと思い、出願・入学をしました。

しかし入学したばかりの数ヶ月は苦戦が続きました。私の場合、帰宅後に講義映像の視聴やディスカッションに取り組んでいましたが、仕事上がりということもあり気持ちの切り替えが上手にできませんでした。うまくバランスがとれていませんでしたね。

そこで途中から夜は講義視聴に集中し、朝にディスカッションに参加するスタイルに変えていったところそれが上手くハマり、良い学びのサイクルが出来上がりました。このように、学習スタイルを試行錯誤しながら最も自分に適した形に調整できるのもBBT大学院のオンライン学習の良さだと思います。

なおBBT大学院の講義はオンラインディスカッションの量と質、つまりアウトプットの観点で評価される科目が多いです。ディスカッションはAirCampusというオンライン学習プラットフォームにおいて「テキストベース」で繰り広げられ、人気講義は一晩で100以上の発言投稿が行われることもあります。オンラインと言っても時間捻出に苦労することがあるかと思いますが、私の場合はオフラインで同級生と会う機会を作るなど工夫しながらやり抜きました。このように周りを巻き込むことも大切かと思います。

自分の力をもっと試したい

これまでは秘書業務が多く、黒子としてバックオフィスを万全の体制にすることにやりがいを感じていましたが、卒業後は自分が企画をして前に出る機会が増えてきました。今回ご紹介したメガネの事業も私に任せてもらっています。また自らが主体性を持って仕事を作ることで、様々なビジネスパーソンとお会いする機会も増えてきました。彼らとのコミュニケーションの中で野心やビジョンなどについて伺ううちに、自分もそういったことを目指してみたいという気持ちになりました。成功者は皆上をみて走り続けています。私もそのように上を目指し続けられる人間になりたいと強く思います。

実務に役立つ上、必ずゴールできるやりがいのある目標として最適

BBT大学院はアカデミックな学習よりも業務で実践できる学びが多いので、とにかく学んだ内容を仕事にどんどん活かしたいと考えている方におすすめできます。ディスカッションのテーマは「この理論についてどう考えるか?」というよりも「この理論を今の環境で生かすとしたらどうすべきか?」という議論が中心です。その過程で自社の問題点に気付き、解決策をクラスメートと議論することも少なくありません。なお会計士や研究者、経営者など、バックグラウンドや視点が様々なクラスメートがたくさんいるため、ダイバーシティに富んだ環境のもと、良い刺激を受けながら学べました。

検討にあたり「自分にも本当にできるのか?」と不安に思う方もいらっしゃるはずです。学びをともにする同級生や学びを支援していただけるティーチングアシスタント(TA)、そして学習上の相談に乗ってくれる教務部の方などさまざまなサポートがBBTにはありますので、やる気と根気さえあれば誰でもゴールできるはずです。ぜひ初志を忘れないようにしてください。

また費用対効果も気になるところですよね。費用対効果については自分で作るものという認識が重要です。MBAが取得できたからといって明確なリターンが約束されるわけではありません。ただし思考力や実践力など自分自身の価値は受講前と比べてはるかに高まります。よってMBAという経験を生かすも殺すも本当に自分次第なのです。人生100年時代と言われる世の中において、自分の可能性を最大化するためにMBAに飛び込む価値は充分にあると思いますよ。

Interview2:周囲の評価
――学びを実務に活かしているMBAホルダーを見て


塩田久人さん/CGデザイン担当

硬軟を併せ持つ懐の深さが、周囲を巻き込む

私の専門分野は映像を中心としたデザインでして、筒井さんとは一緒にメガネの開発をしています。小規模な会社なので開発にあたっては担当分野を決めることはせずに、発生したタスクに対して一番得意な人が手を動かすというスタイルで進めています。

筒井さんの仕事のスタイルは、海外での経験もあると聞いているせいか、いわゆる外国人的な部分と、日本人的な部分の両方を併せ持っているように思います。

例えば、物事を人に説明する時に、前フリ、本題、結論、という流れで話す人が多いと思いますが、彼女は結論から話すタイプです。わかりやすく無駄なことは言わないというコミュニケーションが外国人的だな、と思っています。一方で、日本人的だなと思う要素は、物事に対する繊細な気配りが随所で見られることですね。製品開発そのものも非常に細かい所まで気にされますし、普段のコミュニケーションでも相手に対する気配りが行き届いているように感じています。

