政府から見れば結局株式投資に回るので、株が上がり景気が良くなり、アベノミクスの評価につながるので歓迎でしょう。しかし、このETFの増え方は異常です。取引状況を見るとすごい勢いで増えているのが分かります。当然、株が下がれば投資家が逃げていくということになります。最近は10,000円を割る水準から18,000円近くまで株が上昇しているので投資をするのは良い事ですが、もう少し個々の会社まで興味を持って投資してくれるとありがたいと思います。
また、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が先月22日に公表した9月から10月の運用委員会の議事要旨によりますと、10月末に決定した新たな資産構成を過去10年間に当てはめると、リーマンショックがあった2008年度は30兆円の赤字、実績は9兆円の赤字になることがわかりました。
過去に当てはめてシミュレーションをしてみると、年金は1割以上落ちると言うことです。ただ長い目で見た場合には株式市場は伸びるという肯定派もいます。それはもちろんアメリカでは言えることです。しかし日本の場合には、このような人口減社会において、同じようにいくかというところは疑問です。
ポートフォリオを見ると、ここで政府は大幅に国内債券の運用をシフトし、国内株、外国株、外国債券の運用に変更してしまったわけです。これは一方で、国内債券に対する自信がなくなったと言うことでもあります。国内債券が下落した場合、株式も水準を保てません。このような運用そのものに問題があるのです。国内債券が暴落するかもしれない、国債デフォルトに繋がるかもしれないような増税繰延をし、無駄削減をやらずにいる政府は、たまたま2015年度は税収が少し増えると言われているので呑気にしていますが、このポートフォリオにしたところでリスクは大きく変わらないだろうと思います。
|