業界ウォッチ 2020年6月1日

教員のちょっと気になる「運動不足」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今週は「運動不足」を取り上げてご紹介いたします。

緊急事態宣言が解除され、プロ野球の開幕、Jリーグの再開予定などが発表され、少しずつスポーツ界が活動再開に向けて動き出しています。また、外出を自粛していた人々も少しずつ活動を再開するようになっています。

とはいえ、まだ第2波感染拡大の懸念もあり、完全に元の生活に戻るというわけにはいかなそうです。

これまで外出自粛が続いたため、運動不足を感じた人も多いのではないでしょうか。近所をウォーキング・ジョギングしたり、室内で運動したり、オンラインツールを用い室内運動をした人もいたのではないかと思います。

それでは実際にどの位の人が運動不足を感じているのでしょうか。運動不足は、どの位心身面での影響が大きかったのでしょうか。年代・性別によって何か違いがあるのでしょうか。実際に数字を見て確認したいと思います。

第一生命経済研究所が4月上旬に行った調査で運動不足を含めて各種の意識変化に関してアンケートを行っていますので、その内容を確認してみます。

まず、「心身の健康面での意識変化」を見てみます。「あてはまる」と「どちらかといえばあてはまる」あわせて最も回答が多かった項目が「ストレスを感じることが増えた」で合わせて62.4%でした。次いで「医療機関に行きにくくなった」で同56.6%、「運動不足だと感じるようになった」同53.4%と続きます。半数を超える人が運動不足を感じていることが分かります。

次に、屋内・屋外・自宅での運動機会の変化を見てみます。運動機会が減ったのは、「屋内での運動(ジム等を含む)」(22.1%)、「屋外で運動(ジョギング等を含む)」(18.1%)、「自宅での運動」(8.6)の順となっています。運動機会が増えたのは、その反対の順番となっています。

次に、性別・年代別で運動不足を感じている人がどのくらいいるのか見てみます。「あてはまる」との回答が最も多かったのは、男性で20代(23%)、女性でも20代(33%)となっています。男女ともに、運動不足を感じるようになったことに「あてはまる」と回答した人は、20代が最も多く、60代が最も少なくなっています。また、男性よりも、女性の方が「運動不足を感じる」人が多いことが分かります。

こうしてみると、これまでジムやジョギングなど屋外で運動していた人が運動する機会を減らし、男女ともに20~30代の若い世代の方が運動不足を強く感じていることが分かります。

外出自粛期間中は、コロナ太り、コロナダイエットなどの用語も注目を集めました。少しずつコロナ騒動が収束に向かいつつあるので、何とか工夫して、運動不足を解消していきたいものですね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)