大学病院の薬剤師として、患者のケアとサポートにあたってきた生駒利恵子さん。あるがん患者との出会いが医療のあり方を考えるきっかけとなり、一方で病院経営の難しさも感じていたそうです。

医療の現場で直面するさまざまな課題を解決するための力を身につけたいと、BBT大学院でMBAを学ぶことを決めました。多忙な日々のなかでどのように勉強に取り組んだのか、そしてBBT大学院での経験をこれからどのように生かしていきたいかをうかがいました。

修了生プロフィール

生駒 利恵子(いこま りえこ)さん
2019年4月ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)入学、2021年3月修了。入学時56歳、インタビュー時は58歳。東京女子医科大学病院にて薬剤師として勤務(2021年6月現在)。

患者をサポートする仕組みを構築したい。問題解決力を身につけるべくMBAの取得を決意

――生駒さんがBBT大学院で学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

長年、大学病院の薬剤師として勤めてきました。多くの患者様の調剤業務や服薬指導などを行なうなかで、特にがんの患者様は特にいろいろなサポートを必要としていることを感じていました。

私ががんの患者様に関わりはじめた頃、高齢のお母様とその息子さんとお話しする機会がありました。お母様は抗がん剤による治療を受けられていましたが、薬が効かなくなったため、別の薬による治療法に変更予定でした。息子さんは、「お金がかかっても何とか母を助けたい」と新しい治療法を受けさせようとしていました。しかし、お母様は息子さんに経済的な負担がかかることを気にされ、「もっと楽に逝けるかと思った」と口にされたんです。

私はその時、治療を行なうだけでは患者様は幸せになれないと気づかされました。患者様は多くのサポートを必要としており、そのためのサービスを病院内に展開することが必要だったり、場合によっては病院外にそういった事業を行なう組織が必要だったりします。

その仕組みを構築するためには、経営や経済に関する知識、現実的にマネジメントしていくためのスキルが必要です。でも私にはその力が足りませんでした。何もわからず思いつきで提案をしたところで、通るはずがなければうまくいくはずもない…。問題を解決する力をつけたい一心で、どこかに教えてもらえるところはないか、情報を得られるところはないかと探していました。

――問題解決力を身につけるための手段のひとつがMBAを取得することだったんですね。

当時一緒に働いていたドクターが大学病院の付属施設の院長だったのですが、経営改革に奮闘している姿を間近で見ていました。もちろん病院は患者様に貢献することを第一に考えなければなりませんが、赤字続きだと倒れてしまい各所に迷惑がかかります。経営の問題を人まかせにするのではなく、一生懸命考えてくださる人がいるなら、自分も一緒に考えていかなければと思ったんです。

実は、そのドクターがBBT大学院でMBAを取っていて、「組織を動かすには、やはり問題解決力が必要なんだな」と感じていました。MBAを学べば、私もそういう力を身につけられるのではないかと思うようになりました。

医療の現場には、事業開発を行なう、いわゆる“ビジネスマン”がいません。だから、病院に足りていない部分はわかっていても、事業としてかたちにする方法がわかりませんでした。何か困っていることがあった時に「しょうがない」と終わらせるのではなく、当事者意識を持って、自分の力で解決に向けて動いていく側に立ちたかったんです。

とはいえ、MBAは自分にとってまったく未知の領域で、入学するまでにかなり悩みました。いくつか模擬授業を受けた末に、「悩んでもしょうがないから、とりあえずやってみよう」とようやく決心しました。

「習うより慣れろ」の精神で、学んだ知識を実践に結びつけるトレーニングを続けた2年間

――実際にBBT大学院で学んでみていかがでしたか?

特にやってよかったのは「RTOCS(※1)」です。「RTOCS」では、結果がすでにわかっているケースを研究するのではなく、現在進行形の課題をどのように解決するかを訓練していきます。ただ単に論理を学ぶのとは違い、そういう訓練ができたことがよかったです。「習う」ことと「慣れる」ことは違うので、“学び終わってから、いかに使えるか”は重要ですよね。「RTOCS」は、自分で考えて提案することに慣れる経験を積む場として役立ちました。

ただ最初は、一体何をやっているのか理解できず、どこをどう考えていいのかさっぱりわかりませんでした。ティーチングアシスタントの方にサポートしてもらいながらも、かなり時間がかかっていましたね。それが回を重ねていくと、「まずはこういうところをチェックしよう」というコツがつかめるようになりましたし、クラスメイトとのディスカッションを通して「こういう視点もあるのか」という気づきもありました。考えをまとめるのにかかる時間も大幅に短くなりました。

――ほかに印象的だった科目はありますか?

