原油価格の下落が止まらない。需給要因では供給過剰であることは以前から同じであるが、近年米国のシェールオイルとカナダのオイルサンド、及び、ブラジル等での深海油田が増産を始め、急激に供給が増え始めているのに対し、需要は石油需要の半分を占める輸送分野の伸びが頼みであるが、新興諸国の経済成長に翳りが見えることから、原油が激しく売られることになった。
石油輸出国機構(OPEC)が毎月発行しているOil Market Report12月号によれば、2014年の世界の原油需要は前年比+93万バレル増の日量9,113万バレルであるが、非OPEC諸国からの供給量は前年比+190万バレルの日量6,178万バレル、需要量から非OPEC諸国の生産量を差し引くと2,935万バレルが、OPEC諸国が生産すべき量である。しかし、実際の11月のOPECの生産量は日量3,005万バレルであり、11月時点で日量+70万バレルの供給過剰であり、OPECの生産量がこのままなら、来年は+113万バレルの供給過剰となる。
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