編集部posts 2020年9月29日

【MBA・ビジネス用語】リカレント教育とは? BBT大学院で人生100年時代を生き抜くための学び直しを!



執筆:mbaSwitch編集部

【MBA・ビジネス用語】リカレント教育とは? BBT大学院で人生100年時代を生き抜くための学び直しを!

社会人になると、勉強に集中する機会は得難いもの。
「大学生の時、もっと勉強しておけば良かった…」「今大学の授業を受けたら、当時の100倍楽しめるだろうな」などと思ったことがある方は多いのではないでしょうか。

本記事では、そんな学び続けたいあなたにおすすめの、近年注目されている「リカレント教育」について解説していきます。


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1.リカレント教育とは?

リカレント教育とは?

リカレント(reccurent)とは「回帰する、繰り返す」という意味を持つ語であり、リカレント教育とは一言で言ってしまえば「学校教育を終えてからも、仕事に活きる学びを得続けること」です。

リカレント教育の概念は、スウェーデンの経済学者レーン・Gによって最初に提唱され、1970年にOECDが教育政策会議で取り上げて以来、国際的に高く注目されるようになりました。日本でも、1970年代に国際的なトレンドに合わせ取り上げられていましたが、終身雇用を掲げて高度経済成長を実現していたこともあり、当時はあまり浸透しませんでした。

近年になり再度注目されつつありますが、その背景には、少子化による教育機関の社会人へのターゲットの広まりや、働き方の多様化(終身雇用の破綻)、健康寿命の延長(人生100年時代)、変化の速い時代における過去の知識の陳腐化などがあるでしょう。

国策としてもリカレント教育の強化を掲げており、実は2020年度の文部科学省の予算には、「リカレント教育等社会人の学び直しの総合的な充実」に約89億円が計上されています。

2.リカレント教育と生涯学習の違いは?

リカレント教育と生涯学習の違いは?

リカレント教育と聞くと、耳なじみのない方も多いかも知れませんが、生涯学習という言葉は聞いたことはあるのではないでしょうか?

リカレント教育は生涯学習と同義にも思えますが、少し異なります。
生涯学習が「リタイア後も含めた人生を豊かに過ごす」という文脈から発生した用語なのに対し、リカレント教育は「労働人材育成」の文脈から生まれています。

生涯学習の定義の中には、趣味や娯楽として学ぶことやボランティア活動なども含まれるのに対し、リカレント教育の目的は、経済的に社会に貢献できる人材になるために必要な知識やスキルを教育を通じて身につけることになります。

生涯学習は人生を豊かにするスキルを、リカレント教育は仕事に活きるスキルを習得することを目的としている点で違いがあります。

3.日本のリカレント教育の現状

日本のリカレント教育の現状

学び直しについての調査でも、障害要因として「費用が高すぎる」「勤務時間が長い」「職場の理解を得られない」の回答が全体の2割以上となっています。
日本では、学び直したいと思う個人が増えている一方で、企業や自治体がリカレント教育の支援に積極的に取り組んでいるとは言えない状況です。



(*出典:イノベーション・デザイン&テクノロジーズ株式会社「社会人の大学等における学び直しの実態把握に関する調査研究」(2016)
(文部科学省平成27年度「先導的大学改革推進委託事業」
)


欧米では、何年か会社勤めを経て大学に戻り、また会社へ戻るといった時間の使い方は一般的と言われま。たとえば、数年働かずに復職した場合を想像すると、同じポジションが保障されているとは限らないと感じる人は多いのではないでしょうか。

日本特有の終身雇用制が、少し前まで浸透していたことも一因になり、日本のリカレント教育は世界と比較するとまだまだ低水準と言えます。


(*出典:文部科学省「社会人の学び直しに関する現状等について」25歳以上の入学者の割合の国際比較 (2012年))