このような硬軟を併せ持つコミュニケーションスタイルで関係者を巻き込みながら、事業を推進されている姿は社内でも一目置かれています。

またビジネスについて、様々な視点から考えることができる人だと思います。メガネに関わらず、モノづくりには、品質管理、マーケティングや製造元のマネジメントなど多岐にわたる業務があります。それらを一手に引き受けて推進するパワーがあります。MBAを取られていると聞いてさもありなん、と思いました。私の周りにはMBAを持っている知人が何人かいますが、MBAとはビジネスにおいて自分のやりたい事を実現するスキルと捉えています。

今回のメガネ開発は彼女のアイデアからスタートしました。アイデアを元に発売までこぎつけ、お客様の評判も上々です。これから様々な領域で新規事業に挑戦できる人だと思っていますので、私自身、引き続き一緒に新しい価値を世の中に提供して行きたいと思います。


堀部千昭さん/エネルギー開発部 技術担当

企画力と実行力を併せ持つスーパーキャリアウーマン

私は技術屋としてのキャリアを積み重ね、現在はこの会社でアドバイザーとして関わらせてもらっています。彼女のメガネ開発を側面から支援をしていますが、自分で事業を切り開いていく姿には感銘を受けています。私は海外含めて会社の立ち上げやM&Aなどの経験がありますが、その当時に彼女のような有能なメンバーがいればもっと楽にできたのに…と思うことがあります。

手探りで進めていたことを、MBAプログラムを通じて体系的に学ばれ、業務にフル活用されていると思います。事業企画からマーケティングまでを手広く手がけることができているのは、BBTでMBAを学び実践力が鍛えられたからではないでしょうか。

私はかつて大企業に所属していたこともありますが、大きな企業では様々な社内での制約があり、不自由を感じたこともあります。このような小さな組織内でリスクを取った素早い意思決定をし、すぐに行動を移せる環境が彼女に向いているように思います。

事業企画や製品開発だけでなく、SNSへの投稿といった地道なマーケティング作業や、時には店頭に立って自ら売り込む所までやってのける、頭も手も動かせるスーパーキャリアウーマンと言ったところでしょうか。

彼女のように自分のアイデアを元にビジネスを企画し仲間を集めて立ち上げることができる人、言い換えれば自ら問題を定義して解決策まで導ける人というのは、これからますます重要な人材になると思います。これからも自分の道を自分の実力で切り開いて頑張ってください!


『目の健康を取り戻す』をコンセプトに新しいメガネ「リトリーブ」を自社の新規事業として開発した筒井さん。このメガネは独自の成膜技術を応用して開発したまったく新しい機能性メガネとして世にリリースされました。そこで開発ストーリーを交えつつ、製作過程で役立ったと言う「企画の考え方」をお話しいただきます。

修了生プロフィール

筒井 麻江 さん
SELエナジー株式会社 事業推進部 部長
アメリカNY州へ留学をし、New York Institute of Business Technologyを卒業。1年間の労働許可を得、丸紅株式会社NY支社にてCFO秘書及び財務部アシスタントとして勤務。
帰国後は山九株式会社にて、中国系船会社の航路経営管理部として社内の業務改善に従事。その一貫として独自の船社システムを構築し業務のスリム化を実現。また、新船会社設立なども担当。その後は昔の上司に紹介された現在の企業にて業務全般を担当している。
現在は「かけるサプリ」疲れ目を取るメガネの事業運営が業務の中心。 retrieve-リトリーブHP: http://team-omo.com/

趣味はスノーケリング、マラソンなどのアクティビティから、生花まで興味を持ったことは何でも挑戦する好奇心旺盛な性格。特にスノーケリングは、親戚が住んでいる小笠原諸島父島で体験したことをきっかけに魅了され、毎年海外へ潜りに行くように。これまでの中で印象深いスポットは、モルジブ、グレートバリアリーフ、鹿児島の沖永良部島。アレルギー体質を改善する目的で、運動や食事にも関心が強い。過去にはフルマラソンにも挑戦したことも。BBT大学院で学びの習慣が身についたので、常にテーマを持って新しいことを学ぶようにしている。最近のブームはイタリア語。

