業界ウォッチ 2024年4月9日

【データから読み解く】世界各都市の高級住宅価格動向

今回は「世界各都市の高級住宅価格動向」を取り上げてご紹介いたします。

前回は、国内の「不動産価格指数」から不動産の価格動向を見てみました。その中でも住宅、特にマンションの価格が他の不動産よりも上昇度合いが高いことが見て取れました。

今回は、世界の主要都市と比較して、日本(東京)の住宅価格、特に高級住宅市場の価格を比較してみます。

住宅価格は、物件によって広さ・金額が大きく異なりますが、一定の条件を設けることによって国際比較ができるようになります。

英国の不動産コンサルティング会社大手のナイトフランク社が、「100万ドルで購入できる高級不動産の広さ」という指標を、主要都市で比較しています。また、セカンドハウスとしての同様に「100万ドルで購入できるセカンドハウスの広さ」という指標も出しています。

それでは、最も不動産価格が高い都市はどこでしょうか。東京はどの位に位置しているのでしょうか。セカンドハウス・別荘地ととして不動産価格が高い場所はどこでしょうか。また、今後(今年、2024年に)不動産価格の上昇が見込まれる都市はどこでしょうか。

実際に数字を見て確認したいと思います。
luxury apartment price

まず「100万ドルで購入できる高級不動産の広さ(㎡)」を比較してみます。この指標は、100万ドルで購入できる不動産の広さが小さいほど、価格が高いことを示しています。

最も、不動産が高いのはモナコで、16㎡となっています。次いで高いのが、香港で22㎡となっています。以降、シンガポール(32㎡)、ロンドン(英国、33㎡)、ジュネーブ(スイス、34㎡)、ニューヨーク(米国、34㎡)、ロサンゼルス(米国、38㎡)と続きます。

東京は64㎡と、マイアミ(米国、60㎡)に次ぐ高さとなっています。

また、上位15都市の15番目ではありますが、ムンバイ(インド、103㎡)がランクインしていることが注目に値します。

次に、「100万ドルで購入できるセカンドハウス(別荘)の広さ(㎡)」を見てみます。

最も高いのはアスペン(米コロラド州)で、20㎡となっています。次いで高いのが、バンクーバー(カナダ)で、28㎡となっています。以降、サントロペ(フランス、28㎡)、イビザ(スペイン、50㎡)、バハマ(62㎡)、シャモニーモンブラン(フランス、63㎡)、キンタドラゴ(ポルトガル、67㎡)と続きます。

いわゆる高級リゾート地の別荘・セカンドハウス不動産価格も、大都市の高級不動産と並ぶような高価格帯となっていることが分かります。

次に、今後の不動産価格が上昇しそうな都市と、その伸び率を見てみたいと思います。同ナイトフランク社の予想によると、最も伸び率が高いのはオークランド(ニュージーランド)の10.0%となっています。次いで高いのが、ムンバイ(インド)の5.5%となっています。

以降、ドバイ(UAE、5.0%)、マドリード(スペイン、5.0%)、シドニー(豪州、5.0%)、ストックホルム(スウェーデン、4.5%)、マイアミ(米国、4.0%)と続きます。東京は2.0%の見通しとなっており、ニューヨーク、パリ、上海、バンクーバーと同率の予想となっています。

この辺りの動きを見ると、先進国だけでなく、新興国の都市、リゾート地も高級住宅・不動産の上位にランクしてきており、富裕層の新たな注目都市・地域が分かります。

こうしてみると、東京は世界的な都市と競うレベルの住宅の高さになっていることが分かります。また、最も高いモナコや、香港、シンガポールなどと比べると、東京の高級住宅不動産化価格は、まだまだ安いとも言えそうです。そして、今後さらに世界の水準に引っ張られて、高くなっていく可能性があるとも言えそうです。

リゾート地の価格で見ると、日本のリゾート地が上位にランクインしておらず、北海道ニセコや、沖縄などの不動産価格が安いとも言えますし、もっと世界的なリゾートとして不動産価値を高める余地があるとも言えそうです。

今後も世界の高級不動産の動向を注目していくことで、事業機会を見出すことが出来そうですね。

資料
Knight Frank, “Wealth Report 2024“
Wealth Report 2024.pdf