Case-Shiller指数先物でわかる地価の未来予測|株式・資産形成講座メルマガ

  2008/8/6(水)  
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Case-Shiller指数先物でわかる地価の未来予測

「Case-Shiller指数先物(投資家)」を活用し、将来の地価変動を読むことは可能か!?

Case-Shiller指数には、発表値のほかに、実は、「Case-Shiller指数先物(投資家)」があるということが判りました。

私も追いかけ始めてまだ1カ月少々なのですが、実はケース・シラー氏自身が、「いや先物があるから、ある程度は先の動きが判るんだよ」と教えて下さったのです。 このCase-Shiller指数は、シカゴ・マーカンタイル取引所のホームページに掲載されています。自宅からでも閲覧可能ですから、ぜひチェックしていただきたいですね。

そこで皆さんが気になるのは、「このデータの信憑性がどのくらいあるのか?」だと思います。

実は「出来高」がすごく多いのです。例えば現在は、8月物、11月物が中心ですが、出来高は毎日1万件以上あります。日経平均の先物がおよそ1万くらいですから、それと比べても"今はかなり人気があって流動性も高い"と言えると思います。


●米国の地価下落のボトムは今年8月、その後、地価は上向きに転じる!?

さて来年の1月に向けて、アメリカの地価はまだ下がり続けるでしょう。そこで一旦リバウンドしますが、これは実は揉むだけです。上向きにはならないものの、とりあえず「下げは止まるという状況になる」と予測されています。


2週間前に発売された『ウォールストリート・ジャーナル』紙の一面に掲載された記事で、同紙の記者が、世界一大きい不動産会社ラザール社のジェイコブソン会長に対して「米国の地価下落はどこで止まるのか?」と質問しています。  ジェイコブソン会長の答えは「来年の1月だろう」ということでした。

またケース・シラー氏に伺ったところ、Case-Shiller指数先物でいちばん売買を行っているのは不動産業者だそうです。日本でいえば三菱地所や三井不動産などが、これをいちばん持っています。

従ってここで掲げたグラフは、不動産のプロの英知を結集しているのであり、「インサイドの方々の意見が反映されているのだ」と考えていいでしょう。  

さらに4月分の最新データにもとづいた変化率を表したグラフを見てみると...。



「8月がボトムで、データ発表時から4カ月後には米国の地価下落の最悪な時期は終わる」と不動産のプロたちは考えているのだと言えるでしょう。


●地価下落のボトムは前倒しになるのか、それとも12月までズレ込む最悪なシナリオなのか!?

ただし、これはプロたちの予想であって、あと半年以上、つまり今年10月以降も地価の下落が最悪化したらアウトです。  グラフのボトムが右にズレ続けて、それが12月までズレたらアウトです。 ど~んと地価が下がり、それから株価が下がり、最悪な事態が起こりかねません。

それは誰にも予想できませんから、みなさんには、Case-Shiller指数先物を参考にして「ボトムが前倒しになるのか、ズレ込むのか」を判断していただきたいと思っています。  前倒しになるなら、アメリカの景気の回復は早いでしょう。  しかしボトムがズレ込み、12月を振り切って「下落が続く」という場合には、「すべてのシナリオがどんどん崩れていく」「株価の上昇もできなくなってくる」ということです。

実は、先月は左に振れました。 意外ですが、「地価下落のボトムが早まる」という見方が足元から出てきています。  問題は「それが続くか否か」なのです。 ボトムが早まるならば、株価上昇が見えてくるので、我々からすればありがたい。もし株価の上昇があるのならば、短期のリバウンドを"大事に、大事に"取っておく必要があるでしょう。 逆にボトムが右にズレ込むならば、地価の下落は「まだまだ続く」ということです。

こうした状況を的確に読み、正しい判断を下すためにも、毎月1回は、Case-Shiller指数を見ていただきたいと思います。 Case-Shiller指数が発表される最終火曜日の前週くらいから揺れますので、どっちに振れるか、ぜひともチェックして下さい。

