2050年、中国のGDPは日本の10倍に!? 一方で懸念されるバブル崩壊|株式・資産形成講座メルマガ

  2010/12/22(水)  
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2050年、中国のGDPは日本の10倍に!? 一方で懸念されるバブル崩壊

インド、ブラジルがインフレ懸念で金融引き締め

インド政府は先月30日、今年7~9月期の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比で8.9%だったと発表しました。産業別では製造業・ホテル・輸送などが好調で、2007年10~12月期(9.7%)以来の高成長となったとのことです。

今インドには世界中から資金が集まりすぎて、インフレになるのではないかと心配されています。名目GDPの将来推計によると、2020年の時点では日本が約6兆ドル、インドが約3兆ドルとなっており、まだ日本が上回っている見込みのようです。



ただし、この計算の根拠としているのは「現時点でのドルとの交換レート」ですから、将来ルピーの値段が跳ね上がった場合には2020年の時点で日本のGDPを上回っている可能性もあるでしょう。私としては2025年くらいではないかと見込んでいます。

また、ブラジルにもインドと同様、国内に資金が入り込み過ぎており、インフレの懸念があります。過去にブラジルはインフレで苦労した経験があるだけに、いち早く対応し、すでに引き締めを行うことを決定しています。

ブラジル中央銀行では3日、預金準備率の引き上げを柱とする金融引き締め策を発表しました。旺盛な個人消費を背景に、銀行融資やクレジットカード利用額などが拡大傾向にあることから「バブル発生のリスクを減らす」狙いで、預金準備率の引き上げだけで610億レアル(約3兆円)の資金を市場から吸収する方針とのことです。


●中国はハードランディングの可能性アリ

今年、日本をGDPで追い抜いた中国ですが、今後日本との差をますます広げていくでしょう。中国が2006年から15年までの平均成長率で成長すると仮定した場合、2020年の中国のGDPは約15兆ドル~16兆ドルと予想されています。おおよそ日本の2.5倍くらいです。このまま一本調子で中国のGDPが拡大し続けられるのかは分かりませんが、上手く行けば2050年には日本のGDPの10倍に成長するだろうと私は予想しています。

そんな中国にも金融引き締めの動きが見られます。中国共産党は3日、2011年の金融政策について約2年ぶりに緩和路線を転換し、引き締め方向に軸足を置くことを決めました。インフレや不動産バブルの懸念を抑えるのが狙いとのことです。

リーマン・ショック後のG20で米国から「国内需要でけん引して欲しい」と要望を受けてから中国は一気に内需転換を図りました。結果として大胆な金融緩和を行いましたが、さすがに「緩み過ぎ」の印象があります。インドやブラジルと同様、国内に資金が溢れかえりインフレ傾向が見え始めたため、それを抑えようという動きが活発化しています。

そして中国でインフレをヘッジ出来るのは「金」だというのが共通認識になっています。国内の不動産が危ういとなった場合、海外不動産に移すという手も考えられますが、これは出来る人が限られてしまいます。ゆえに、取り敢えずは「金」を買っておく人たちが増加しています。今の時点で前年比5倍以上、200トン以上の「金」が買われています。

中国のCPI上昇率(物価指数)を見るとまだ4%~5%という水準ですが、実経済に対する「体感」としては違うようです。先日、私が中国の経済学者から聞いたところでは「実感値としては30%くらいある。統計は当てにならない」と言っていました。



世界全体の動きとして、「先進国は緩和」「新興国は引き締め」という動きを見せていますが、中でも中国の引き締めは「ハードランディング」につながる可能性があると私は見ています。これまでの緩和路線が強かっただけに、少し引き締めただけで中国は欧米や日本が体験した「バブル崩壊」と同じパターンに陥ってしまうかも知れません。

ブラジルなどはまだ安全だと思いますが、中国が「冷えすぎ」に陥ってしまうのかどうか注意して見ていきたいと思います。


講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学大学院 学長
大前研一

12月5日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。

編集後記
 編集後記
事務局 一戸
グローバルマネー・ジャーナル第175号、いかがでしたでしょうか。

早いもので、今回が2010年最後のメルマガとなりました。

振り返ってみると今年の市場経済は、特に年後半の動きが特徴的だったように思います。

為替は一層のドル安、ユーロ安、そして相対的な円高となり、金は「いい加減天井だ」と言われながらも1400ドルを更新。

一方日本の株価は昇降状態が続いていますが、そんな中でも業績を上げていくことのできる企業に年初来高値や新高値がつき、注目が集まったように感じました。


東証では今年も、恒例大納会を前にセミナーや親子経済教室などが開かれる模様。

年末お時間のある、お子さんをお持ちの方は連休の一日くらい、ご家族で投資教育に勤しまれるのも良いかもしれません。

グローバルマネー・ジャーナル、次回は年明け1月12日にお送りいたします。

皆さま良いお年をお迎えください。    

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