編集部posts 2020年10月19日

【MBA・ビジネス用語】コーポレートファイナンスとは?

【MBA・ビジネス用語】コーポレートファイナンスとは?


執筆:mbaSwitch編集部

「コーポレートファイナンス」は、企業が成長していくために、どんなビジネスパーソンも理解しておくべき概念です。経営企画系の部門にいないから知らなくても良いと思っていませんか? 

コーポレートファイナンスの基本的な知識について、本記事であらためてキャッチアップしましょう。


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1.コーポレートファイナンスとは?

コーポレートファイナンスとは?

コーポレートファイナンス(corporate finance)とは、「企業の価値を最大化することを目的として行う、企業の財務活動全般」を指します。

企業の財務活動には、資金を調達すること、その資金を運用することの2つの側面があります。資金の調達とは、事業の売上高だけでなく、金融機関からの融資や、投資家からの出資なども含みます。資金の運用とは、主に資金を企業の事業にどう分配すれば効率的か? を決定していく活動です。

2.コーポレートファイナンスとアセットファイナンスの違い

コーポレートファイナンスとアセットファイナンスの違い

企業の資金調達の方法の1つとして、アセットファイナンスも考えられます。アセットファイナンスとは、「企業の持つ資産を担保にした資金調達」のことです。資産は不動産、知的財産、金融資産など、有形/無形は問われません。

コーポレートファイナンスでは、企業の信用力を担保に資金を調達します。一方でアセットファイナンスでは、保有資産を売却して資金を得るため、信用力よりも資産の価値のほうが重視されます。

信用度の低い中小企業は、アセットファイナンスのほうが資金調達を行いやすいと言えます。

3.企業価値とは?

企業価値とは?
コーポレートファイナンスの目的は、「企業価値を最大化すること」です。企業価値とは、「企業が産み出すことのできるキャッシュフロー全体」を指します。
では、企業価値はどのように測ることができるのでしょうか。

算式① 企業価値 = 事業価値 + 非事業資産

「企業の価値がどこから生み出されるか」という観点で企業価値を図る算式です。

・事業価値
企業が本業から生み出すキャッシュフローです。

・非事業資産
企業が本業とは関係なく保有する資産を指し、時価で評価されます。

算式② 企業価値 = 債権者価値 + 株主価値

「企業の価値がどこに帰属するのか」という観点で企業価値を測る算式です。

・債権者価値
企業が生み出す価値のうち、債権者(銀行など)が有する部分を指します。

・株主価値
企業が生み出す価値のうち、株主(自社や投資家等)が有する部分を指します。株式単価×発行株数で表されますので、株式時価総額と同じと言えます。

算式② 企業価値 = 債権者価値 + 株主価値

4.事業価値はDCF法で算出

事業価値はDCF法で算出

企業価値の主たる要素は、やはり事業価値です。事業価値はDCF(Discount Cash Flow)法で算出されます。

DCF法とは、事業を継続していくと将来にわたって生み出すであろう価値の総和を、現断面で割り引いて調整する方法です。なぜ割り引く必要があるかというと、物価は変動的なものであるということと、基本的には価値は時間がたてば増えていくものという考え方に基づいているからです。

たとえば、事業が1年目に生み出した100万円と、3年目に生み出した100万円があるとします。それを事業3年目に評価した場合、1年目の方ほうが金利が効いており価値が高くなっている、というようなケースを想像してください。逆に事業1年目を基準に計算すると、3年目で生み出せる(はずの)100万円は、現時点では100万円より安くなります。

この考えに基づき、「未来に生み出される価値は現在時点では割り引いて(物価や金利、時間を考慮して調整して)計算する」という考え方がDCF法です。

5.価値をどう評価する?

価値をどう評価する?

算出された企業価値や事業価値は、事業が健全な状態なのか、どこにより多くのコストを割り当てるべきなのかを判断するためなどに用いられます。具体的な評価方法をご紹介します。

NPV法

NPVとは、正味現在価値(Net Present Value)の略称です。ある期間の現在価値(DCF法で算出)の合計、つまり「投資から得られる将来のキャッシュフローの現在価値」から投資額を差し引いた金額を指します。NPVがプラスであれば、投資価値があると判断されます。

IRR法

IRRとは、内部収益率・内部利益率(Internal Rate of Return)の略称です。NPVが0になる、DCF法で用いる割引率を指します。割引率が高いほど、事業が成長しやすいということですので、投資効率が高いと言えます。

どこに投資すべきかを選択する場合には、NPV法を用いると良いでしょう(NPVがもっともプラスなものを選択します)。どのようなバランスで資金を配分するかを決める場合には、IRR法を用いると良いでしょう(IRRが高いものに優先して分配します)。