講師紹介
大前研一
リーマン・ブラザーズ証券株式会社
株式調査部 シニアヴァイスプレジデント チーフストラテジスト
宮島秀直

7月17日放送
「金融リアルタイムライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第56回 『物価対策は「金融政策で」と言われているが・・・』

このところの原油価格の高騰(一時期よりも下がってはいますが・・・)によって、各国とも「インフレ」になりつつあります。

ただし、経済学的に「インフレ(-ション)」という場合には、「一般物価の継続的な上昇」を指します。

ここで「一般物価」とは、貨幣量に対するモノの「相対(ソウタイ)価格」を指します。つまり、「モノ」はすべて「おカネ」と交換されることから、おカネの量が多くなれば、その分、おカネ1単位当たりの「モノの価値」が高くなり(逆は逆)、その結果として、全てのモノの価格が(理論的には)一律に高くなります。これが継続的に続くような状態を「インフレ」と言うことになっています。

では、「何故、このような状態が起こるのか?」というと、景気に対する人々の期待がプラス方向にある時、「おカネを借りて事業を行いたい」という主体が増加することになるために起こると考えられています。

つまり、今後景気が「良くなる」というのであれば、設備投資などを行い、収益機会を増加させたいと考えることになります。それゆえ、資金需要が高まので、その需要に対して銀行が信用創造して、おカネを増加させることになり、社会的に「おカネの量」が増加することになります。

このような「おカネの量の増加」は景気が上向きの状態においては、常に、起こるので、おカネ1単位当たりの「モノの価値」は継続的に高くなります。これが「インフレ」といわれる状態です。

これに対して「ある特定のモノ」だけが高くなる場合、これは一般に、他のモノと代替できるので、「すべてのモノ」が高くなることにつながることが少ないため、経済学的な意味における「インフレにはならない」と考えられています。

では、「現在の状態は?」というと、現在の「モノの価格上昇」の直接的な原因は、「おカネの量が増加した」ということによるものではなく、「原油価格が上昇した」ことによります。

その意味では、経済学的にいう「インフレ」ではなく、しかも、原油価格の上昇が「景気過熱」に起因するものでないため、一般に言われるような意味での「インフレ」とも違うことになります(コストが高くなって起こる「コスト・プッシュ・インフレ」の場合も「景気が良い」ことが原因であり、現状とは「起こるメカニズム」において違っています)。

つまり、このような状態を「スタグフレーション」ということになっていますが、このような状態になると、一国の経済政策(財政政策&金融政策)では対処できないことになります。

しかも、このような状態になった、そもそもの原因は「サブプライム問題」であり、金融機関の「流動性危機」にも関係しているので、金融政策自体が「金融秩序の維持」にのみ重点を置かざるを得なくなっています。

したがって、ここは金融政策ではなく、政治的な対策というものが重要になるのです。

物価問題なので、どうしても「金融政策」に目が行くのですが、現状において金融政策はほとんど無効(「金融秩序」を維持するためだけに機能するだけ)なので、政治的な事柄、特に「国際的な協力」に関する事項に注意を払うことが、このような時期には大切になります。

講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
著書:「銀行システムの仕組みと理論」大学教育出版
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第62号、いかがでしたでしょうか。

先週末、直接受講生の方とお話しする機会があり、運用状況についてお伺いしたところ一人の方からこんな答えが返ってきました。

「私は講座の入門編で作ったライフプランシートを毎年見直しています。今の日本は低賃金、物価高、年金支給不安などライフプランの見直しを迫られる事ばかりですが、毎年見直しをすることによって子供の学費や変動金利で購入したマンションのローン返済など、突然の大きな資産不足に驚いたり、実際に借金を抱えることを回避出来ているとつくづく感じています」

この言葉を聞き、私も早速去年立てたライフプランを見直したのですが、支出に年1パーセントの物価上昇を織り込んだだけで、余裕を一切見ていなかった私のそれはマイナス基調に早変わりしてしまいました。。

でも確かに、未来の問題が「今予測できた」わけですから、ライフプラン作成による危険回避効果は大だと私も実感しました。

あと1つお知らせなのですが、来週のメルマガはお盆休みとさせていただきます。

"再"来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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