CASE1 日常に溢れる情報や様々な現象にアンテナを張る

テーマを持ち世の中を観察する

スマホがあればどこでもネットに繋ぐことができる現代、情報収集はぐっと簡単になりました。例えばちょっとした電車の移動時間など、場所や時間などに囚われずにリサーチできますよね。多くのニュースアプリやソーシャルネットワークなどが、大量の情報をスマホの画面に表示してくれます。しかし、ただ単に目の前を流れている情報をそのまま斜め読みしたり聞き流したりするだけでは、自分自身の「知識(ナレッジ)」としては蓄積されません。膨大な情報の中から、いかに自分に役立つものを見つけ出し、自分の財産として育てるかは、変化の激しい時代においてますます重要なスキルになると考えています。

いわずもがな、情報収集はむやみに行っても意味はありません。情報収集とは自分自身の「ナレッジ」の素材を蓄えることが目的であり、収集自体が目的ではないからです。従って前提として、「自分自身のアンテナ」の感度を高めておく必要があります。この感度は「問題意識」とも言えるでしょう。これは現状の業務に対する課題感はもちろん、社会や経済に対する問題意識も含まれます。

・業務上の課題と考えていること
・社会の課題だと考えていること
・自分自身が関心を持っていること

例えばこれらの観点を常に意識することが大切だと思います。

私の場合は業務上の課題として、自社が独自に保有する「成膜技術」をどのように活用するか?というテーマを持っていました。この成膜技術とは、物体の表面に特殊な薄い膜をコーティングする技術です。元々は発電事業に使っていましたが、事業構造の変化によって現在は縮小傾向となっています。とはいえ設備や人員のリソースを抱えていたので、他用途としての開発が必要でした。当然発電関係での用途も検討していましたが、そこにとらわれない新しい領域へ挑戦できないか、と試行錯誤していたのです。

また業務上のテーマとは別に、日常的なテーマも常に持つようにしています。例えば「スマホ普及に伴う変化」などです。

・スマホの普及によって、どのような経済の変化が起こるのか?
・スマホの普及によって、人の体にはどのような変化が起こるのか?
・スマホの普及によって、社会はどのように変化するのか?

このような日常的な「問い」を持つことで、ネットを見ている時だけでなく街を歩いていても様々な発見をすることができます。つまり「観察」という情報収集手段です。

・通勤電車の中を観察すると、自分を含め殆どの人がスマホを利用している
・各電鉄会社は「ホームでの歩きスマホ」に対して注意広告を出している
・「若年層の老眼増加」というニュースが飛び込んでくる

こんな風に何気なく眺めている日常の様々なカットが貴重な情報源となります。他にも様々なテーマの持ち方があります。テーマを意識すると情報への感度は高くなるでしょう。

情報の整理は仮説の閃きにつながる

また、私はアンテナに反応して得た情報をスマホのメモやカメラを活用して記録しています。頭の中にストックしているものもありますが、基本的には忘れないようにキーワードだけでもメモしているのです。そして時折これらの情報やキーワードを見返し、そのとき抱えている問いやテーマと関連が深いと感じたものをノートに書き出しながら整理し、新たな気づきを得るようにしています。

以下の写真は私が実際に使っているノートの一部です。まだ情報を整理しているプロセスなので、決してきれいにまとめまってはおらず、混沌とした状態です。

この状態から情報の整理を更に進めます。こうして情報は「ナレッジ」に変化していくのです。この過程で新たな発想や仮説が生まれることも多くあります。たとえば今回のメガネ企画をはじめた当初の整理は、下図のようなイメージでした。

この事例では、スマホ市場の成長に伴い「目」に対しての悩みも増加している、目の疲れを軽減するプロダクトにニーズは無いだろうか、という仮説が生まれました。業務上のテーマと日常の観察テーマが繋がった瞬間です。私の経験では、アイデアはロジックの積み重ねではなくある一定のインプットの量に達すると、ふと閃くようなイメージがあります。ちょうど神経回路(シナプス)が繋がるような感覚です。

情報収集と言ってもどこから手を付けて良いかわからない、アイデアが出ない、と考えている皆さんは、このような形でテーマ設定から始め、自分の情報データベースを徐々に蓄積されてみてはいかがでしょうか。

CASE2 データ検証によって仮説から企画へと昇華させる

仮説の検証と説得力を高めるために

CASE1のプロセスを経てある程度の情報が集まってくると、持っているテーマに対して、アイデアや仮説が芽生えます。

今回の仮説は、 「自社の成膜技術を応用したメガネを開発し、目に対する悩みの解決できる市場に参入できないか?」 というものでした。そこで次のステップとしてこの仮説の検証に進めます。

