編集部posts 2020年9月27日

【MBA・ビジネス用語】人生100年時代とは? これからの時代に求められる人材になるためにできること



執筆:mbaSwitch編集部

【MBA・ビジネス用語】人生100年時代とは? これからの時代に求められる人材になるためにできること
「人生100年時代」というワードが注目され始めたのは、2016年ごろのことです。寿命が100年の時代が到来すると知り、今後の人生やキャリアをあらためて考えた方も多いのではないでしょうか。人生100年時代と言われても具体的に今何をしたらよいのかわからず、不安に感じてしまうこともあるかもしれません。

本記事では、人生100年時代に必要なスキルやマインドについて解説し、これからの時代に求められる人材になるために今から実践できることをお伝えします。


https://www2.ohmae.ac.jp/Dynamic_LP.html

1.人生100年時代とは?

人生100年時代とは?
「人生100年時代」は、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット 著、池村 千秋 訳、東洋経済新報社)によって話題となりました。

『LIFE SHIFT』の著者リンダ・グラットン氏は、調査により「2007年に日本で生まれた子どもの半数が107歳より長く生きる」と推計しました。また、200年間の統計から「人生100年時代」、つまり寿命が100年の時代が到来すると予測し、寿命が80年だと想定して立てていた人生設計を考え直す重要性について述べています。

日本では、2016年にこの本が発売された同時期に、「2020年以降の経済財政構想小委員会」において、「人生100年時代の社会保障へ」と題した提言が発表されたこともきっかけとなり、「人生100年時代」というワードが注目を浴びました。

2017年には首相官邸に「人生100年時代構想会議」が発足し、2018年6月に「幼児教育無償化の加速」「待機児童問題の解消」「介護職員の処遇改善」「学び直しの支援」「高齢者雇用の促進」などからなる「人づくり革命基本構想」が発表されました。このように、人生100年時代を見据えた政策が国によって推進されています。

有識者議員として人生100年時代構想会議にも参加したリンダ・グラットン氏は、「前向きに長く生産的な人生を送る」ことを提言しています。

100年もの人生の時間を充実したものにするためには、生涯にわたる学習が重要です。そのため、「リカレント教育」の拡充が厚生労働省を中心に進んでいます。

「リカレント」には繰り返しや循環という意味があり、リカレント教育は、生涯にわたって学習と就労を繰り返すことです。「社会人の学び直し」などと表現されることもあります。

健康寿命が延びることは、働いている期間が延びることも意味します。働きながら学び直しができるリカレント教育に加えて、スキルを生かせる柔軟な働き方を可能とする労働制度や失敗のリスクを採れる起業環境などの「働き方改革」も、「前向きに長く生産的な人生を送る」ために重要なポイントです。

今後は、人生100年を見据えた働き方を提供できる企業のニーズが高まっていくといえます。

2.人生100年時代で必要となるもの

人生100年時代で必要となるもの
日本は健康寿命が世界トップクラスの長寿社会を迎えており、今後、健康寿命がさらに延伸することが見込まれます。


健康寿命と平均寿命の推移
(*出典:内閣府「平成30年版高齢社会白書」)


人生100年時代構想会議では、こうした人生100年時代には「高齢者から若者まで、全ての国民に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくる」必要があるとし、「人づくり革命」と称した人材への投資を決定しました。

「人づくり革命」の8大政策は以下の通りです。
1.幼児教育無償化を加速
2.待機児童問題を解消
3.低所得家庭の高等教育無償化
4.介護職員の処遇改善
5.私立高等学校授業料の実質無償化
6.学び直しの支援(リカレント教育の拡充)
7.国公私立大学の改革
8.高齢者雇用の促進


(*出典:首相官邸「人づくり革命 基本構想 人生100年時代構想会議平成30年6月」)


