2021年12月10日

MBA大学院の学生の平均年齢や上限は?年代ごとのメリット・デメリット

MBA大学院の学生の平均年齢や上限は?年代ごとのメリット・デメリット
MBA大学院(経営大学院・ビジネススクール)で学ぶのに年齢の上限はありませんが、国内・海外ともに20代後半の学生が最も多い傾向です。ただし、MBAを取得するメリット・デメリットは年代ごとに異なります。本記事ではMBA大学院にはどのような年齢や属性の学生が多いのかについて、また、MBAを取得すべきかどうか迷う時に検討すべきポイントについて解説します。

1.MBA大学院に通う学生の年齢事情とは?平均年齢と上限の有無

MBA大学院に通う学生の年齢事情とは?平均年齢と上限の有無
まず、国内外のMBA大学院に通う学生の年齢層や年齢の上限の有無についてみていきましょう。

国内MBA大学院の学生の年齢層

国内におけるMBA大学院の学生の年齢層は、20代後半〜30代半ばがボリュームゾーンです。文部科学省の調査によると、経営系大学院の「在学生の平均年齢」のうち、最も多くを占めるのは25〜29歳(33.3%)、次に多いのが30〜34歳(26.9%)となっています。

※出典:文部科学省「国内外の経営系大学院及び修了生の実態並びに産業界の経営系大学院に対するニーズ等に関する調査」(2016年)P9

例として、私立である慶應義塾大学大学院(慶應ビジネススクール) 経営管理研究科 経営管理専攻における2021年度入学者の年齢構成をみてみましょう。30〜35歳の学生が25%と最も多く、36歳以上は11%です。一方、23歳以下が22%、24~25歳が22%、26~29歳が20%と、20代が全体の64%を占めています。

また、国公立である一橋大学大学院(一橋ビジネススクール) 経営管理研究科/SBA(日本語プログラム)・ICS(英語プログラム)の「経営管理プログラム」では、学生の平均年齢が35歳です。これには、主に社会人を対象としたカリキュラムであることも影響しています。

一方、株式会社立であるビジネス・ブレークスルー大学大学院 経営学研究科 経営管理専攻(BBT大学院)では30代が35.5%、40代が42.1%と、30~40代がボリュームゾーンであり、平均年齢は38〜40歳ほどです。

海外MBA大学院の学生の年齢層

海外におけるMBA大学院の学生の年齢層は、20代後半が最も多いとされています。例えば、アメリカのMBAプログラム50コースにおける2020年度の学生の平均年齢は28歳、年齢中央値は29歳だったそうです(パリの入試サポートセンター「VINCIA PREP」調べ)。

※出典:VINCIA PREP「Average age of MBA applicants in the US

MBA取得の年齢制限

国内・海外のMBA大学院では、いずれも年齢の上限は設けられていません。一部の例外を除き、教育機関が受験生の年齢を理由に入学を拒否することは原則としてないとされています。

ただし、ハーバード大学経営大学院(ハーバードビジネススクール、Harvard Business School)は30歳以上で入学する学生は10%にも満たないのが現実で、入学を検討する場合はそのような事情も考慮した方がよいかもしれません。

2.MBA大学院に通う学生の属性の傾向

MBA大学院に通う学生の属性の傾向
MBA大学院に通う学生の属性には、どのような傾向がみられるのでしょうか。ここでは、MBA大学院の学生の男女比・業種・出身学部について、それぞれ解説します。

男女比

国内におけるMBA大学院の場合、男女比は男性が60〜80%、女性が20〜40%程度の割合が一般的です。文部科学省の上記の調査によれば、2020年における経営系大学院在学者の男性比率は男性60.9%、女性39.0%でした。

ちなみに、一橋大学大学院 経営管理研究科においては男性81%、女性19%(2020年)となっています。また、早稲田大学大学院(早稲田ビジネススクール) 経営管理研究科に在籍する学生の男女比は男性74.3%、女性25.7%(2017年)です。

業種

MBA大学院には、さまざまな業種の社会人が在籍しています。なかでも国内MBA大学院の在学生に目立つ業種は、医薬品など製造業、学術研究・教育・学習支援、サービス業や金融業、情報通信業や建設業などです。ただし、上記以外の業種も全体の15%を占めます。

例えば、グロービス経営大学院 経営研究科 経営専攻の学生の業種は、サービス業(教育・人材・医療・福祉・商社・その他)が21%、製造業(化学・素材・食品・医薬品)が20%、製造業(機械・電気・電子)が13%、IT・通信ネットワーク業が13%、金融・保険業が8%となっています。

※出典:グロービス経営大学院「活躍する卒業生・在校生 学生プロファイル

また、神戸大学大学院 経営学研究科 現代経営学専攻においては、MBAプログラム入学者の所属組織は医薬品が35%、電気・情報機器・電子・デバイスが22%、専門サービスが17%、金融・保険と運輸がそれぞれ15%を占めています。

※出典:日本学術会議「わが国の経営学大学院教育のあり方について」(P52)

出身学部

国内のMBA大学院において、在学生の出身学部は理系と文系が拮抗しており、特に偏った傾向はみられません。

例えば、慶應義塾大学大学院 経営管理研究科では、政経・経済学部が18%、商学部が13%、経営学部が11%、法学部が10%、その他が48%(2021年度)となっています。また、小樽商科大学大学院 商学研究科 アントレプレナーシップ専攻では「出身学部は多種多様」とのことです。関西学院大学専門職大学院 経営戦略研究科 経営戦略専攻では、在学生の出身学部は多種多様であるものの30%強が経済・経営・商学部出身というデータがあります。