海外の事例
・スウェーデン
経済的に高い競争力を維持し続けているスウェーデンは、リカレント教育発祥の国でもあります。資源に乏しい国土であることから、かねてより人材育成を重視しており「国民には就労と教育を繰り返しながら能力を高めつつ、できるだけ長く働いてもらおう」という発想がありました。

たとえばアパレル企業H&Mでは、有給の取得率は100%を超えているそう。産前産後休暇と育児休暇制度も充実しており、ワークライフバランスを重視しています。社内の公用語は英語とし、語学力が不足している社員にはトレーニングや海外研修を実施するなど、社員の英語教育にも積極的に取り組んでいます。

・中国
リカレント教育が進んでいるのは欧米だけではありません。ファーウェイ社は、世界最先端の知見(IoT/AI等)が揃っており、社内で学べる素材が豊富です。

そこで、ナレッジシェアリング戦略として、「ファーウェイユニバーシティ」と呼ばれる社内研修機関や、世界45か所にトレーニングセンターを設置しています。また、新入社員には必ず2人のコーチがつくなど、ナレッジシェアリングの文化が徹底しています。


(*出典:株式会社ビジネス・ブレークスルー「日本のリカレント教育は世界最低!? スウェーデン、デンマーク、中国に学ぶ21世紀の人材戦略 ~人生100年時代に備える「リカレント教育」のあるべき姿~」)


4.リカレント教育のメリット

リカレント教育のメリット

個人がリカレント教育を受けるメリット

①専門性を深められる
個人がリカレント教育を受ける大きなメリットのひとつは、業務で身につけた断片的・経験則的なスキルを体系的に捉え直すことで、専門性を深められることです。1から学ぶよりも効率良く知識を身につけることができます。

学び直しにより、希望の職種・ポジションに就きやすくなったり、収入が上がりやすくなるという調査結果もあります。

▼通学により年収が約30万上がったという調査データと通学により、就業確率や専門性の高い職業に就く確率が高まるという調査データ


(*出典:文部科学省「自己啓発の種類別にみた効果」)


②時代に即したスキルが磨ける
急速に変化する世の中で、自分の持つスキルがこれからもニーズのあるものとは限りません。これまでの経験や知識以外に、新しい知識を身につけることで、職業選択の可能性を広げることもできます。
実際、新型コロナウイルス禍で勤務先の業績が悪化したり、自分の仕事が失われると感じている方も多いのではないでしょうか。

2020年はプログラミングや英会話をはじめ、オンライン学習のサービスが成長傾向にあります。リモート勤務と自粛生活で生まれた時間の余裕を、スキルの磨き込みに充てている人が多いのかもしれません。

企業がリカレント教育を推奨するメリット

①長期的な生産性向上に寄与
従業員が学んだことを、仕事で生かしたりチームにシェアすることにより、業務の効率化につながる効果が期待できます。個人が会社から飛び出して、広く学び続けることは組織にも還元があります。

②優秀な従業員をモチベートできる
現状に満足せず、もっと学びたいと思う従業員ほど、会社が大切にすべき人材かもしれません。雇用の流動化が叫ばれて久しい昨今、優秀な従業員に長く勤務してもらうためにも、リカレント教育の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

https://www2.ohmae.ac.jp/Dynamic_LP.html

5.リカレント教育の補助制度

リカレント教育の補助制度

リカレント教育は国策としても力を入れており、各種補助制度があります。

個人が利用できる「教育訓練給付金」

①専門実践教育訓練給付金
通学などで長期的に学び続けたい方は、専門実践教育訓練給付金を活用してはいかがでしょうか。3ヶ月~24ヶ月とさまざまな専門分野の幅広い対象講座について、教育に投資した金額の50%(上限あり)を支給してくれる制度です。

3年以上雇用されていたことがあるか、現在会社員で2年以上勤務している場合などに、何回かハローワークに通い研修を受けることによって、受給資格が認定されます。
ちなみに、BBT大学院のMBAコースも専門実践教育給付金の支給対象です。

