4,000億円で買いに来る!?ソブリン・ウェルス・ファンド|株式・資産形成講座メルマガ

  2008/4/23(水)  
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4000億円で買いに来る!?ソブリン・ウェルス・ファンド

今年1番話題になるのはUAE(アラブ首長国連邦)とかシンガポールではなくて、"サウジアラビア"

それでは、まず図を見ていただきたいと思います。


左上のグラフを見ていただけば分かるように、結局ソブリン・ウェルス・ファンドは「オイルマネーじゃないか」と言われてもしょうがない状況になっています。実はこのことは財務省にプレゼンに行った時にも話題になりました。

このグラフには世界のソブリンを全部入れていますが、石油関係だけで90%あり、それ以外のものは中国だけです。

ですので、基本的にソブリン・ウェルス・ファンドというのはオイルマネーだと思っていいのですが、ただそのオイルマネーが投機的かといったらそれは違うわけです。

日銀にしても、それから財務省にしても、オイルマネーはすごく脱兎のごとく動いて、攻撃的で、まるでスティールパートナーズみたいな動きをすると思っています。しかし、それは違います。

彼らはポートフォリオ投資が90%で、あとの10%は政策投資です。

しかも彼らの場合にはエマージング国出身ですから、日銀とかバンク・オブ・イングランド(BOE)とか米FRBができないことをやります。

たとえばみなさんよくご存知なのはUAE(アラブ首長国連邦)で、オイルマネーが株を10%買ったことでシティバンクを救いました。

同じことが日銀やBOEにできるかといったら、民主党が反対したりしてだめなのです。

ところがオイルマネーであり、同時にエマージング諸国のお金というのは、機動的に命をかけてポーンと動くことができるのです。

私が「リスクテイクと呼べる」と思うのは、最後のリスクテイクとして中央銀行にまっとうなお金が来てくれることになり、しかもオイルマネーは下のグラフにあるように、原油価格が上がれば上がるほど収益が入ってくるからです。


去年の原油の平均値が65ドルなので、今年が多分85ドルだったとしても、去年より20ドル上がります。

ですから今年の終わりに、今より15ドル安い85ドルで終わってとしても、原油価格は20ドル上がってますから、約40兆円のお金がこのソブリン・ウェルス・ファンドに入ってきます。

この点で彼らのお金は非常に潤沢で、そのお金は機動的に今必要なところへ行ってくれるわけですから、私はそういう彼らの力を信じることは必要だと思います。

実は今年1番話題になるのはUAE(アラブ首長国連邦)とかシンガポールではなくて、"サウジアラビア"だと思います。

サウジアラビアは今年初めてサマという今まではオフィシャルな為替通貨ファンドだったものをソブリン・ウェルス・ファンドに変えてきます。

日本でもみなさんの中には年福(年金福祉事業団)をご存知の方もいると思いますが、今では年金福祉事業団ではなくなってGPIFという組織になりました。

サウジアラビアの場合は年福が為替ファンドにあたるわけですが、それが今度は移行ポートフォリオといって、1年間で約30兆円のお金が株・債券を買う普通のファンドになっていくわけです。

今回は我々が行ってサウジアラビアの人と話して分かったのは、2841億ドルのソブリン・ウェルス・ファンドのうちの35%が株に行くということです。

さらにそのうちの約8.5%、これはまさにベンチマークで、モルガンスタンレーのジャパン指数が8.5%なのですが、それも買いますので約1兆円日本株を買います。

シンガポールとUAEを合わせても6000億円にいきませんので、その2倍近くのお金がくるわけです。

去年の12月あたりからいろいろなアメリカ系のミューチュアルファンドを通じて日本株を買っているのですが、まだ4000億円ぐらいですので、あと6000億ぐらい残っています。

これが基本的に6月の末から7月、9月1ヶ月間、それから最後にラマダンが明けた11月にドーンと買いにきますから、あと4000億円が3回ぐらいに分けて買ってくるということになります。

ですから、その辺りも考えながら動く必要があるわけです。

講師紹介
大前研一
リーマン・ブラザーズ証券株式会社
株式調査部 シニアヴァイスプレジデント チーフストラテジスト
宮島秀直

4月10日放送
「金融リアルタイムライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第41回 『PERやPBRが「小さい値」だと「割安」って本当?!?!』

株式投資をしているかたにとって「PER(株価収益率)」や「PBR(株価純資産倍率)」はかなり頻繁に聞くので馴染み深いものだと思います。

一般に「PER」も「PBR」も「低い(値が小さい)」と「株価は割安」などと言っています(特に「PBR<1.0」の場合はかなり「割安」と考えられています)。これは確かに「正しい」とも考えられますが、「株価というのは将来が大切」という意味では短絡的な判断は問題があります。

まず、PERは「株価/当期利益(一株当たり)」で求めます。つまり、「現在の株価が当該企業の生み出す利益の何倍で買われているか」を表しているのです。現状、日経225銘柄の平均は15倍程度です。

この日経225銘柄の平均は昨年の夏ごろは20倍前後だったので、かなり、値が下がっています。これは「株価(分子)が安くなった」または「平均的な企業業績が高まった(分母が大きくなった)」のどちらかです。

現状は「株価が安くなった」のでPERが低くなっています。

では「割安なのか?」が問題です。確かに「現状の利益が将来も同じ」というのであれば、「割安」かもしれません。しかし、「将来の利益は低下する」と考える人が多ければ、将来の分母は小さくなるのであり、そこから算出される「将来的な予想PER」は、株価が下がる前の水準かもしれません。

つまり、現時点のPERが「小さい値」であっても、将来の利益が小さくなるのであれば、将来のPERは高くなるはずなので、現時点は必ずしも「割安」とはいえず、「買うことができない」ということになります。

同様にPBRの場合も「株価/純資産(一株当たり)」で求めるので、「株価が安い」または「純資産が大きい」場合に、PBRの値自体は小さくなります。

ここで利益が小さいと、それに伴う内部留保も十分に行えないので純資産の伸びは小さくなります。さらに、仮に、損失(マイナスの利益)になる場合には、純資産は減少することになります。

このように「将来の利益が見込めない」ということになれば、純資産は減少する可能性があり、現時点で「PBRが低い」といって「買うわけにはいかない」ということになります。

以上から、今期または1期先くらいまでの目先のPERやPBRだけで「割安」「割高」を判断するのは危険であることがわかります。株式投資をする場合には、当該企業の「将来の利益動向を見極める」ということが重要なのであり、PERやPBRを使うのであれば、将来的な利益動向を考慮して判断をすることが大切です。

講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
著書:「銀行システムの仕組みと理論」大学教育出版
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第47号、いかがでしたでしょうか。

皆さんは株購入の際、幾つ位の買い要素(判断基準)を揃えますか?

上昇と下降という意味では1/2ですが、好景気時はともかく、今のような相場では下がる株の方が圧倒的!

1つ2つの買い要素では購入した株が上がる確率は50%を大きく下回ります。

購入時の話題性や勢いにもよりますが、私は大体5つくらいのフィルタをかけ、その条件を通過した株のみを購入することにしています。

設けるフィルタはどれもチャートを見ながら投資する人には当たり前のことばかりですが、組み合わせると確率は相当厳しくなりますし結果もそこそこですがついてきているので、自分ではかなり信用出来ています。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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