統計のビッグデータ分析に関する講義が非常に勉強になりました。医療の現場でも統計を使うことがあるのですが、どんなに勉強しても「なぜこうするのか」「なぜこの方法を使うのか」というのがわからなくて…。その講義を聞いて、「そういうことだったのか!」とようやく腑に落ちました。

※編集註:
(※1)「RTOCS(アールトックス)」は「Real Time Online Case Study」の略称で、BBT独自のケースメソッドです。答えの出ていない「現在進行形の企業課題」をケースとして扱い、当該企業に関する調査・分析・戦略考案を自ら実施します。大前研一学長の戦略系科目において、2年間毎週1題=合計約100題 を繰り返し行います。

卒業研究のテーマが決まらず卒業のピンチ…苦しみながらも学ぶ楽しさを実感

――勉強とお仕事との両立はどのようにされていましたか?

仕事が不規則だったり、何かあると遅くなったりすることが多いので、100%オンラインなのはとても助かりました。BBT大学院は、ディスカッションでどんどん発言をさせる方針で、時々スクーリングもあります。単に知識を授けるのではなく、その知識を使いこなすための訓練ができるところはありがたかったです。

ただ逆をいえば、空いた時間に取り組むことになるので、気がつけばいつも勉強していた2年間でした。慣れるまでは大変でしたが、とにかくやるしかないので、ずっと続けているとそれが普通になってしまいました。

――オンラインで学ぶことに関してはいかがでしたか?

オンライン上のディスカッションでは、口頭で話してやりあうのではなく、文字として残るので、自分の考えをまとめてアウトプットする訓練になったと思います。また、わからないことがあった時、「Air Campus(※2)」で投げかけると、その分野に詳しいクラスメイトたちが教えてくれるのも助かりました。

講義では、各分野の第一線で活躍している方々がポイントを絞って必要なところをわかりやすく教えてくださるので、理解しやすかったです。はじめはわからなかった分野も、講義を受けたりディスカッションをしたりするなかで、理解を深めていくことができました。

――大学院生活でもっとも大変だったのはどんなことでしたか?

卒業研究(※3)は、特に苦労しました。テーマがなかなか決まらず、指導教官に見ていただくたびに鋭いご意見とともに差し戻されて…。その頃ちょうどテストが重なって追い込まれていたこともあり、「このままでは卒業できない」とギブアップしようかと思ったほどです。

最終的に決まったテーマは、『親ががん患者である中学生、高校生の情報収集・相談・交流を支援するサポート事業の提案』。あきらめそうになった時も指導教官が辛抱強く対応してくださって、「あなたが今まで働いてきた経験からひねり出してみなさい」というアドバイスをもとに考えました。

実際に卒業研究に取り組んでみて、とことん調べて考えてアイデアをかたちにしていくことが自分の力になりました。何度も繰り返していると、調べて考えることが当たり前になってきて、苦しいけれど楽しくなってくるんです。卒研に取り組んでいる時ほど、「もうだめだと思ったけれどなんとかなった」と感じたことはありませんでした。やっぱり最後まであきらめちゃいけないんだなと思いましたね。

※編集註:

(※2)「Air Campus」:MBA講義映像の配信、双方向テキストディスカッションの機能を有する、BBT大学院独自のオンデマンド学習システム。

(※3)「卒業研究」:BBT大学院の卒業研究では、新規事業計画を立案します。一流の実務家教員による個別指導のもと、机上の空論ではなく、実戦で通用する事業計画を作ります。

BBT大学院で得た「武器」と「自信」を生かし、患者をより幸せにするためのサポートをしたい

――BBT大学院での学びを通して得られたものは何でしょうか?