②一般教育訓練給付金
こちらは、特定の資格取得などのサポートを主とした短期的な教育機会について、費用の20%が支給される制度です。行政書士、情報処理技術者など資格取得の勉強をされている方は特に、活用してみると良いかもしれません。

企業が利用できる「人材開発支援助成金」

リカレント教育を導入した企業にも助成金がもらえる仕組みがあります。社員への教育機会創出のために有給休暇制度を新設した場合に、1人1日あたり20万円~30万円が助成されます。

6.リカレント教育を取り入れている、大学や民間企業の事例

リカレント教育を取り入れている、大学や民間企業の事例

大学の取り組み

・東京大学「エグゼクティブ・マネジメント・プログラム」
次世代リーダーを育成することを目的に発足された、東京大学のビジネススクールです。受講料が約600万円/年と相対的に高額ですが、「東京大学が獲得してきたさまざまな分野における最先端の知識と思考方法を自らのものとし、さらに、深い智慧や幅広い教養に基づいた洞察力、そして、実際的で柔軟なコミュニケーション能力と実行力を併せ持つ、高い総合能力を備えた人材を育成することを目指している」の記載の通り、質の高い学びの場であるようです。

・筑波大学「STEAMリーダーシッププログラム」
「社長が考える社長候補、経営企画層の若手、もしくはベンチャー企業や将来的に組織を担う人材」を対象に、次世代のリーダーを育成するリーダーシッププログラムです。残念ながら2020年9月開講予定の講座は開催中止となりましたが、ここから斬新なソリューションがどんどん生まれそうなプログラムです。

企業の取り組み

・サイボウズ株式会社「育自分休暇制度」
35歳以下の男女社員を対象とし、退職して最長6年の期間中は、サイボウズに戻ることが可能な制度です。

6年もあれば海外留学など、幅広い選択肢を考慮することができますね。また、休暇だけでなく「週3正社員」制度もあり、仕事と学びを両立しやすい企業のようです。

・ヤフー株式会社「勉学休職制度」「サバティカル制度」
勉学休職制度とは、「普段の業務を離れて専門的知識や語学力をより集中的に習得できる機会」の創出のための休暇制度です。勤続3年以上の正社員が最長2年間の休暇を取得できます。

サバティカル制度とは、「自らのキャリアや経験、働き方を見つめなおし、考える機会をつくることで、本人のさらなる成長につなげることを目的とした休暇制度」のことです。勤続10年以上の正社員を対象に2~3カ月の範囲で取得可能で、休暇期間中、一定期間は会社が支援金を支給し、学びをサポートしてくれます。


(*出典:ヤフー株式会社「福利厚生」)


まさに学び直しのために作られた休暇制度。この制度を利用して休む、という宣言をするだけで周囲の理解も得られそうですね。

7.リカレント教育とMBA

リカレント教育とMBA

MBAは、特定の業界に特化した知識というよりは、事業を創る、伸ばすためのスキルを学ぶ場所です。ロジカルシンキング、情報分析・収集力、リーダ―シップ…いわばどの企業でも求められる能力を育みます。

自分の現在の専門を深めキャリアアップするも良し、新しい領域も取り入れキャリアチェンジするも良し。何を学ぶかは自分次第です。

学びの選択肢として、変化の激しいこれからの時代に通用するビジネスパーソンとしての共通スキルを身につけ、「稼ぐ力を伸ばす」ことも有効なのではないでしょうか?

8.知識をアップデートして、時代に適応したビジネスパーソンに!

知識をアップデートして、時代に適応したビジネスパーソンに!

ビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)は、2005年開校当時からオンラインでMBAを取得できる経営大学院として運営してきた、オンライン学習のパイオニアです。オンライン学習だからこそ学びを深められる、オンラインだからこその多様で濃いネットワーキングを作るためのノウハウを蓄積しながら講座を提供してきました。

今の時代にふさわしい「新規事業を創れる人材」の育成にフォーカスし、リアルタイムな企業課題を基にしたケーススタディも行っています。
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