業界ウォッチ 2019年4月15日

教員のちょっと気になる「 2019年のGW旅行動向 」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「 2019年のGW旅行動向 」を取り上げてご紹介いたします。

今年のゴールデンウィーク(GW)は、皇位継承に伴い4月27日から5月6日までの史上初の10連休となる予定となっています。JTBが4月4日に発表したGW旅行動向の見通しによると、旅行意欲は昨年よりも増加しており、国内・海外ともに、旅行人数が過去最高と予想されています。

確かに、10連休ともなると旅行に行こうと計画する人も多いのではないでしょうか。

それでは実際にどのくらいの人が、国内・海外旅行に向かっていて、どのくらいの伸びを示しているのでしょうか。旅行消費額はどのくらい伸びているのでしょうか。また、宿泊数を長くした人は、どの程度増えているのでしょうか。具体的な数字を見て確認したいと思います。

まず、旅行者数の推移を見ると‘00年から’10年までほぼ横ばいでしたが、‘11年の東日本台震災で落ち込んだ以降は、増加トレンドとなっています。’19年に国内・海外合わせて2467万人と過去最高となっています。旅行消費額でみても、同様に‘00~’10年の横ばい傾向から、震災の落ち込みを経て、以降増加トレンドとなり、‘19年には1.06兆円と過去最高を記録しています。

次に、宿泊予定日数が伸びているのかどうか、同JTB調査アンケート集計結果で確認してみます。

国内旅行予定者の宿泊日数は「1泊2日」、「2泊3日」が多くなっています。ですが、昨年(‘18年)の調査結果と比較すると、今年(’19年)は「1泊2日」、「2泊3日」と回答した人の割合が減っており、「3泊4日」やそれ以上の宿泊日数を予定している人の割合が高まっています。

海外旅行予定者の宿泊日数を見ると、‘19年は「5泊6日」との回答者の割合が最も高くなっています。また昨年(’18年)との比較でみても、海外旅行も国内旅行と同様、「2泊3日」、「3泊4日」、「4泊5日」の宿泊予定者の割合が減っており、「5泊6日」以上の宿泊日数を予定している人の割合が高くなっています。

このように見ると、今年のGWは、国内・海外旅行問わず、旅行者数、旅行消費支出が伸びており、宿泊日数もより長くなっていることが分かります。

5月1日には新天皇が即位し、新元号「令和」に改元される予定です。この間の10連休が、新しい時代を予感させるような、良い景気刺激となることを期待したいですね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)