
自己成長やキャリアアップを目指す中で、多くの選択肢を前にして何から手をつけるべきか迷う――。
これは、向上心のあるビジネスパーソンなら誰もが一度は感じる思いではないでしょうか。
特に「MBA」という選択肢は、その価値や学べる内容について情報が溢れており
「MBAって、結局のところ何を学ぶ場所で、どんな価値があるのだろう?」
と、本質が見えにくくなっているかもしれません。
そこでBBT大学院では「多忙なビジネスパーソンのためのMBA入門」と題して、MBAとは何か?をフラットに解説するセミナーを定期開催しています(2026年1月現在)。
その中で講師のBBT大学院教授(経営学研究科長)である大原達明先生が語った内容は、一般的に抱かれているMBAのイメージとは少し異なる”MBAの本質”が散りばめられており、多くの参加者から好評を得ています。
本記事では特に重要な4つの「意外な本質」を共有します。
これを読めば、あなたのMBAに対する見方が変わるかもしれません。
MBAが「Master of Business Administration」の略であることは広く知られていますが、大原先生はその中でも「Administration(管理)」という言葉の重要性を強調しました。
「経営(Business)」そのものは成功者のアートに近く、再現性が低いため学問として体系的に教えることが難しいのに対し、「経営管理(Business Administration)」は少し異なります。具体的には「戦略の立て方、予算編成の仕方、組織の作り方、マーケティングのやり方」といった経営管理は、体系化された再現性の高いスキルセットであり、普遍的な「ツールキット」なのです。
この違いを理解することは、MBAの価値を捉え直す上で非常に重要です。
MBAとは一部の天才経営者の「魔法」を学ぶ場所ではなく、あらゆる組織で応用可能な普遍的なマネジメント手法を実践的に身につけるためのトレーニングの場である、と再定義できるからです。
セミナーの中で大原先生は、「経営学」という学問自体に懐疑的な見方を示しています。
「経営学」とは本質的に過去の成功事例を分析し、体系化する学問です。
もちろん「過去の偉人たちの残してくれたものをきちんと学ぶことは重要」としながらも、それだけでは未来のビジネス環境を乗り切るには不十分だと指摘します。
本当の目的は過去のフレームワークを使いこなし、未知の状況で自ら意思決定し、行動する能力を鍛えることにあるのです。
この考えが生まれた背景には、2000年代初頭の日本のビジネススクールが抱えていた課題がありました。
当時は「アメリカの例えばハーバードで使っているものを和訳して使う」ケースが多く、現実のビジネスとの間に大きなタイムラグが生じていたのです。この問題意識が、実務経験を持つ教員を一定数置くことを義務付けた日本の「専門職大学院」制度の創設に繋がり、理論と実践のギャップを埋める原動力となりました。
これはMBAの弱点ではなく、むしろ現代の実践的なプログラムが持つ強みを示唆しています。
単に過去の理論を暗記するのではなく、未来志向の意思決定スキルを磨くことに重きを置いているのです。
MBAで得られるものは特定の経営知識だけではありません。
大原先生は、目には見えにくいものの、キャリアにおいてより本質的な価値を持つ2つのスキルを挙げました。
一つ目は、「自信を持って本物を見極める力」です。
情報が氾濫する現代において、何が正しく、何が本質的なのかを見抜くことは極めて困難です。MBAでは「原理原則」を学ぶことで、目先の情報に惑わされず一貫性のある論理的な長期目線での判断ができるようになるといいます。
二つ目は、極めて実践的な「時間管理術」です。
働きながら学ぶ多くの社会人は、MBA取得の過程で、初めて自身の24時間を徹底的に分析し、学習時間を捻出するという課題に直面します。大原先生は「徹底的に分析をしていけば時間というのは多くの場合では取れます」と断言します。このプロセスは、自身の隠れたキャパシティを発見する旅であり、修了生が「修了後の方が時間が増えた」と感じるほどの生産性向上をもたらします。
時間管理ができるようになったのがMBAの成果だった、と語る修了生は実際に多いです。
こうした「隠れたカリキュラム」とも言える思考力、自信、そして生産性向上スキルこそが、特定の科目で学ぶ知識以上にビジネスパーソンを大きく成長させるのかもしれません。
大原先生はMBAプログラムの選び方について、一般的によく言われることとは逆のアドバイスをします。
最も重要な問いは「どこで学ぶか」ではなく「なぜ学ぶか」である、と断言します。
その理由は、日本のMBAの歴史はまだ浅く、学部教育とは全く状況が違うからです。「学部(四年制大学)は人数も非常に多いですし、卒業生を大量に排出しています」が、「MBAはまだ歴史が短く、修了生も多くない」。そのため企業側も「〇〇大学院卒」というだけでキャリアを保証する判断基準を持っておらず、学校名よりも自分自身の学習目的を明確にすることが何よりも重要になるのです。
先生が推奨する、自分に問いかけるべき「3つの問い」は以下の通りです。
• 目的 (Purpose): なぜMBAを学びたいのか?
• スタイル (Style): どのように学びたいのか?(オンライン、通学、ケーススタディ中心など)
• 環境 (Environment): どんな人たちと学びたいのか?
自分自身の目的を言語化することこそが、最も重要な第一歩です。
その強い動機が、多忙な中で学び続けるための最大の支えとなるからです。
大原先生の話から見えてきたのは、真のMBA教育とは単なる知識の詰め合わせではなく、思考のOSを根本からアップデートするような体験であるということでした。
それは、次のような変革の旅路です。
まず、成功はアートであり教えられないとされる「経営」を、再現性のある「経営管理」という実践的なツールキットとして捉え直すことから始まります(ポイント1)。次に、過去の理論を暗記するのではなく、未来の不確実な状況で意思決定するための思考法を徹底的に鍛えます(ポイント2)。この厳しいプロセスを通じて、知識以上に価値のある「本物を見極める力」と「時間管理術」という一生モノのスキルが体に刻み込まれるのです(ポイント3)。そして、この変革の旅を最後までやり遂げる原動力となるのが、最初に自問自答した「自分はなぜ学ぶのか?」という揺るぎない目的(ポイント4)に他なりません。
もしあなたが今、キャリアを変えるための一歩を踏み出すとしたら、最初に自分に問いかける「なぜ?」への答えは何ですか?
もっとMBAについて深く知りたい方は、BBT大学院が開催する説明会やセミナーへお気軽にお越しください。
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