「人づくり改革」の特徴は、家庭の所得や年齢に関わらず、誰もが学び続けられる機会を提供することです。

これまで日本人の多くが想定してきた人生は、「20歳前後まで教育を受け、65歳まで働き、引退後は余生を満喫する」という3ステージでした。しかし、人生100年時代を迎え、65歳までの仕事で、その後の人生を賄うほど貯蓄をするのは難しくなったため、できるだけ長く健康に過ごし、より長く働くことが求められます。
そのような生き方を実現するための新しいモデルが、「マルチステージ」の人生です。

マイホームや現金や金融商品といった「有形資産」も生きていくうえで大切ですが、マルチステージの人生を送るためには、以下の3つの「無形資産」が特に重要です。

1.生産性資産:主に仕事に役立つ知識やスキル
2.活力資産:健康や、良好な家族・友人関係
3.変身資産:変化に応じて自分を変えていく力

資産は有形でも無形でも、定期的にメンテナンスをしないと価値が下がります。無形資産を増やしていくには、有形資産を増やすほうに偏りがちだった時間の使い方を見直すことが必要です。

人生100年時代において、仕事一辺倒では「不快で残酷で長い」人生になりかねません。仕事と学びと遊びのバランスをうまくとり、自分の人生を柔軟に組み立てていくことが、これからの時代を豊かに生きていくために必要な力だといえます。


(*出典:東洋経済新報社『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』公式HP)


3.人生100年時代の新しい働き方

人生100年時代の新しい働き方
働き方はどのように変化していくのでしょうか。
人生100年時代には「キャリア・オーナーシップ」を持つことが重要だと、経済産業省の「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」で提唱されました。

キャリア・オーナーシップとは、一人ひとりがキャリアと向き合い、「自らのキャリアはどうありたいか」「いかに自己実現したいか」を意識し、納得のいくキャリアを築くための行動をとっていくことです。
キャリアとの向き合い方は、次の3つの視点から整理できます。


『LIFE SHIFT』では、会社員が陥りやすいリスクとして、
・自分のスキルが時代遅れになり、職場で脇役に追いやられる(50代)
・引退後に生活資金を確保できる貯蓄がないが、スキルの衰えから低賃金の職に就かざるをえなくなる(60代)

などを挙げ、義務教育の修了後にも仕事に役立つ知識やスキル、つまり先ほど解説した無形資産のうちの「生産性資産」を高めるべきだと訴えます。

生産性資産を高めるには、リカレント教育の活用が有効です。日本では終身雇用制度を採用する企業が減ってきていることからも、リカレント教育の必要性が増しています。実際、初職が正規雇用で、一度も退職することなく「終身雇用」パスを歩んでいる人は、30代後半、40代、50代前半の男性でそれぞれ4割程度に過ぎないという調査結果があります(リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2017」より)。

先ほどご紹介した「マルチステージ」においては、旅や留学などを通じて幅広い進路を探る「エクスプローラー」や、さまざまな仕事や活動に並行して携わる「ポートフォリオ・ワーカー」、自由と柔軟さを求めて小さなビジネスを起こす「インディペンデント・プロデューサー」などさまざまなステージがあります。

これらのステージを行ったり来たりする移行期間も経ながら、終身雇用制に頼らず、フットワーク軽く柔軟に働いていくことが新しい働き方のスタンダードになっていくと予測できます。

4.人生100年時代に求められる人物像

人生100年時代に求められる人物像
これからの時代、どのような人物像が求められるのか見ていきましょう。
人生 100 年時代や産業構造の変化などにより、職業人生は長期化していますが、一方でスキルの「賞味期限」は短期化する傾向にあります。かつて身につけたスキルや経験だけで長く活躍することは難しく、ビジネス現場で活躍し続けるには、「働くことと学ぶことの一体化」が重要です。

働くことと学ぶことの一体化を実現するには、次の3点を明確にすることが求められます。

1.何を学ぶか
人生 100 年時代の社会人基礎力、キャリア意識、マイン ドセットなどのOS、ITスキルなどのベーススキル、産業分野別のスキルセットなど

2.どのように学ぶか
体験総量、越境学習、企業における従業員向けキャリア教育など

3.学んだ後に、どのように活躍するか
スキルや成果に基づく公平な人事評価制度、転職・再就職の円滑化など


(*出典:経済産業省 中小企業庁「我が国産業における人材力強化に向けた研究会(人材力研究会)報告書 平成30年3月」)