CASE1で得た情報のソースは主にニュースや観察事項です。すなわち一次情報やファクト(事実)という視点で考えると、もう少し正確性が必要です。また、実現可能性という点でもまだ検証すべき事項が残っています。 (※実現可能性については今回の本論では無いので詳細は省きますが、成膜技術をメガネのレンズに施す事の技術的なハードルはクリアできそうでした)

なぜ検証が必要かと言うと、上述のようにスマホに蓄積しノートにまとめた情報は、あくまでキーワードや気付きが元となるので、いわゆる「肌感覚」に近いものです。今後事業化するにあたっては、社内であれば上司の承認が必要ですし、ベンチャー企業であれば投資家に支援をしてもらうための説明が必要です。即ち第三者を納得させるだけの説得力が必要なのです。また、この説得は自分にも向けられます。自分自身も強く説得することで、より深い自信を持つことが出来るからです。

そこでこれらの感覚値を事実と結びつけるために、各省庁やシンクタンクが発表するデータを使って検証していきます。最近はインターネットで多くの「白書」がデータを公開しているので、ネット検索で簡単にファクト調査ができるようになりました。

戦略フレームワークを活用し正しく分析する

ファクトデータの収集に抜け漏れを起こさないためには、様々なフレームワークが役に立ちます。フレームワークは思考を整理する「型」のようなもので、情報収集の目的によって使い分けることが大切です。

ファクトに基づく情報収集は「大きな視点から細部」に落とす流れが重要ですので、まずはマクロな観点から下図のようにPESTのフレームワークを用いて情報を整理しました。

(※以下の図表は、実際のデータを編集し作成しています。)

PEST分析とは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの言葉の頭文字を取った外部環境分析におけるフレームワークを指し、この場合は「スマホをめぐる大きな社会の変化」というテーマに当てはめて分析をしています。

またこれに加えメガネ業界の収益性や魅力度を確認する5F分析、そして外部環境の変化に対する自社の強みや弱みを分析するSWOT分析や3C分析なども行いました。これらフレームワークはPESTと同様に理論化された整理軸であり、大きな視点から戦略を立てるにあたりとてもパワフルに働くものです。

*SWOT: 強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)
*3C: 市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)




さて、このようなフレームワークに基づいて情報をプロットすると、CASE1で得た情報だけでは足りない要素を発見することもあります。例えば、PEST分析においては「政治」の視点が抜けていました。関連の法改正はあったのか?規制緩和は無いのか?などについて調査することで、市場の成長性を予測する要素も集める必要があります。こうすることで情報整理のレベルが高まり、アウトプットにおいては信頼性も高まります。

そしてこれら分析の結果、スマホが急速に普及することにより疲れ目に悩む人が増加している、そのような人々に対して新しい機能性のメガネを販売することは大きなチャンスになる、と裏付けられました。

とはいえメガネ市場は大手店舗拡大に伴う売上競争が中心の業界です。そういった中でブランド認知がなく、予算もない私達が新規に参入する戦術として、EC販売やSNSなどを活用したデジタルマーケティングを実施することにしました。今回の本題とは関連が低いので、詳細は割愛しますが、具体的な戦略立案にあたっても、普段から収集している情報が役に立っていることは言うまでもありません。

また調査の結果、市場性や実現可能性に困難を感じて却下したアイデアは膨大にあります。しかし却下したアイデアは現時点ではフィットしないという判断に基づくものであり、決して無駄にはなりません。このような検討の蓄積が、自分自身のナレッジベースには重要です。このプロセスを通じて、アイデアが具体的な戦略へと育っていきます。

なおフレームワークを活用する際に重要な注意点があります。確かにフレームワークは非常に便利で強力なツールです。しかし目的に合わせた適切なフレームワークを活用しないと、ピントがズレた分析内容になってしまいます。ピントがあったフレームワークを作り出すためには、多くの試行錯誤が必要です。説得力を強化するために当てはめては崩すことを繰り返しながら検証してみましょう。

こだわりは納期やコストとの戦い

このように観察やリサーチを通じて組み立てた事業戦略ですが、最終的に実行するのは「ヒト」です。例えば、今回立ち上げたメガネは一部海外で生産をしています。海外の生産工場とのコミュニケーションは苦労しました。私達が当たり前だと思っていることも全て明文化し、詳細を相手に伝えなければ、思い通りの商品は納入されません。特にメガネは身に付けるもので、かつファッション性が高いため、設計やデザインの意図を正確に反映させてもらうことが重要でした。

