国を助ける商社の役割|株式・資産形成講座メルマガ

  2008/6/04(水)  
最新・最強・最高クオリティの
Message
第53回目発行!株式・資産形成講座メルマガです。
メルマガをご覧の皆様、こんにちは!
ビジネス・ブレークスルー 株式・資産形成講座事務局の一戸です。
このメルマガでは、皆さんの資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびにプロとして活躍している 一流講師陣の視点から、毎週リアルタイムにお届けしていきます。
あなたの理想とする資産運用、資産形成を実現するためのとっておき情報を、どうぞご覧ください。

本文タイトル
国を助ける商社の役割

商社の業績が好調です。
2008年3月期の決算は、大手6社が揃って最高益を更新、 権益を持つ資源価格が大きく値上がりしたことなどが寄与したもので、 2009年3月期も5社が増益を見込んでいるということです。


「商社」というと「冬の時代」とか呼ばれていましたが、今は資源高で HOTになり、忙しい状態になっています。 これは商社が資源利権をかなりおさえてい るためであり、 漁夫の利を得ることが出来たということでしょう。

それでは次の図を見ていただきたいと思います。


利益がどのくらいかというと、トップの三菱商事は4000億円を 超えており、三井物産がその次で、ずいぶん苦労して合併をした 双日も利益が出るようになってきています。

この図は2000年の利益を参考にとっているので、 その頃は伊藤忠あたりがマイナスになっており、 商社の利益もこの程度のものでしかありませんでした。

そのため「税金をあえて払わないためにやっているのでは?」 というような悪口も言われていました。 しかし、今は立派に利益を出せるようになってきました。

ただしそれはどちらかというと、いわゆる今の資源開発の ブームに乗っかっている分もあるので"いつまで続くのか?" という面もあります。

そのため、ここで本当に儲かる体質にしておく 必要があるでしょう。

それから日本の商社は、特にそうなのですが、 「途上国を育ててあげる」という役割を担ってくれると 日本としても非常にプラスになります。

ODA利権か何かにくっついていって、日本の政府の使う金を ダボハゼみたいにもらっている商社のイメージがありますが、 要するに途上国支援ということでやってくれたら、 我が日本としては非常に「誇らしいことだ」と思うわけです。

例えば、大連の工業団地などは丸紅がやったわけですが、 あのようなところを見てみると「商社の役割」というのは非常に 大きいと思うのです。

その辺は商社の見識というか、 企業としてのミッションをどのように心得ているか というところと関係していると思います。

これだけお金があるので、まずは人材の有効利用をし、 それからできれば、日本が過去に工業発展してきた経験を途上国、 未開発国、低開発国で活かし、そして資源は持っているものの 工業化が非常に遅れている国を助けてあげられるような分野でも 活躍して欲しいと思います。

中国や韓国などはこういうところに結構でてきて、 派手に金を突っ込んでいるところがあるので、 日本が世界に誇る商社にも、ぜひとも活躍してもらいたいものです。

日本の商社という珍しい形態は世界中探してみてもありませんから、 今お金がある以上は、それに見合った活躍を期待したいと思います。

講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長
大前研一

5月25日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第47回 『いつまでホームレス・マネーを供給し続けるのでしょうか?』

現在、米国は経済状態が悪く、不況になろうとしている(または、不況になっている)と考えられています。このような中にあっては経済政策を行うのがセオリーです。つまり、財政政策では政府支出を増加させる、いわゆる「景気刺激策」を行うとともに、金融政策では金融緩和政策として、金利を引き下げる方向に市場を誘導することになります。

ここで財政出動によって、政府支出が増大すれば、その分が需要喚起になる上に、その他の経済主体の所得を増加させる効果もあるので、乗数効果が働き、景気拡大につながると考えられています。

実際、将来世代の負担を無視すれば、目先の景気を増加させるという効果 は十分にあり、即効性という意味では政策効果が高いと思われます。

他方、金融緩和政策の方ですが、現状において、果たして理論通りの効果があるのでしょうか?

セオリーとしては、金利が低ければ、より低い投資収益率の計画も実施に移される可能性があるので、投資支出の増加により、景気拡大につながることが考えられます。

しかし、現時点で米国の金利が低下したとしても、企業収益率のボラティリティはかなり増大していると考えられるため、そちらには流れず、現時点で高いキャピタル・ゲインを見込むことのできるコモディティ市場に流れるものと考えられます。

このような市場では「買うから上がる、上がるから買う」という典型的な合理的なバブル状態になっているのであり、トランプ・ゲームのババ抜きのババだけになるまで、ゲームが続く可能性があります。

つまり、確かに米国経済は悪いかもしれないものの、現状行われている金融緩和政策はコストプッシュ・インフレを高めるだけであり、経済効果はほとんど見込まれないと思います。

そもそも金利を下げたのは、サブプライム問題によって傷ついた金融機関(銀行など)の救済のため、その流動性を高める目的で行ったに過ぎず、景気浮上的な効果を狙ったようには思えません。

もし、景気浮上効果であるのなら、もっと早い時期に手を打っていてしかるべきであり、タイミング的にも「遅きに失した」と思われます。

今、喫緊の課題は、原油高騰を抑えることであり、物価に対する警戒を高めることでしょうから、早くその方向に展開すべきです。

これは米国に限らず、欧州も日本も同様なのです。

すでに金融機関の流動性危機に対する警戒は解除していい時期だと思います。つまり、現時点で市場では、これからいくつかの銀行が危機的な状態になったとしても、以前のようなパニックは起こらないはずであり、多くの市場参加者はすでにそれなりの対処をしているはずです。

したがって、ここからは物価に目を向けた金融政策、すなわち、金融引締方向のスタンスにすべきであり、実際、市場でもそのように考えているようです。

投資家としても「利上げ」=「株安」ではなく、「利上げ」=「物価収束」=「経済安定」=「株高」というシナリオを描くべき時かもしれません。

講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
著書:「銀行システムの仕組みと理論」大学教育出版
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第53号、いかがでしたでしょうか。

週末に香港に住む友人と携帯電話の話をしました。

日本も一人一台が当たり前になってきたから、携帯加入率は伸び悩んでいるんじゃないかなと言うと友人は真っ向否定!

無線通信最先端都市の香港では、なんと携帯普及率が150%以上(日本に比べれば、一人が二台ずつ持っている計算)だというのです。

そう思ってニュースを見ていると、NTTドコモがネット中核のグループ会社、NTTレゾナントに多額出資していたり、データ通信を主力と位置付けているイー・アクセスに勢いのある発言が伺えたりと、確かに日本でもネットと携帯の連動サービスを強化する動きが強まっていることを感じます。

これから先も超ハイペースで発展し続ける通信業界に期待です!

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

株式・資産形成講座
一戸

| 配信停止 | お問い合わせ | 個人情報保護方針 |

copyright(C)BUSINESS BREAKTHROUGH Inc. All Rights Reserved.

資産形成について少しでも知識を高めたい方はまずは無料講義体験へ。

  • 無料講義体験
  • 講座申込み