加えて、今後は「社会人基礎力」がより必要不可欠となります。社会人基礎力は「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が提唱したものです。

社会人基礎力が提唱された2006年から12年後(2018年)には、人生100年時代をふまえ、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力として「人生100年時代の社会人基礎力(新・社会人基礎力)」が新たに定義されました。

新・社会人基礎力では、元の社会人基礎力の3つの能力「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」を基本としつつ、自らキャリアを切り拓くために、自己を認識して振り返りながら、学び・統合・目的のバランスを図ることを勧めています。

新・社会人基礎力を高めていくことは、個人の無形資産を磨くことにもつながります。

●新・社会人基礎力の構成要素
3つの能力
1.前に踏み出す力:主体性、働きかけ力、実行力
2.考え抜く力:問題発見力、計画力、創造力
3.チームで働く力:発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール力

3つの視点(新・社会人基礎力からの要素)
1.学び:学び続けることを学ぶこと
2.統合:視野を広げて、多様な体験・経験や能力と多様な人々の得意なものを組み合わせて、目的の実現に向けて統合すること
3.目的:自己実現や社会貢献に向けて行動すること

https://www2.ohmae.ac.jp/Dynamic_LP.html

5.人生100年時代を生き抜くには、学び続ける必要がある

人生100年時代を生き抜くには、学び続ける必要がある
無形資産には、「生産性資産:主に仕事に役立つ知識やスキル」「活力資産:健康や、良好な家族・友人関係」「変身資産:変化に応じて自分を変えていく力」の3種類があると解説しました。
それぞれの資産を増やすために、どのようなことができるのでしょうか。

生産性資産
価値の高いスキルを生涯学び続けましょう。自分のプラスになる人間関係の維持や、会社や組織に頼らない自分自身の評判も重要です。

活力資産
健康的な運動や食生活、そして適切なストレスマネジメントの実践が必要です。友人をたくさん作ることも大きな意味があります。仲間と楽しい時間を過ごす人の方が長生きします。

変身資産
まずは、組織やグループの一員ではなく、個人としての自分と向き合います。多様性に富むネットワークをつくることも必要です。さまざまな人との出会いが、ロールモデルを得るきっかけにもなります。

無形資産を増やしたり、「新・社会人基礎力」を養ったりするために個人でできることとして、MBAを取得する大学院(経営大学院)で学ぶ方法があります。

経営大学院では、ビジネス・経営の基礎知識や実践的なスキルを学べます。キャリアアップやキャリアチェンジのきっかけとしてMBA取得を目指す人も多くいます。さらに、生涯学び続ける学友と出会えるチャンスもあります。

6.BBT大学院で学び、人生100年時代に求められる人材に!

BBT大学院で学び、人生100年時代に求められる人材に!
ビジネス・ブレークスルー大学大学院(以下、BBT大学院)は、2005年に日本初の画期的なオンラインMBAプログラムをスタートしました。

100%オンラインの授業を提供し、時間的かつ地理的な制約条件を突破。“ビジネスパーソン・ファースト”な経営大学院であることを重視し、働きながらでも時間を有効活用して、MBAを取得できる仕組みを開発しました。

人生100年時代のビジネスパーソンに必要な力、たとえば本質的な問題解決にむけ、既存の枠組みを超えた思考ができる力やあらゆる環境や現場で実行に移せる力を育成するために、世界的な経営コンサルタントである大前研一学長をはじめ、高い実績をもつ実務家講師陣の知見をカリキュラムに反映させています。

2020年秋期入学より、BBT大学院のMBAコースは、リカレント教育拡充の一策である「専門実践教育訓練給付金」の支給対象となりました。一定の要件を満たす場合、ハローワークから2年間で最大112万円の給付金を受けることが可能です。

人生100年時代に活躍できる人材や組織になるために、BBT大学院で学びませんか? 少しでもご興味がありましたら、ぜひ説明会にお申し込みください。

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