編集部posts 2025年9月18日

MBAの難易度とは|入試・学習・卒業・キャリアまでのリアルな実態と考え方

執筆:mbaSwitch編集部

difficult level

はじめに

「MBA取得に興味があるけれど自分にとってはハードルが高いのではないか…」と考える方は少なくありません。また、そのハードルについては「入学試験」や「修了条件」の厳しさ、あるいは「キャリア活用」における難しさなど、ポイントは様々ではないでしょうか。そこで、ここではMBAの難易度を入学・学習・修了・キャリアの4つの視点に分け、それぞれの実態や考え方について解説します。

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ビジネススクール(MBA)入学の難易度

国内MBAの場合

大学院ごとに試験のスタイルは異なりますが、次のような項目がよく設定されています。

小論文/エッセイ 自身の志望動機など
研究計画書 現時点で想像している研究やプロジェクトのテーマ
適性検査 論理的思考力/批判的思考力を推し量る小テスト
書類審査 職務経歴書や推薦状
面接 入試担当教授との直接面談


どの項目が重要視されるかも、大学院によって異なります。例として専門職大学院における実践指向のMBAであれば経歴書やエッセイ等の内容をよく見るでしょうし、修士論文の執筆を前提とする大学院であれば研究計画書を重視するでしょう。

また、一部の人気校においては倍率が高くなることがあり、学び始める前からすでに競争が始まっています。実際に倍率3〜5倍超という数字が出る年も過去にありました。一定の不合格者がどうしても出てしまうため、事前に相応の準備をすることが必要な場合もあります。

しかし「そもそも小論文やエッセイを書いたことがない」「明確なテーマや動機が定まっているわけではない」という方も多いでしょう。どういったレベル感が求められているのか勘所を得るためにも、事前にオープンキャンパスや説明会、セミナーなどに参加し、スタッフや講師、修了生に直接相談することをお勧めします。

なおBBT大学院の場合、事前に明確なテーマや動機、目的を固めたうえで入試に挑まれる方は比較的多くない印象です。そういった点を不安に思われる方は当然いらっしゃいますが、事前に固めていたとしても在学期間中に多くの刺激を得て、当初狙っていた内容が良い意味で変わっていくケースがほとんどです。

よって「確固たる目的や志がないとMBAはチャレンジしてはいけない」というわけではないと、私たちは考えています。重要なのは「学びたい」という意思です。むしろ、ある意味で「真面目」に考えすぎることで、1年、2年、3年と時が経ってしまい、結局MBAにチャレンジする時期を逃してしまうという事態に繋がりかねません。社会人の学びはある種の投資とも表現できます。学びによるROIを最大化するためにも、思い立ったタイミングでチャレンジすることが大切です。

▼Role Models:あなたの悩みにフィットする修了生の体験談を探せる

海外MBAの場合

一方、海外MBAにおいてはまた異なるハードルが設けられています。そのチャレンジにあたり、GMAT/GREやTOEFL/IELTSなどのスコア提出が必要であり、単なる英語力だけではなく論理的思考力もあわせて求められます。他方、書類審査においてはエッセイや推薦状(誰に執筆してもらうか)の完成度が極めて重要となります。

また留学が前提となるため、仕事を辞める必要も出てきます。その間の経済的なダメージやMBA修了後のキャリアアップを通じたリターンなど、諸々のインパクトの試算は避けて通れません。ご家族がいらっしゃる場合は、目線合わせに時間を要するでしょう。

なお、現地留学を前提としないオンライン形式の海外MBAコースも存在します。たとえばAoba-BBTでは、BBT大学院だけではなく、グローバルリーダー育成の一環として豪州BOND大学と提携した「Bond-BBT MBAプログラム」をオンラインで提供しています(国際認証取得)。日本語と英語のハイブリッドで学べる点もメリットです。

▼BOND University-BBT Global Leadership MBA

海外MBAにこだわる理由は人それぞれですが、このような選択肢もあることを押さえておくと良いでしょう。

2MBA学習の難易度

苦手科目にどう向き合うか

MBAでは経営学のあらゆる分野にわたって、その理論と実践を体系的に学習します。おおむね、どこのビジネススクールにおいても共通している科目は以下のようなタイトルです。