私は「武器」と「自信」をもらえたと思っています。武器というのは、何か課題がある時、絵空事ではない、学んだことにもとづく解決策の提案を進めていける力です。何も知らないとやりようがなく、進むべき道の方向も進み方もわからない。
BBT大学院では、「こうすればいいのか」「こういう発想もあるんだ」と、さまざまな発見がありました。道の進み方を知っていることは自分の武器になります。どこかに行く時に、丸腰で行くのと、何かを持って行くのとでは違いますよね。

武器があれば、説得力をもって提案をすることができます。BBT大学院に入学した頃、私にはそうする自信もありませんでした。やりたくても領域が違って、ビジネスマンの方々があたりまえのように会社や事業を立ち上げているのを見ると、「どうしてそんなに自信があるんだろう」と思っていました。

この2年間でいろいろなことを学んだなかで、どんな視点を持てばいいのか、どんな策を立てたらいいのかわかってきたので、前に比べると自信がついたと思います。さらに学びを深めるために、今も修了後の今も講義を聴いて勉強を続けています。

――生駒さんが手にした「武器」と「自信」を、今後どのように活かしていきたいですか?

日々患者様と対峙していると、解決しなければならない問題がたくさんあることに気づかされます。それらに対して、病院が提供していないサービスを開発しなければならない場合があります。病院は患者様の病気の治療を手助けする場所ですが、患者様がより幸せになれるサポートをしたいと思っています。

卒業研究で取り上げたテーマは、まさに社会課題といえる内容です。困っていることを「困った」と感じたまま終わらせたり、人まかせにしたりするのではなく、自分で考えたうえで動いていく。BBT大学院で学んだことを、何らかの課題に対して解決策を見出していく時に活かしたいですね。

――最後に、これからBBT大学院でのMBA取得を検討されている方にメッセージをお願いします。

私の場合は悩んでいる時間がとても長かったのですが、もし悩んでいる方がいるならば、まずは動いてみて、悩んでいる時間よりも“自分で身につけた力を使える時間”を長く持ったほうがいいと思います。「今は仕事が忙しいから暇になったらやろう」と考えていても、仕事が暇になることはないので、どこかで踏ん切りをつけるしかない。自分にやりたいことがあって、そのために必要な勉強があるならば、大変かもしれませんが一歩を踏み出してみてほしいです。

大学病院の薬剤師として、患者のケアとサポートにあたってきた生駒利恵子さん。あるがん患者との出会いが医療のあり方を考えるきっかけとなり、一方で病院経営の難しさも感じていたそうです。

医療の現場で直面するさまざまな課題を解決するための力を身につけたいと、BBT大学院でMBAを学ぶことを決めました。多忙な日々のなかでどのように勉強に取り組んだのか、そしてBBT大学院での経験をこれからどのように生かしていきたいかをうかがいました。

修了生プロフィール

生駒 利恵子(いこま りえこ)さん
2019年4月ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)入学、2021年3月修了。入学時56歳、インタビュー時は58歳。東京女子医科大学病院にて薬剤師として勤務(2021年6月現在)。

患者をサポートする仕組みを構築したい。問題解決力を身につけるべくMBAの取得を決意

――生駒さんがBBT大学院で学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

長年、大学病院の薬剤師として勤めてきました。多くの患者様の調剤業務や服薬指導などを行なうなかで、特にがんの患者様は特にいろいろなサポートを必要としていることを感じていました。

私ががんの患者様に関わりはじめた頃、高齢のお母様とその息子さんとお話しする機会がありました。お母様は抗がん剤による治療を受けられていましたが、薬が効かなくなったため、別の薬による治療法に変更予定でした。息子さんは、「お金がかかっても何とか母を助けたい」と新しい治療法を受けさせようとしていました。しかし、お母様は息子さんに経済的な負担がかかることを気にされ、「もっと楽に逝けるかと思った」と口にされたんです。

私はその時、治療を行なうだけでは患者様は幸せになれないと気づかされました。患者様は多くのサポートを必要としており、そのためのサービスを病院内に展開することが必要だったり、場合によっては病院外にそういった事業を行なう組織が必要だったりします。

その仕組みを構築するためには、経営や経済に関する知識、現実的にマネジメントしていくためのスキルが必要です。でも私にはその力が足りませんでした。何もわからず思いつきで提案をしたところで、通るはずがなければうまくいくはずもない…。問題を解決する力をつけたい一心で、どこかに教えてもらえるところはないか、情報を得られるところはないかと探していました。

