編集部posts 2020年9月19日

ポストコロナ時代に役立つBBT大学院の学び<第7回>修了生寄稿|様々なことに挑戦することは最低限のリスクヘッジ



執筆:井上光晴(BBT大学院 修了生)
編集/構成:mbaSwitch編集部

『ポストコロナ時代に役立つBBT大学院の学び』の第1回・第2回では、BBT大学院が考えるポストコロナ時代に必要となる能力、その能力を身につけていく上でのBBT大学院の有用性についてご紹介してきました。
第3回~第7回では、ポストコロナ時代にも活きているBBT大学院での学びについて、本学の修了生に寄稿していただいた記事をご紹介します。

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みなさんこんにちは。
2016年にBBT大学院を修了した井上と申します。私は当時中国からBBT大学院に入学しました。
今回は、私がBBT大学院で学んだことの中から、ポストコロナ社会で生き抜くために役に立つと思っていることをお話したいと思います。

2013年BBT大学院に入学

大手総合商社の食料食品部で働いていた時、当時の上司(繊維部隊出身)から「食料は何かを植えれば生えてくるだろう。それを売ればいいんだよ。」という迷言をいただき、これから何をすればいいだろうと人生に迷って、駆け込んだのがBBT大学院でした。今となってはいい思い出ですが、当時は色々と悩んでいました。

BBT大学院に入学して初めに困ったのは、全てオンライン上で学ぶというシステム「AirCampus」の操作になかなか慣れることが出来なかったということでした。

「AirCampus」が使いづらかったという訳ではなく、新しいプラットフォームを使ってオンライン上で何かに取り込むという経験がなく、講義映像を見て、テキストで議論をするという学び方に、自分自身のペースを掴むことが難しかったです。

しかし、在学3年間オンラインで学び続けた結果、2020年の現在、コロナ禍の状況で、在宅勤務などにより急増したオンライン上でのコミュニケーションにおいて、しっかりと議論できるという事が、「当たり前」のスキルとして身に付いたことは、とても重宝しています。

海外で働きながらでも、学べるオンラインMBAの魅力

私は現在上海と日本の両方に法人を持ち、会社経営をしています。
BBT大学院に入学した当時は、上海の日本企業でサラリーマンをしていました。大手総合商社で働いていたため、周りに優秀な人も多く、業績を上げるために周りよりももっと成果を出すにはどうしたらよいか、そういった焦りが常にありました。

そこで経営についての基礎を学ぶ事が出来るMBAを検討しました。中国には20年近くいるので、言語に問題はないので、現地校のMBAに通おうかと思いましたが、もちろん全日制で会社をやめて行く必要がありました。夜間もありましたが、出張や会食が多かった当時の自分のライフスタイルでは難しいと、何かと理由をつけて結局勉強することから逃げていました。

大手総合商社時代、運よく出世していた当時の自分は、勉強のために会社を辞めるという勇気もなく、日々、ただ危機感を持っているだけの時間を過ごしていました。

そんな時、MBAがオンラインのみで受けられるという噂を聞き、調べたところBBT大学院にたどり着きました。ちょうど上海セミナーが開催予定ということだったので、すぐにエントリーしました。そしてそのイベントで体験談を話してくださった修了生の方の素敵なお話を聞き、すぐ入学を決めました。

サラリーマンをしながら、大学院に通えるというのは本当にとても良い条件でした。毎日平日は3時間くらい、週末は5時間ずつ学習に充てるようにしていました。学生の時以上の勉強量を働きながら両立するのは、それはとても大変ではありましたが、出勤前や退社後の時間をフルに使って時間確保をしました。

最近はコロナの影響でテレワークや在宅勤務が主流になってきているので、今だったらもっと良い選択肢になっているのではないかと思います。BBTの回し者(卒業生は全員回し者?)ではないですが、本当にみなさんにおすすめしたい大学院です。

MBAでは年収は増えない?

日本ではMBA取得前と取得後で給与が劇的に変わるということはないという認識を持っている方が多いと思います。しかし、MBAを持っている人と持ってない人では平均年収は大きく違ってくるのではないかと私は考えています。

様々なビジネスにおいて、自分の力を発揮し活躍している人は、なんだかんだ人生の成長過程で必ずどこかで「MBA取得」というポイントを通過するものだと思います。

この記事を読んでくださっているあなたは、人生ずっと勉強していこうと考えている方ではないかと思います。どうせどこかで通過するMBAであれば、早めに取得しておいたほうが、仲間は増やしやすいと思います。

しかもクラスメイトは成長に飢えている人が多く、とてもいい刺激を今でも受けることが出来ていますし、その良い刺激が私は結果的に収入アップにもつながっています。

今でも活きているBBTで学んだこと

私は2015年に再度独立し、その後さまざまな商売に挑戦してきました。多くの人から、ひとつのことに集中した方がいいとか、小さい商売はやめたほうがいい等々、様々なありふれたことを言われました。

