編集部posts 2020年12月16日

【MBA・ビジネス用語】入門編:技術経営(MOT)とは? 持続的・効率的に経済的価値を生み出せる人材になるには

【MBA・ビジネス用語】入門編:技術経営(MOT)とは? 持続的・効率的に経済的価値を生み出せる人材になるには


執筆:mbaSwitch編集部

技術力の活用による最適な新規事業化につながる「技術経営(MOT)」は、変化の時代である現代に求められている経営手法です。

本記事では技術経営の概要と、注目される背景や導入のメリットについてご紹介します。


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1.技術経営(MOT)とは?

技術経営(MOT)とは?
技術経営(MOT)とは、一言で言うと、「技術力を活用したマネジメント」です。

経営者視点から企業が有する技術的知識を管理・活用し、技術力をもとに事業化することで持続的かつ効率的に経済的価値を生み出す経営手法を指します。

「技術版MBA」とも呼ばれ、「Technology Management」、「Engineering Management」、「Technology Innovation Management」などと表されることもあります。

2.技術経営はなぜ注目されているのか

技術経営はなぜ注目されているのか
では、なぜこのような概念が今注目されているのでしょうか。

技術経営への注目は、コモディティ化による「市場の変動」で、日本がこれまで得意としてきた「技術力」の価値が変化したことに起因します。

かつて日本は「ものづくり大国」と呼ばれるほど高い技術力を誇っており、製造業は日本の国際競争力を牽引していました。

日本の発展を支えたのは、その高い技術力を活かして欧米の革新的な製品を追随し、低コストで高性能な製品を作ることで経済的付加価値を創出する「キャッチアップ型」のビジネスモデルです。

しかし現在は、AIやIoTといったデジタル化やグローバル化の拡大により、市場や経済は大きな変革を迎えています。以前まで高い市場価値を保っていた日本の技術製品も、差別化が難しくなり一般的な製品だと認知されていくことで、市場価値が低下してしまいます。

こうした「コモディティ化」と呼ばれる現象が起こることで、高度な技術力を活かした製品化による持続的な経済的価値の創出が困難になってきています。

市場の変化から読み取れるように、いかに高い技術力を持っていても、適切に活用できなければ市場に生き残ることはできません。

デジタル化・グローバル化における市場の急速な変化に対応するためには、技術知識を適切に活用しながら製品・事業化することで、短期的なイノベーションと持続する経済価値を創出していくことが求められます。

このような技術的知識と、高い技術力を適切に活かす経営管理の両軸を結びつけたのが「技術経営(MOT)」であり、現在この能力を持ち合わせたMOT人材の需要は高まっています。

3.技術経営導入の効果やメリット

技術経営導入の効果やメリット
製品・事業化の過程においては、注意すべき「3つの関門」という概念が存在しますが、技術経営を導入することで各関門への対処が可能です。

3つの関門とは、「魔の川」、「死の谷」、「ダーウィンの海」と呼ばれるものです。以下順を追って説明します。

1つ目の関門:魔の川(Devil River)

魔の川とは、基となる研究から、製品化を目標にした開発に至るまでの関門です。
単発の研究で終わって水の泡になることがないように、技術やノウハウを起点として市場の需要を読み解きつつ、具体的に製品像を考案していくことが求められます。

2つ目の関門:死の谷(Valley of Death)

死の谷とは、開発から事業化の段階に進むまでの関門です。

生産・製造・流通経路の拡充には、それまでの研究開発に比べて膨大な資金を必要とするため、ここでの失敗は深い谷のように例えられています。事業化して行くためには、経営資源(ヒト・モノ・カネ)の適切な配分が必要とされます。

3つ目の関門:ダーウィンの海(Darwinian Sea)

ダーウィンの海とは、事業化してから市場での競争を乗り越え産業化していくまでの関門です。

市場における他社との競争を、生物の進化における自然淘汰に例え、このように表現されています。

市場で生き残り、最終的にプロジェクトを成功させるためには、事業の弱み・強みを理解し、競争において優位な地位を確立するための施策を打っていくことが求められます。

新規事業を成功に導くのは、その過程である3つの関門からもわかる通り、困難さを極めます。

技術経営の導入は、3つの関門のような不確実性の高い新規事業を成功へ導くために役立ちます。

まず、研究開発過程の適切なマネジメントが行えるようになることで、研究開発の効率性を高め、より低リスクで迅速な研究に繋がります。

また、研究開発部門と知財部門、教育機関などの外部機関との連携性を高めていく戦略を立てることで、経営資源の配分の効率化も期待できます。

このほか、技術経営の重要なスキルには、高い技術シーズを活かし、市場のニーズに結びつけ事業化を目指す包括的な戦略を立てていけることなどがあります。

技術経営のスキルを高めていくことで、結果として新規事業の過程の短期化と、その成功率・収益性を高めていけることができます。

4.技術経営の成功事例

技術経営の成功事例
これまで説明してきた技術経営の観点から見て成功している企業は、日本にも数多く存在します。

近年でも、ニッチ分野において、技術力を活かしつつ適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築いている企業として、経済産業省から「グローバルニッチトップ企業100選」が発表されました。


2014年、2020年の2回にわたって公表されているグローバルニッチトップ企業100選で、2回連続で選出されている企業の一つに、「オプテックス株式会社」という企業があります。