――問題解決力を身につけるための手段のひとつがMBAを取得することだったんですね。

当時一緒に働いていたドクターが大学病院の付属施設の院長だったのですが、経営改革に奮闘している姿を間近で見ていました。もちろん病院は患者様に貢献することを第一に考えなければなりませんが、赤字続きだと倒れてしまい各所に迷惑がかかります。経営の問題を人まかせにするのではなく、一生懸命考えてくださる人がいるなら、自分も一緒に考えていかなければと思ったんです。

実は、そのドクターがBBT大学院でMBAを取っていて、「組織を動かすには、やはり問題解決力が必要なんだな」と感じていました。MBAを学べば、私もそういう力を身につけられるのではないかと思うようになりました。

医療の現場には、事業開発を行なう、いわゆる“ビジネスマン”がいません。だから、病院に足りていない部分はわかっていても、事業としてかたちにする方法がわかりませんでした。何か困っていることがあった時に「しょうがない」と終わらせるのではなく、当事者意識を持って、自分の力で解決に向けて動いていく側に立ちたかったんです。

とはいえ、MBAは自分にとってまったく未知の領域で、入学するまでにかなり悩みました。いくつか模擬授業を受けた末に、「悩んでもしょうがないから、とりあえずやってみよう」とようやく決心しました。

「習うより慣れろ」の精神で、学んだ知識を実践に結びつけるトレーニングを続けた2年間

――実際にBBT大学院で学んでみていかがでしたか?

特にやってよかったのは「RTOCS(※1)」です。「RTOCS」では、結果がすでにわかっているケースを研究するのではなく、現在進行形の課題をどのように解決するかを訓練していきます。ただ単に論理を学ぶのとは違い、そういう訓練ができたことがよかったです。「習う」ことと「慣れる」ことは違うので、“学び終わってから、いかに使えるか”は重要ですよね。「RTOCS」は、自分で考えて提案することに慣れる経験を積む場として役立ちました。

ただ最初は、一体何をやっているのか理解できず、どこをどう考えていいのかさっぱりわかりませんでした。ティーチングアシスタントの方にサポートしてもらいながらも、かなり時間がかかっていましたね。それが回を重ねていくと、「まずはこういうところをチェックしよう」というコツがつかめるようになりましたし、クラスメイトとのディスカッションを通して「こういう視点もあるのか」という気づきもありました。考えをまとめるのにかかる時間も大幅に短くなりました。

――ほかに印象的だった科目はありますか?

統計のビッグデータ分析に関する講義が非常に勉強になりました。医療の現場でも統計を使うことがあるのですが、どんなに勉強しても「なぜこうするのか」「なぜこの方法を使うのか」というのがわからなくて…。その講義を聞いて、「そういうことだったのか!」とようやく腑に落ちました。

※編集註:
(※1)「RTOCS(アールトックス)」は「Real Time Online Case Study」の略称で、BBT独自のケースメソッドです。答えの出ていない「現在進行形の企業課題」をケースとして扱い、当該企業に関する調査・分析・戦略考案を自ら実施します。大前研一学長の戦略系科目において、2年間毎週1題=合計約100題 を繰り返し行います。

卒業研究のテーマが決まらず卒業のピンチ…苦しみながらも学ぶ楽しさを実感

――勉強とお仕事との両立はどのようにされていましたか?

仕事が不規則だったり、何かあると遅くなったりすることが多いので、100%オンラインなのはとても助かりました。BBT大学院は、ディスカッションでどんどん発言をさせる方針で、時々スクーリングもあります。単に知識を授けるのではなく、その知識を使いこなすための訓練ができるところはありがたかったです。

ただ逆をいえば、空いた時間に取り組むことになるので、気がつけばいつも勉強していた2年間でした。慣れるまでは大変でしたが、とにかくやるしかないので、ずっと続けているとそれが普通になってしまいました。

――オンラインで学ぶことに関してはいかがでしたか?

