「Case-Shiller指数先物(投資家)」を活用し、将来の地価変動を読むことは可能か!?
Case-Shiller指数には、発表値のほかに、実は、「Case-Shiller指数先物(投資家)」があるということが判りました。
私も追いかけ始めてまだ1カ月少々なのですが、実はケース・シラー氏自身が、「いや先物があるから、ある程度は先の動きが判るんだよ」と教えて下さったのです。
このCase-Shiller指数は、シカゴ・マーカンタイル取引所のホームページに掲載されています。自宅からでも閲覧可能ですから、ぜひチェックしていただきたいですね。
そこで皆さんが気になるのは、「このデータの信憑性がどのくらいあるのか?」だと思います。
実は「出来高」がすごく多いのです。例えば現在は、8月物、11月物が中心ですが、出来高は毎日1万件以上あります。日経平均の先物がおよそ1万くらいですから、それと比べても"今はかなり人気があって流動性も高い"と言えると思います。
●米国の地価下落のボトムは今年8月、その後、地価は上向きに転じる!?
さて来年の1月に向けて、アメリカの地価はまだ下がり続けるでしょう。そこで一旦リバウンドしますが、これは実は揉むだけです。上向きにはならないものの、とりあえず「下げは止まるという状況になる」と予測されています。
2週間前に発売された『ウォールストリート・ジャーナル』紙の一面に掲載された記事で、同紙の記者が、世界一大きい不動産会社ラザール社のジェイコブソン会長に対して「米国の地価下落はどこで止まるのか?」と質問しています。
ジェイコブソン会長の答えは「来年の1月だろう」ということでした。
またケース・シラー氏に伺ったところ、Case-Shiller指数先物でいちばん売買を行っているのは不動産業者だそうです。日本でいえば三菱地所や三井不動産などが、これをいちばん持っています。
従ってここで掲げたグラフは、不動産のプロの英知を結集しているのであり、「インサイドの方々の意見が反映されているのだ」と考えていいでしょう。
さらに4月分の最新データにもとづいた変化率を表したグラフを見てみると...。
「8月がボトムで、データ発表時から4カ月後には米国の地価下落の最悪な時期は終わる」と不動産のプロたちは考えているのだと言えるでしょう。
●地価下落のボトムは前倒しになるのか、それとも12月までズレ込む最悪なシナリオなのか!?
ただし、これはプロたちの予想であって、あと半年以上、つまり今年10月以降も地価の下落が最悪化したらアウトです。
グラフのボトムが右にズレ続けて、それが12月までズレたらアウトです。
ど~んと地価が下がり、それから株価が下がり、最悪な事態が起こりかねません。
それは誰にも予想できませんから、みなさんには、Case-Shiller指数先物を参考にして「ボトムが前倒しになるのか、ズレ込むのか」を判断していただきたいと思っています。
前倒しになるなら、アメリカの景気の回復は早いでしょう。
しかしボトムがズレ込み、12月を振り切って「下落が続く」という場合には、「すべてのシナリオがどんどん崩れていく」「株価の上昇もできなくなってくる」ということです。
実は、先月は左に振れました。
意外ですが、「地価下落のボトムが早まる」という見方が足元から出てきています。
問題は「それが続くか否か」なのです。
ボトムが早まるならば、株価上昇が見えてくるので、我々からすればありがたい。もし株価の上昇があるのならば、短期のリバウンドを"大事に、大事に"取っておく必要があるでしょう。
逆にボトムが右にズレ込むならば、地価の下落は「まだまだ続く」ということです。
こうした状況を的確に読み、正しい判断を下すためにも、毎月1回は、Case-Shiller指数を見ていただきたいと思います。
Case-Shiller指数が発表される最終火曜日の前週くらいから揺れますので、どっちに振れるか、ぜひともチェックして下さい。
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