・経営戦略
・マーケティング
・アカウンティング
・コーポレートファイナンス
・組織人事
・リーダーシップ
・IT/デジタル
・統計
・論理的思考力/批判的思考力

文系/理系出身を問わず、主にアカウンティングやコーポレートファイナンスなどのカネ系の科目について苦手意識を持つ方は多いです。実際に当校BBT大学院の修了生の体験記を見ても、そう振り返る方が散見されます。どのようにして乗り越えていったか、ぜひコンテンツをご覧ください。

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また最近では、世の時流に沿ったデータサイエンス系のテクニカルな科目を展開するビジネススクールもあります。統計学をベースに、RやPythonを駆使したデータ処理を行うような内容です。これを聞いて「興味はあるがまったく知識がない…」という印象をもたれる方もいらっしゃるでしょう。ただし、昨今のChatGPTをはじめとする生成AIアシスタントの普及にともない、たとえ初学者であっても前述したデータ処理ツールの操作やコーディングのハードルははるかに低くなっています。

なお、すべての科目に精通している受講生は基本的にいません。一方で業務上、特定科目に明るい方は必ずいます。クラスメイトとの交流を広めることも、効率的な苦手科目のキャッチアップ方法の一つと言えるでしょう。

最後に、土地勘がない科目においてどうしても不安が残るという方においては、事前に参考書を通じて大枠の理解を得ておくことも一案です。くわえて、BBT大学院ではMBAの学びの一端を体験できるWebコンテンツを「mbaSwitch」上で提供しています。

▼mbaSwitch:マネジメントとビジネス知見を得るMBAメディア

BBT大学院の一部科目や学習コンテンツを修了生が振り返りながら執筆しており、その大枠を追体験することができます。事前学習やBBT大学院の雰囲気をキャッチするための一手段としてぜひご利用ください。

ケーススタディの壁

多くのMBAプログラムでは「ケーススタディメソッド」が採用されています。これは実際の企業事例や模擬事例をもとに、議論しながら当該テーマにおける理解を深めていく学習手法です。担当講師から配布されるケース(資料)を読み込み、自分なりの考えを持ち、グループやクラス単位でディスカッションを進めていきます。

そのため、論点設定スキルや論理的思考力が重要になってきます。こういった資質は、ディスカッションにおける発言の量や発言の質にも影響してきます。人によっては慣れるまでに時間がかかることもありますが、ビジネススクールは実際の職場と異なり、何度失敗しても問題ない場です。そのため発言一つひとつに完璧性を求める必要はなく、むしろ場数を踏むこと(アウトプットを増やすこと)が重要だと言えます。やがては発言力が高まり、結果としてクラス全体のケースディスカッションの質の向上に貢献できるようになります。

仕事・家庭とのバランス

夜間/週末型の国内MBAにおいては「フルタイム勤務+学業+家庭」のいわば”三立”が求められます。時間管理と自己規律は常に意識せざるを得ないテーマであり、具体的には通勤時間や就寝前の時間などのスキマ時間を上手く使い、予習や復習、レポート作成に充てていたという話をよく耳にします。

この点において、多忙なビジネスパーソンにとっては通学型MBAよりもオンラインMBAの方がフィットすると期待できます。なお、オンラインMBAには特定の時間帯に限って授業が受けられる「リアルタイム/同期型」を採用している場合もあれば、より自由度が高い「オンデマンド/非同期型」を採用している場合もあります。

BBT大学院は100%フルオンラインのMBAプログラムであり「オンデマンド/非同期型」に該当しており、非常にフレキシブルな環境を整えています。AirCampusというオンライン学習プラットフォーム上において、講義映像はオンデマンドで、ディスカッションはフォーラム上で非同期で進行されます。

コロナ禍を経て様々なオンラインコミュニケーションツールが当たり前の存在になり、その合理性や効率性は多くのビジネスパーソンが享受しているものと思います。そのため、近年は以前に増してオンラインMBAを選択肢に入れやすくなってきたと言えるでしょう。

BBT大学院の修了生の体験談コンテンツでは、MBA取得にあたりタイムマネジメントで苦労した点や工夫した点などが語られています。ぜひご覧のうえヒントを掴まれてください。