さらに「ものづくり」はソフトウェア開発とは異なり、1度世に出すとその製品の修正は原則として出来ません。納期とコストと戦いながらしっかり作り込むことがとても重要なのです。例えばメガネケースの試作品のデザインが、私の描いた下絵と比べて2ミリほどズレて印刷されていたことがありました。この2ミリはデザインした当事者でしか気づかない差でした。しかし私はそのズレを許容せずに再度作成をお願いしました。1つ1つの細かいズレが積み重なると、完成品は当初イメージしていたものと大きく異なる可能性が強いからです。

自分の頭にあるイメージを正確に相手に伝えることは非常に難しいことです。なぜならその人が持っている背景や思考などは人それぞれだからです。相手がデザイナーの場合と、モノづくりをする人では仕事の着眼点は異なります。従って相手をよく理解した上で、相手に合わせたコミュニケーションを行う必要があります。ついつい頭の中にあることを全部伝えたくなるものですが、不要な情報は相手を混乱させるだけです。そのようなコミュニケーション設計も重要だと思い知らされました。

最後となりますが、ここまで製品開発のプロセスにおいて情報収集、整理、コミュニケーションの考え方を私の体験を通じてお話しさせていただきました。新サービスや製品開発に携わる方々の参考になれば嬉しいです。

Interview1:学びを振り返って

勤務先に依存する不安を払拭したい

女性の雇用問題や年金問題、一定の年齢に達すると転職の不確実性が高まる…、など漠然と日本の将来に対する不安が強くなり、自分で稼げる人間になりたいと思い始めたのがMBAを志すきっかけでした。

また、年功序列型の日本の会社文化の中で、勤務先に依存し続けるという不安を払拭したい、精神的に自立して社会と対峙するためにもビジネスを深く学びたい、という想いも背景にはありました。そのため変化の激しい時代において結果を出し続けられる「稼ぐ力の体得」をメッセージとして発信しているBBT大学院にはとてもフィットするだろうと思い、出願・入学をしました。

しかし入学したばかりの数ヶ月は苦戦が続きました。私の場合、帰宅後に講義映像の視聴やディスカッションに取り組んでいましたが、仕事上がりということもあり気持ちの切り替えが上手にできませんでした。うまくバランスがとれていませんでしたね。

そこで途中から夜は講義視聴に集中し、朝にディスカッションに参加するスタイルに変えていったところそれが上手くハマり、良い学びのサイクルが出来上がりました。このように、学習スタイルを試行錯誤しながら最も自分に適した形に調整できるのもBBT大学院のオンライン学習の良さだと思います。

なおBBT大学院の講義はオンラインディスカッションの量と質、つまりアウトプットの観点で評価される科目が多いです。ディスカッションはAirCampusというオンライン学習プラットフォームにおいて「テキストベース」で繰り広げられ、人気講義は一晩で100以上の発言投稿が行われることもあります。オンラインと言っても時間捻出に苦労することがあるかと思いますが、私の場合はオフラインで同級生と会う機会を作るなど工夫しながらやり抜きました。このように周りを巻き込むことも大切かと思います。

自分の力をもっと試したい

これまでは秘書業務が多く、黒子としてバックオフィスを万全の体制にすることにやりがいを感じていましたが、卒業後は自分が企画をして前に出る機会が増えてきました。今回ご紹介したメガネの事業も私に任せてもらっています。また自らが主体性を持って仕事を作ることで、様々なビジネスパーソンとお会いする機会も増えてきました。彼らとのコミュニケーションの中で野心やビジョンなどについて伺ううちに、自分もそういったことを目指してみたいという気持ちになりました。成功者は皆上をみて走り続けています。私もそのように上を目指し続けられる人間になりたいと強く思います。

実務に役立つ上、必ずゴールできるやりがいのある目標として最適

BBT大学院はアカデミックな学習よりも業務で実践できる学びが多いので、とにかく学んだ内容を仕事にどんどん活かしたいと考えている方におすすめできます。ディスカッションのテーマは「この理論についてどう考えるか?」というよりも「この理論を今の環境で生かすとしたらどうすべきか?」という議論が中心です。その過程で自社の問題点に気付き、解決策をクラスメートと議論することも少なくありません。なお会計士や研究者、経営者など、バックグラウンドや視点が様々なクラスメートがたくさんいるため、ダイバーシティに富んだ環境のもと、良い刺激を受けながら学べました。