しかし私は“100個の商売を作る”という目標を立てています。現在は25個程度ですが、どんどん新しいことに挑戦し、増やしていこうと考えています。

この目標を築けたのは、BBT大学院で様々な業界や、様々な年齢の方と本気で議論でき、当時28歳だった小僧の自分を、多様性の一部として大先輩方が受け入れてくれたからです。様々な業界の方が色々なことも教えてくれました。同級生だけど、とても輝いている人生の先輩が多くおり、自分が知らなかった様々なことに興味を持つことができました。

BBT大学院で色んな事を学ぶと、やはり実践したくなってしまうものだと思います。在学中、毎週30時間以上を勉強に充てていた自分は、実践する余裕はなく、仕事と勉強に追われる2年間でした。

しかし卒業すると一転、勉強に充てていた毎週30時間が自分の好きな時間に充てられるようになっていました。空いている時間を使いながら、必死に捻出していた30時間が、いろいろな興味に使うことができるようになりました。

私は興味のある多くのことを勉強し、その業界の人と仲良くなり、何かしら一緒に商売を始める。時にはゲームに夢中になり過ぎた時期もありましたが、そのゲーム仲間とも現在新しい商売を作る準備をしています。

私は働くということ、稼ぐということは、生きることだと考えています。

そしてそれは、私が経営する会社が示す、「息するように、寄付をする」というCSRにもつながっています。

最近ひょんなことから、「子供の貧困」問題と直面する機会がありました。コロナの影響で多岐にわたるオンラインセミナーに参加したのですが、そこでNPO「Teach For Japan」(※)という団体と出会いました。
認定特定非営利活動法人Teach For Japan支援プロジェクト

お節介な私は何とか応援したいと思い、定期購買形式の商品販売の仕組みを作り、出た利益のすべてを寄付するシステムを作りました。

定期購買形式の商品販売の仕組みとは

毎月おいしいお米を定期購入すると、一部が寄付金になります。
本プロジェクトは、商品をただ支援者に高く買っていただくのではなく、生産者に近いところから直接購入させていただいた商品を、小売価格で購入していただくことで、流通費用を削減し利益にしています。

そしてすべての利益をTeach For Japan活動支援に充てるというものです。ぜひ応援していただけると嬉しいです!

社会問題解決の活動には大きなお金が必要ですが、一般の方に大きなお金を寄付してもらうのは簡単なことではありません。
私は社会問題を解決するには、1人でも多くの人が「当事者」になることが大切だと考えるようになりました。そこで、みんなが優しくなれるよう様々なアイディアを共有しながら、いろいろなお話しをしていくコミュニティーも作りました。ぜひご参加ください!
コミュニティ「みんなが少し優しくなれば 明日はきっと少し良くなる」

様々なことに挑戦することは最低限のリスクヘッジ

今回のコロナで、飲食業界がとても大きなダメージを受けました。他にも航空会社や、宿泊施設、インバウンド系の事業も多大なダメージを受け、大きな負の波が襲ってきました。

もちろん私の会社も影響を受けた商売はありました。売り上げが0になった商売もあります。当たり前ですよね。業界超大手の企業でも大ダメージを受けるくらいの波は、私たちのような、吹かなくても飛びそうな会社では対応もできませんでした。

しかし私たちが良かった点は、様々なことに興味を持ち、たくさんのおせっかいをし、色々な商売を持っていることでした。商売がなくなることは寂しいですし、もちろんまた立て直そうと思っていますが、何個かなくなっても大丈夫なくらい商売の数と幅を持っていました。

一方で、追い風が吹いた業界もありました。その結果、全体とし私たちの会社としてのダメージは限定的で済みました。日本で行っている商売の中には、BBT大学院からの出会いで、同じMBAという言語を話せる仲間だったからできたものも多数ありました。

MBAは言語と同じくそれ自体には意味がなく、そのうち翻訳機などに取って代わられると思っています(以前書いたBBTコラムリンク)。しかし、その取得する過程で様々な新しい知識と出会い、自分の長所を発見、再確認し、興味がなく勉強できていなかった弱い部分を補ってくれました。

BBT大学院で得たのは、MBAという知識や学位以上に、新しい発想やの作り方や、現代風の時間の使い方、切磋琢磨する仲間たちでした。

結局は、人生のどこかで通過するMBAというポイント、どうせなら早めに通過してみませんか?
少し早く通過した私たちが、あなたが来るのを待っています。

井上 光晴(いのうえみつはる)

合同会社 マベリック CEO/上海碧光貿易有限公司 CEO/Coloree 株式会社 営業企画室 国際部 執行役員
2002年 桐蔭学園高等部卒業後中国南京に渡中。1年半の語学研修生。
2003年 南京中医薬大学に入学。中国医学の道に進む。在学中に南京でフリーペーパー発刊の広告組織設立を機に学生起業。
2009年 その後様々な産業に手を広げ失敗。すべての事業を清算。
2009年 大手総合商社双日に入社。翌年双日上海支部 部長職に就任。
2013年 BBT大学大学院経営学研究科(MBA)に入学。
2013年 世界最大穀物メジャーCargillに転職。
2015年 中国上海にて再度独立。上海碧光貿易有限公司設立。
2016年 BBT大学大学院経営学研究科(MBA)卒業。
2019年 業務拡大のため日本法人 合同会社 マベリック設立。
2020年 NPO法人支援の本格開始を始める。



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