オプテックスは、世界で初めて遠赤外線の自動ドアセンサーを開発し、グローバルニッチトップの製品やサービスを展開してきた会社です。

それまで軍事技術であった赤外線センサーを民間仕様に転換し、自動ドアセンサーに導入したことで、それまでの接触型自動ドアとの優位性を確立して販売を伸ばし、その後も独自のセンシング技術をコア技術として数々のイノベーションを創出している企業です。

この事業展開から、センシング技術という既存技術をもとにイノベーションを起こし、新たな事業の創出と技術力を最適化する経営管理を行った技術経営の姿勢を学ぶことができます。

5.これからの時代に求められる人材になるには

これからの時代に求められる人材になるには
変化が激しいVUCA時代といわれる昨今、コロナウイルスの流行による変革が生じたことで、イノベーションを起こし、かつ持続的な経済価値を創出していく人材の必要性が増しています。

これからの時代に求められる人材になるためには、MOT人材のような戦略的な技術マネジメントができることも重要であるといえます。

市場のニーズを鋭く読み解く力、市場に合った技術で事業に導く戦略考案力、アイデアに紐づく資源活用などの行動力等のスキルを核とした技術経営の考え方を学ぶことは、今後の時代に求められる人材に近づく方法の一つです。

6.100%オンラインでMBAが取得できるBBT大学院とは?

100%オンラインでMBAが取得できるBBT大学院とは?
これまで紹介してきた「技術経営」は、高い技術力を持ち合わせ、かつその活用と新規事業・産業化までの導線をメインとしたマネジメント方法ですが、なかでも事業・産業化において最大限発揮される経営学全般の知識の学習ができる方法としては「MBA(Master of Administration)」が挙げられます。

MBAとは経営学/経営管理学の修士学位であり、企業経営に必要な知識とスキルを体系的に学ぶことのできるものとして、多くの経営者に支持されています。

MBAは、経営大学院で取得できます。

経営大学院では、ビジネス環境を読み解く本分析にも共通する経営資源の3要素となる、ヒト(組織行動・人材マネジメント)、モノ(マーケティング・経営戦略・オペレーション)、カネ(アカウンティング・ファイナンス)を中心に学習します。

知識だけでなく、論理的な思考法や問題解決スキルの活用法も身につけることができます。

経営大学院での学習方法として、海外の経営大学院への留学、国内の大学院への通学といった選択があります。

しかし、仕事のリモート化が進んでいるとはいえ、現在の仕事を続けながら国内の大学院で学習するのは困難です。

そこで、仕事を続けながらも自分の時間で学習できる第三の選択肢として、「オンラインMBA」がおすすめです。

本校ビジネス・ブレークスルー大学大学院(以下、BBT大学院)は、経営に必要なスキルを学ぶカリキュラムを全てオンラインで履修できる大学院です。

BBT大学院の大きな特徴を3つご紹介します。

自分で決めた時間で効率的に学習できる

いつでもどこでも学習を進めることができるBBT大学院の授業形式は、仕事と学習の両立においては肝といえる特徴だといえます。

BBT大学院のオンライン学習プラットフォームである「AirCampus(R)」では、オンデマンド形式の講義によるインプットから、テキストディスカッションや課題提出などのアウトプットまで、全てオンラインでできるような環境が整っています。

仕事の休憩時間や通勤などのスキマ時間に講義を視聴できることに加え、十分な情報収集と思考の時間を確保しつつ議論できるなど、各自のペースでインプットとアウトプットを重ねることが可能です。

ビジネスに活用できるスキルを身につけることができる

BBT大学院では、ビジネスにおける実践的なスキルの習得を一人ひとりが目指せるように、独自のケースメソッド「RTOCS(アールトックス)」を導入しています。

従来のケーススタディでは、すでに解決されている過去のケースを扱っていることがほとんどです。

一方、RTOCSでは、現在進行形で起こっているビジネス事例に対して、経営者としてどのような戦略を立てるかについて、短期間で情報収集と分析を行い、その解決策を発表するプログラムです。

このように実践型プログラムであるRTOCSを通じて、適切な情報収集・分析力と、答えのない課題に対して自分なりに論理的に仮定し対処する問題解決能力を身につけることができます。

個別のサポートにより学習が継続できる

BBT大学院では、オンライン学習でも継続しやすいサポートが充実しており、大学院の修了率は85%です。

一人ひとりの学生に対して、教員スタッフやTA(ティーチング・アシスタント)が親身にサポートし、学習の進捗状況の確認や学習に対するアドバイスをしてくれるため、オンライン学習で困難な自己管理もしやすいのが特徴です。

7.持続的な経済価値の提供ができる人材になるために、まずは説明会に申し込もう!

持続的な経済価値の提供ができる人材になるために、まずは説明会に申し込もう!
新しい価値や技術が短いスパンで生まれる変化の時代において、最適な事業・産業化につながる経営管理ができる人材になるために、BBT大学で学んでみませんか?

BBT大学院では、定期的に説明会を開催しています。オンライン説明会なので、BBT大学院について詳しく知りたいという方も気軽に参加できます。疑問点や不安、質問に答えられるように少人数制で説明会が開催されており、個別相談も行っています。

まずはオンライン説明会にて、ご相談お待ちしております!