なお、MBA取得や入学時の選考にあたって、出身学部が問題とされることはありません。

※出典:慶應義塾大学大学院 経営管理研究科「学生プロフィール

※出典:日本学術会議「わが国の経営学大学院教育のあり方について」(P43,60)

3.【年齢別】MBA大学院で学ぶメリットとデメリット

【年齢別】MBA大学院で学ぶメリットとデメリット
ここでは、MBA大学院で学ぶメリットとデメリットについて、20代・30代・40代の年代別に解説します。

20代でMBA大学院で学ぶ場合

20代はこれからビジネスに関わる期間が長いだけに、MBAで学んだ知識を活用する機会が多いことがメリットです。特に、20代半ばまでにMBA取得者となれば新卒または第二新卒として就職活動をする際のアピール材料の1つとできるため、就職先の選択肢を広げることにつながります。

一方、20代では実務経験が少ない分、MBA大学院で学んでも、30~40代と比べると学習効果が薄くなってしまう可能性があることがデメリットといえるでしょう。MBAの学習課程においては実務経験がある方が深い考察や理解を得られる学びにつながることがあるのは事実です。そのため、学習効果という点においては、ビジネスでの失敗と成功を経験して問題意識を養ってきた30〜40代の方が有利かもしれません。

30代でMBA大学院で学ぶ場合

30代でMBA大学院で学ぶと、キャリアアップに直結することが期待できる点がメリットです。実務に就いてからそれなりの年数を経た30代なら、MBA大学院に入学する以前の実務経験が充実しており、MBAを学ぶ下地ができています。さらにMBA大学院でも深い学習ができれば相乗効果を得られるため、職場での昇進や転職によるキャリアアップにつなげられる可能性もあるのです。

ただし、ビジネスパーソンとして充実し、いわば「脂が乗る」時期である30代にMBAを学ぶなら、勉強に時間や体力を割く分、限られたリソースを仕事に全振りできなくなるというデメリットもあります。30代ともなれば職場で何らかのリーダー的ポジションを任されている人も多いため、社費留学する人などを除けば、社内の地位保持を優先したいケースも多いでしょう。

40代でMBA大学院で学ぶ場合

40代でMBA大学院で学ぶメリットは、これまでの豊富な実務経験から得てきた知識の再確認や体系化ができることです。これから管理職や経営層を目指したり起業したりするにあたって、思考軸を再定義するためにMBA大学院で学んだことを活用できます。

40代がMBA大学院で学ぶデメリットは、MBAを取得したからといって、必ずしも昇進や転職に有利になるわけではない点です。ビジネスにおいて40代以降が高く評価されるためには、学位よりも実務経験や具体的な実績が重要視されます。また、20~30代と比べればMBA取得後にビジネスに関わる期間が短いため、MBA取得に費やした金額の投資対効果を得るためには、MBA卒業後の更なる努力が必要です。

4.MBA取得で迷っている時に検討すべきポイント

MBA取得で迷っている時に検討すべきポイント
MBAにおいては「何歳で取得するか」も重要ですが、それは数ある大切な要素の1つにすぎません。ここでは、MBA取得を考える時に検討すべきその他の重要なポイントとして、以下の3つを紹介します。

 ●MBAを取得する目的は何か
 ●長期的なキャリアプランはあるか
 ●投資対効果を得られるか

MBAを取得する目的

例えば、「英語力を身につけたい」と考える場合、英語力は一生さまざまなシーンで役立つスキルのため、早いに越したことはありません。

一方、「MBAを取得することで実践的なスキルを身につけたい」という場合は、早ければよいというものではないのです。MBAプログラムでは、ある程度の実務経験があるからこそ理解できる内容が多く、教授・学生と深い議論ができることがあります。つまり、実務経験を多少なりとも積んでからMBA取得を目指した方が充実した結果を得られる可能性があるのです。

長期的なキャリアプラン

MBA取得を考える際は短期~中期的なキャリアプランだけでなく、管理職・経営層への昇進や転職、起業など、ビジネスパーソンとしての長期的なゴールは何なのかを明確化することが大切です。

例えば、「起業して生涯現役を貫きたい」といった目的があるなら、40代からMBAを目指しても遅くありません。一方、「ただ高年収を目指したい」という20代なら、それを実現するための最適の手段がMBA取得とは限らない可能性もあります。

投資対効果

MBAを取得するには高額なコストがかかるため、それに見合うリターンを得られるかを検討しましょう。

MBA取得に要する学費は、国内でも2年間のトータルで300万~500万円と、決して安くはありません。また、家族と過ごす時間を削って勉強に割くことになることもあれば、職場を休職したり残業時間を減らしたりすることによる減収も考えられます。現場を離れることで業務パフォーマンスの低下や昇進への悪影響もあるかもしれません。海外のMBA大学院でMBA取得を目指す場合は、学費にくわえて渡航費や生活費もかかります。

上記のコストに対し、リターンとして考えられるのはキャリアアップや人脈の獲得、収入の増加などです。それらのリターンにどれだけの効果があるか、今後の何年間得られるかを予測し、投資対効果を吟味する必要があります。

5.実務経験豊富な30~40代がしっかり学ぶならBBT大学院

MBA大学院で学ぶ学生の年齢層は国内・海外ともに20代後半が多いものの、30~40代の学生もいます。MBA大学院で学ぶメリット・デメリットは年代ごとに異なります。学習効果という点では、実務経験のある30~40代がMBAプログラムを学ぶのに最適です。

BBT大学院では学生の80%近くが30~40代です。平均年齢は38〜40歳ほどですが、50代以上の学生も16.3%と多くいます。BBT大学院は、ビジネス経験が豊富でさらなる知識・スキルの強化を図りたい方が安心して学べる環境なのです。

興味を持たれた方は、ぜひ、資料請求や説明会への参加を検討してみてください。↓↓