現状で安心するな!日本をみるなら半年後|株式・資産形成講座メルマガ

  2008/3/26(水)  
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現状で安心するな!日本をみるなら半年後

アメリカの景気減退は日本と無関係だといえるのでしょうか?

実は今日お話しする前半のほうで"1番怖い"のが、この米国成長率に対する景気感応度です。

なぜ私がわざわざこの話題を持ってきたのかといいますと、最近では「アメリカの景気がちょっと減速するだろう」というところまではみんな認識があります。

でもデカップリング論というのがありまして、これは何かというと、「アメリカの景気が減速しても新興経済国である中国やインドなどが発展して、下支えすることによって日本の景気は減速しない」という理屈です。

もちろんそうかも知れませんが、若干本当かどうか疑問に思ったことがありまして、調べてみました。

アメリカ向けに輸出が一体どれぐらいされていて、それが他の国と比べるとどれくらいの感じなのかということを見ていったのが下のグラフになります。


右のグラフの赤いところの対米向け輸出を見ていただくと、世界平均は14.7%で、日本は22.5%です。

ちなみにアジア平均だと16.8%で、中国ですら21%なのに、日本は22%もあります。

> もっと言うと、同じ先進国家であるドイツ・フランスは8.8%、8.7%、イギリスは13.9%となっていますが、これはやや意外感があります。

これらのことから分かるのは、日本がいかにアメリカに対する輸出(主に自動車など)に依存しているかが見えてきます。

このことから果たして本当に「アメリカの景気減退は日本と無関係だといえるのか?」ということになってきます。


では、今度は感応度のグラフを見ていただきたいのですが、これはアメリカの成長率に対して「どれだけの影響を受けるか」というのを数値の高さで表しています。

この数値でいきますと、1番高いのは中国で、その後に韓国、ポーランド、チェコ、日本と続いています。

中央ヨーロッパの国々とアジア、アジアにおいては中国、韓国、日本ということになります。

ここで面白いのは、上記のグラフに出てくる韓国が、はじめのグラフには出てこないことです。これは半導体は韓国で作っていても、電気製品は中国でできあがって、最終的にアメリカに輸出されるためです。

とはいえ、この辺は韓国の事情があってのことなのですが、どちらを見ても日本は割と高いところにあるわけです。

それからこの次に大変なのが、アメリカの景気が1ポイント減速すると、各国の実質GDPの成長率にどれぐらい影響があるのかという部分です。

それでは、ここでも図を見ていただきたいと思います。


これを見て分かるように、1番影響を受けるのはチェコで、第2位の日本はアメリカの成長率が1%鈍化すると、GDPは0.6%下がります。

これ見たときに私は、アメリカの景気が悪くなっても今は大丈夫だとはとても言えないと思ったわけです。

それから、「どれぐらいの時間差を持って影響を及ぼしてくるのか」という景気サイクルについては、日本の場合はだいたい2四半期遅行しています。

つまりアメリカの景気サイクルから半年ぐらい遅れているということですが、ユーロ圏が3四半期、ドイツ・フランスも3四半期で、イギリスや中央ヨーロッパは1四半期と、ほとんど変わりません。

これに対して日本が四半期遅行ということは、一言で言うと、「忘れた頃にやってくる」ということになります。

そのためアメリカの景気が減速したときに、実は日本の指標が強いものを示したりするのですが、それで安心していると半年後に"やっぱり下がってきましたよ"となってしまうことを示唆しています。

影響はその頃にやってくるということですから、これは気をつけないといけないところだと思います。

 
講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学院大学 株式・資産形成講座講師
株式ジャーナリスト/個人投資家/フリープロデューサー
天海 源一郎

3月12日放送
「金融リアルタイムライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
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一般にファイナンス理論などの話の中では、常に、リターンとリスクが一緒に出てきて、お互いに不可分の関係にあることを論じます。

しかし、普通の生活の中では「リターンとリスクが不可分である」という風に考えることはなく、「高いリターンがある商品には『何か落とし穴(つまり、リスク)がある』と思う人が多いのです。

これ自体は「生活の知恵」みたいなものであり、間違っているわけではありません。

実際、高リターンであれば、一般に高リスクですし、逆は逆の時が多いものです。とはいえ、この場合の「リスク」は「危険」とか「落とし穴」とかという意味で使われているわけではありません。また、「リターン」という言葉についても、通常考えられている使い方とは違ったものとして捉える必要があります。

一般にファイナンス理論で「リターン」とは「平均的に得ることができる利回り」として捉えることになっています。ここで重要なのは「平均的」という概念です。

つまり、「リターンが高い」ということは、「得ることのできる平均利回りが高い」ということなので、実際に得ることのできる利回りには「高低差」があることになります。

なぜなら、「金融」というモノは「現在から将来にかけて」の事柄を取り扱っているので、現時点で「将来の事柄」というのは「確定していない」からです。

したがって、リターンといっても「将来の事柄」なので、当然、「ある程度の確率によって発生する」ことになります。しかし、その確率分布をすべて表記するのは面倒なので、単に「平均値」で表記しているだけなのです(これが「リターン」です)。

とはいえ、銀行預金のリターンは「確定ではないか?」という疑問もあるでしょう。

これは銀行サイドが、将来において「リターンの変動がない」ということを約束しているのであり、しかも、「1000万円までは預金保険機構により元利金が保証されている」ことから、当該期間において「リターン」が変動する可能性が「ない」と考えられるからであり、一般に「確定」ということができるからです。

つまり、変動する確率が「0」というだけであり、考え方は通常の変動する金融商品の「リターン」と変わらないのです。

以上から、リターンには「常に(平均値からの)変動が存在する」ことが理解できると思います。これが「リスク」という概念なのです(このような「リスク(変動)」が「ない」ものが確定利付きの預金などです)。

このようにリターンは平均値なので、その上下に同じ幅の変動域が存在するはずです。この上(または下)に存在する「変動幅」を「リスク」といいます。

したがって、リターンである「平均値」が高ければ、それだけ、変動域も広がることになります。これを「高リターン・高リスク」といいます。

マネーハザード金言集
著者:
ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長
大前研一

11月9日発刊の
「大前流 心理経済学」
より抜粋したものです。
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第43号、いかがでしたでしょうか。

サブプライム問題以降、どれほどの米国利下げが行われたでしょうか。

市場を見ていて感じるのは「利下げは何度行っても、一時のカンフル剤に過ぎないのではないか」ということ。

1回に1%近い利下げを行っても、好感されるのは翌日だけで、あとは利下げしたことによる米国の先行き不安が加速するだけの印象を強く受けます。

それでも日本のように、下げる金利が無いよりはマシなのかもしれませんが。。。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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