自国債券が売られ、外債購入に転じる国、日本の将来はいかに|株式・資産形成講座メルマガ

  2011/1/26(水)  
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自国債券が売られ、外債購入に転じる国、日本の将来はいかに

国債の金利上昇は非常に危険な徴候

政府は先月24日、2011年度予算案を決定しました。これは新成長戦略と雇用対策のための予算措置に力点を置いたもので、一般会計の総額は2010年度当初予算比1124億円増加の92兆4116億円と過去最大に膨らみました。一方、財務省が同日発表した2011年度の国債発行計画によると、新規国債、借換債、財投債を合わせた国債発行総額は過去最大の169兆5943億円となったことが分かりました。

一般会計における税収、歳出、公債発行額の推移を見ると、90年からの20年間で税収は約60兆円から40兆円を割り込むほどに落ち込んでいる一方、歳出は約60兆円から90兆円を超えて膨らんでいます。税収が減り歳出が増え、そのギャップは広がる一方です。それを埋めるために必死になって公債を発行しているという状態です。



そしてついにこの2年間は、公債発行額が税収を上回るという事態に陥っています。民主党政権の言うとおりに政策を進めても、結局はこんな始末になってしまうのですから何とも情けない限りです。

今後も税収が下がり続けていけば、「なぜあんなに公債を発行したのか」と市場から咎められる日が近い将来訪れるかも知れません。

そんな先の暗い将来を見越しているのか、大手銀行は沈む船から逃げるネズミの如く急激に公社債を売り始めています。大手銀行の公社債売買状況によると、2010年夏ごろから売り越しに転じ、2010年8月~10月では月間5兆円規模で売り越しています。



国債を売る動きが続き、国債を購入してくれる人が少なくなってしまうと、金利を高く設定せざるを得ない状況になってきます。今、ジリジリと国債の金利が上昇しつつありますが、私は非常に危険な徴候と判断するべきだと見ています。


●日本国債を売る、その代わりに外国債を購入している

財務省が今月12日発表した2010年の対内・対外証券投資によると、国内投資家の外国債券買越額(短期債を除く)は21兆9428億円に上り、比較可能な05年以降で最大規模になりました。企業の資金需要が低迷するなか、邦銀が日本国債に加え、米国債など低リスクの債券に資金を振り向ける傾向が強まったと見られています。

これは、日本の大手銀行が国債を売りに転じているという動きと完全に符号します。日本の国債を売り越し、逆に外国債を買い越し始めているのです。短期債を除く対外証券投資の状況を見ると、2010年の春先から夏ごろまで月間で3兆円~5兆円の買い越しが続いています。



短期債である株式の場合にはこのような傾向は見られませんが、大まかに言って、中長期の債権に関しては「日本国債を売り、外国債を買う」という傾向が見えてきます。


講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学大学院 学長
大前研一

1月16日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。

編集後記
 編集後記
事務局 一戸
グローバルマネー・ジャーナル第178号、いかがでしたでしょうか。

投資家人口が年々増えているという記事を最近見ました。

記憶に新しいところでは、リーマンショック直後に下がり過ぎた株価の戻りを期待して、証券口座開設数が通常の月の何倍にも増えたことや、第一生命の上場に伴ってにわかに株を貰って投資家となった方が大勢生まれたことなどが頭に浮かびましたが、そんなことも手伝ってか、最近はリアルでもインターネットでも、実に様々なセミナーや勉強会が開かれていると感じます。

そんな中、先日行ったとある勉強会で、投資を始めたばかりだという方と意見交換した際に、「どんな業種の株に注目されていますか」と聞かれる場面があり、私は今話題の業種の他、「自分の趣味に関連する製造業や、職業などを通じて詳しい分野の株を意識して見ています」と答えました。

企業のIRが出た際に、その内容が結構専門的であることもしばしば。その意味や影響をいち早く理解するのに、興味分野であることが役立った経験があったからです。

目下私の興味はSIMロック解除が目前に迫ったスマートフォン市場。さて、皆さんはいかがでしょうか。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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