6.資金調達の方法

資金調達の方法

コーポレートファイナンスの目的は、企業の価値を最大化することです。そのための重要な一側面である、資金調達の主な方法を紹介します。

間接金融と直接金融

資金調達の大分類として、間接金融と直接金融があります。間接金融とは、「銀行借入など、金融機関が仲介して資本を調達すること」です。直接金融とは、「投資家からの出資など、資本を持つ者から直接資本を調達すること」を指します。

資金調達の主な方法

資金調達の主な方法として、デットファイナンス、エクイティファイナンス、アセットファイナンスが挙げられます。

・デットファイナンス
デットファイナンスとは、「返済の必要のある」資金を調達することです。銀行借入もデットファイナンスにあたります。しかし、デットファイナンス=間接金融ではなく、例えば社債の発行による融資は直接金融にあたります。

特徴は3つあり、「負債の増加であること」「金利が発生すること」「返済期限があること」です。

金利込みで返済の必要がある点がデメリットに見えますが、株価に影響しない、経営に口出しされないというメリットもあります。

・エクイティファイナンス
エクイティファイナンスとは、企業が株式を発行することで、投資家から「返済の必要のない」資金を直接調達することです。

特徴は「資本の増加であること」「返済義務がないこと」です。
返済期限がないため、長期的に事業に向き合う余力が持てるようになる点で魅力的ですが、株価に影響する、投資家が発言権を持つというデメリットもあります。

・アセットファイナンス
アセットファイナンスとは、冒頭でもご紹介した通り、保有する資産を担保に資金を調達する方法です。

「保有資本の流動化であること」「信用力が重視されないこと」が特徴です。
価値のある資産を保有していないと、選択できないというデメリットがありますが、信用力のない企業でも活用しやすいメリットがあります。


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7.ビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)とは?

ビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)とは?

コーポレートファイナンスの考え方は、企業が成長するための必須要素です。
経営者だけでなく、事業開発を担うビジネスリーダーにも必要ですが、なかなか業務上で身につくものではありません。

そこで、コーポレートファイナンスをはじめとした経営やビジネススキルを身につけるために、経営大学院で学ぶ方法があります。

経営大学院では、経営の3要素である「ヒト・モノ・カネ」について学びます。さらに、時代に合わせた最先端のカリキュラムを実施したり、自分のキャリアや今後のビジョンについて向き合う機会を提供したりと、大学院ごとに特色があります。

しかし、仕事が忙しいビジネスパーソンにとって、働きながら経営大学院で学ぶことは容易ではありません。


働きながら、うまく時間を活用して学び続けるには、「オンラインMBA」がおすすめです。オンラインMBAとは、経営大学院の授業の一部もしくはすべてをオンラインで実施するMBAプログラムのことです。

本校(ビジネス・ブレークスルー大学大学院、以下BBT大学院)は、100%オンラインで受講できるため、学びの柔軟性が高く、多忙なビジネスパーソンでも学び続けることができます。

日本国内で最も長いオンラインMBAの歴史を持つBBT大学院は、2005年の開学以来、15年という月日のなかでオンライン学習の知見を蓄積し、オンラインMBAのパイオニアとして試行錯誤を重ねてきました。

学長の大前研一は「経営者、現場、顧客からしかビジネスは学べない」という信念から、経営者や起業家、そして数多くの企業や国家の問題解決をリードしてきた経営コンサルタントを中心に教員陣を揃えています。

さらに、時代に即した最先端のカリキュラムや教育手法を提供できるよう、アップデートを繰り返しています。

MBAの醍醐味であるケーススタディは、RTOCS(アールトックス)と呼ばれる独自の教育メソッドを導入し、現在進行形の事例について取り上げます。

一般的なケーススタディでは過去事例を取り上げますが、今まさに起こっている事例について、「自分が経営者やトップだとしたら?」という視点で将来を予測し、具体的な戦略を考えることで、価格競争が激化する時代に求められる問題発見・解決能力を身につけることができます。

「自分が経営者だったらどうするか」という視点や、教員やクラスメイトから多様な意見を学ぶことを大切にし、実際のビジネス現場で起こり得るテーマを具体的に取り上げ、厳しいビジネス環境の中でも活躍できる力や資質を養います。

8.BBT大学で経営者目線を持ったビジネスリーダーに!

BBT大学で経営者目線を持ったビジネスリーダーに!

BBT大学院は、2005年開校当時からオンラインでMBAを取得できる経営大学院として運営してきた、オンライン学習のパイオニアです。オンライン学習だからこそ学びを深められる、オンラインだからこその多様で濃いネットワーキングを作るためのノウハウを蓄積しながら、MBAプログラムを提供してきました。

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