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▼BBT大学院について

3. MBA卒業の難易度

苦手科目やビジネスの繁忙期、プライベートにおけるライフイベントが重なるほど、その難易度は高まります。なお一般的な卒業要件には必修科目/選択科目の単位取得と修士論文またはビジネスプロジェクトの提出があります。本パートでは履修時における留意事項の観点から言及していきます。

必修科目/選択科目の単位取得

一般的に、一定以上の出席(オンラインMBAなら講義映像受講)やディスカッションへの参加状況、課題提出状況などを鑑みて単位取得の可否が決まります。実際には大学院や履修する科目によってスコア配分の考え方は異なるため、入学後にシラバスを熟読したり在校生の話を聞いたりすることで要領を掴んでおくと良いでしょう。

なお、MBAでは複数の科目を同時期に履修することがほとんどです。よってテスト期間や課題提出期間においては、その分だけ多くのアウトプット作成を求められます。どうしても普段の時期よりも1週間あたりの学習所要時間が多くなってしまいます。特に入学直後はたくさんの科目を履修登録したい気持ちに駆られるものですが、後に忙殺されて学習内容が定着しなかったということにならないよう、適度な計画性を心がけることが大切です。

修士論文またはビジネスプロジェクトの提出

多くの場合、受講生が興味関心のあるテーマに対して親和性の高い教授が担当としてアサインされ、ゼミ形式で論文執筆やプロジェクト作成を進めていきます。

修士論文の場合は先行研究のリサーチから始まり、仮説構築や検証計画などに移っていきます。担当教授との議論を経て徐々にブラッシュアップされ、骨子が決まった段階で肉付けをしていきます。

一方でBBT大学院のような専門職大学院においては、論文執筆ではなくビジネスプロジェクトを作成することがほとんどです。特に自身のビジネスにおける新規事業を計画するケースが多く、中には本当に現業においてそれを実現され、新規事業オーナーとしてビジネスを推進されている修了生もいます。

論文やプロジェクトはMBAの集大成にあたるため、それこそ自身にとって興味の強い、もしくは明るい領域にこだわって進めるべきでしょう。モチベーションの維持/向上においても、このような観点でテーマ設定されることをお勧めします。

▼在学中から学びを実践:中努さんインタビュー

MBA後のキャリア形成の難易度

多くのMBA志願者が「MBA取得によりマネジメントスキルの底上げやキャリアアップを実現したい」と声にしています。確かに、それにおいてMBAは有力な手段の一つですが、取得したからといって自動的に昇進や成功が約束されるわけではありません。真に難しいのは、学んだ知識をいかに実務へと落とし込み、成果につなげるかという点にあります。

国内MBAについては、日本企業においてMBAが必須条件となる求人はまだ多くなく、その活用の仕方は最終的に本人次第です。一方、海外MBAは外資系コンサルティングファームや投資銀行などへのキャリアの道を開く可能性がありますが、その分競争も非常に激しいものであるため、やはり同様に本人の努力が相応要されます。

また、起業を志す場合には、知識を行動に移す実行力が問われます。MBAを取得したからといって、事業が自動的に成功することは当然ありません。

総じてMBAで得た知識や人脈をどのように活かすか、在学中から具体的にイメージしておくことが望ましいでしょう。なお筆者の知る限り「MBAに挑戦しなければよかった」というようなケースは聞いたことがありません。明確なリターンが保証されているわけではないものの、多くの修了者が自信に満ち、自己効力感にあふれているのが特徴です。

▼Role Models:在学中/修了後に年収が増えたと回答した修了生一覧

まとめ:様々な観点でMBAの難易度は一定あるが「挑戦する価値はある」

保護中: operator


入試から学習、修了、その後のキャリア形成に至るまで、MBA取得においては一定の困難が存在することを見てきました。しかし前述した事項を参考にしていただくことで、MBA取得というチャレンジに成功した際のご自身をよりイメージいただけるのではないでしょうか。

ビジネススクールで得られるのは単なるMBAという学位ではなく、大きな自信とリーダーシップです。一生モノの経験となるでしょう。