検討にあたり「自分にも本当にできるのか?」と不安に思う方もいらっしゃるはずです。学びをともにする同級生や学びを支援していただけるティーチングアシスタント(TA)、そして学習上の相談に乗ってくれる教務部の方などさまざまなサポートがBBTにはありますので、やる気と根気さえあれば誰でもゴールできるはずです。ぜひ初志を忘れないようにしてください。

また費用対効果も気になるところですよね。費用対効果については自分で作るものという認識が重要です。MBAが取得できたからといって明確なリターンが約束されるわけではありません。ただし思考力や実践力など自分自身の価値は受講前と比べてはるかに高まります。よってMBAという経験を生かすも殺すも本当に自分次第なのです。人生100年時代と言われる世の中において、自分の可能性を最大化するためにMBAに飛び込む価値は充分にあると思いますよ。

Interview2:周囲の評価
――学びを実務に活かしているMBAホルダーを見て


塩田久人さん/CGデザイン担当

硬軟を併せ持つ懐の深さが、周囲を巻き込む

私の専門分野は映像を中心としたデザインでして、筒井さんとは一緒にメガネの開発をしています。小規模な会社なので開発にあたっては担当分野を決めることはせずに、発生したタスクに対して一番得意な人が手を動かすというスタイルで進めています。

筒井さんの仕事のスタイルは、海外での経験もあると聞いているせいか、いわゆる外国人的な部分と、日本人的な部分の両方を併せ持っているように思います。

例えば、物事を人に説明する時に、前フリ、本題、結論、という流れで話す人が多いと思いますが、彼女は結論から話すタイプです。わかりやすく無駄なことは言わないというコミュニケーションが外国人的だな、と思っています。一方で、日本人的だなと思う要素は、物事に対する繊細な気配りが随所で見られることですね。製品開発そのものも非常に細かい所まで気にされますし、普段のコミュニケーションでも相手に対する気配りが行き届いているように感じています。

このような硬軟を併せ持つコミュニケーションスタイルで関係者を巻き込みながら、事業を推進されている姿は社内でも一目置かれています。

またビジネスについて、様々な視点から考えることができる人だと思います。メガネに関わらず、モノづくりには、品質管理、マーケティングや製造元のマネジメントなど多岐にわたる業務があります。それらを一手に引き受けて推進するパワーがあります。MBAを取られていると聞いてさもありなん、と思いました。私の周りにはMBAを持っている知人が何人かいますが、MBAとはビジネスにおいて自分のやりたい事を実現するスキルと捉えています。

今回のメガネ開発は彼女のアイデアからスタートしました。アイデアを元に発売までこぎつけ、お客様の評判も上々です。これから様々な領域で新規事業に挑戦できる人だと思っていますので、私自身、引き続き一緒に新しい価値を世の中に提供して行きたいと思います。


堀部千昭さん/エネルギー開発部 技術担当

企画力と実行力を併せ持つスーパーキャリアウーマン

私は技術屋としてのキャリアを積み重ね、現在はこの会社でアドバイザーとして関わらせてもらっています。彼女のメガネ開発を側面から支援をしていますが、自分で事業を切り開いていく姿には感銘を受けています。私は海外含めて会社の立ち上げやM&Aなどの経験がありますが、その当時に彼女のような有能なメンバーがいればもっと楽にできたのに…と思うことがあります。

手探りで進めていたことを、MBAプログラムを通じて体系的に学ばれ、業務にフル活用されていると思います。事業企画からマーケティングまでを手広く手がけることができているのは、BBTでMBAを学び実践力が鍛えられたからではないでしょうか。

私はかつて大企業に所属していたこともありますが、大きな企業では様々な社内での制約があり、不自由を感じたこともあります。このような小さな組織内でリスクを取った素早い意思決定をし、すぐに行動を移せる環境が彼女に向いているように思います。

事業企画や製品開発だけでなく、SNSへの投稿といった地道なマーケティング作業や、時には店頭に立って自ら売り込む所までやってのける、頭も手も動かせるスーパーキャリアウーマンと言ったところでしょうか。

彼女のように自分のアイデアを元にビジネスを企画し仲間を集めて立ち上げることができる人、言い換えれば自ら問題を定義して解決策まで導ける人というのは、これからますます重要な人材になると思います。これからも自分の道を自分の実力で切り開いて頑張ってください!