オンライン上のディスカッションでは、口頭で話してやりあうのではなく、文字として残るので、自分の考えをまとめてアウトプットする訓練になったと思います。また、わからないことがあった時、「Air Campus(※2)」で投げかけると、その分野に詳しいクラスメイトたちが教えてくれるのも助かりました。

講義では、各分野の第一線で活躍している方々がポイントを絞って必要なところをわかりやすく教えてくださるので、理解しやすかったです。はじめはわからなかった分野も、講義を受けたりディスカッションをしたりするなかで、理解を深めていくことができました。

――大学院生活でもっとも大変だったのはどんなことでしたか?

卒業研究(※3)は、特に苦労しました。テーマがなかなか決まらず、指導教官に見ていただくたびに鋭いご意見とともに差し戻されて…。その頃ちょうどテストが重なって追い込まれていたこともあり、「このままでは卒業できない」とギブアップしようかと思ったほどです。

最終的に決まったテーマは、『親ががん患者である中学生、高校生の情報収集・相談・交流を支援するサポート事業の提案』。あきらめそうになった時も指導教官が辛抱強く対応してくださって、「あなたが今まで働いてきた経験からひねり出してみなさい」というアドバイスをもとに考えました。

実際に卒業研究に取り組んでみて、とことん調べて考えてアイデアをかたちにしていくことが自分の力になりました。何度も繰り返していると、調べて考えることが当たり前になってきて、苦しいけれど楽しくなってくるんです。卒研に取り組んでいる時ほど、「もうだめだと思ったけれどなんとかなった」と感じたことはありませんでした。やっぱり最後まであきらめちゃいけないんだなと思いましたね。

※編集註:

(※2)「Air Campus」:MBA講義映像の配信、双方向テキストディスカッションの機能を有する、BBT大学院独自のオンデマンド学習システム。

(※3)「卒業研究」:BBT大学院の卒業研究では、新規事業計画を立案します。一流の実務家教員による個別指導のもと、机上の空論ではなく、実戦で通用する事業計画を作ります。

BBT大学院で得た「武器」と「自信」を生かし、患者をより幸せにするためのサポートをしたい

――BBT大学院での学びを通して得られたものは何でしょうか?

私は「武器」と「自信」をもらえたと思っています。武器というのは、何か課題がある時、絵空事ではない、学んだことにもとづく解決策の提案を進めていける力です。何も知らないとやりようがなく、進むべき道の方向も進み方もわからない。
BBT大学院では、「こうすればいいのか」「こういう発想もあるんだ」と、さまざまな発見がありました。道の進み方を知っていることは自分の武器になります。どこかに行く時に、丸腰で行くのと、何かを持って行くのとでは違いますよね。

武器があれば、説得力をもって提案をすることができます。BBT大学院に入学した頃、私にはそうする自信もありませんでした。やりたくても領域が違って、ビジネスマンの方々があたりまえのように会社や事業を立ち上げているのを見ると、「どうしてそんなに自信があるんだろう」と思っていました。

この2年間でいろいろなことを学んだなかで、どんな視点を持てばいいのか、どんな策を立てたらいいのかわかってきたので、前に比べると自信がついたと思います。さらに学びを深めるために、今も修了後の今も講義を聴いて勉強を続けています。

――生駒さんが手にした「武器」と「自信」を、今後どのように活かしていきたいですか?

日々患者様と対峙していると、解決しなければならない問題がたくさんあることに気づかされます。それらに対して、病院が提供していないサービスを開発しなければならない場合があります。病院は患者様の病気の治療を手助けする場所ですが、患者様がより幸せになれるサポートをしたいと思っています。

卒業研究で取り上げたテーマは、まさに社会課題といえる内容です。困っていることを「困った」と感じたまま終わらせたり、人まかせにしたりするのではなく、自分で考えたうえで動いていく。BBT大学院で学んだことを、何らかの課題に対して解決策を見出していく時に活かしたいですね。

――最後に、これからBBT大学院でのMBA取得を検討されている方にメッセージをお願いします。

私の場合は悩んでいる時間がとても長かったのですが、もし悩んでいる方がいるならば、まずは動いてみて、悩んでいる時間よりも“自分で身につけた力を使える時間”を長く持ったほうがいいと思います。「今は仕事が忙しいから暇になったらやろう」と考えていても、仕事が暇になることはないので、どこかで踏ん切りをつけるしかない。自分にやりたいことがあって、そのために必要な勉強があるならば、大変かもしれませんが一歩を踏み出してみてほしいです。