2014/12/24(水)「原油安とルーブル安を分析する(近藤雅世)」資産形成力養成講座

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原油安とルーブル安を分析する(近藤雅世)

原油価格の下落は需給が短期でも中長期でも緩んでいるからだ

 

 原油価格の下落が止まらない。需給要因では供給過剰であることは以前から同じであるが、近年米国のシェールオイルとカナダのオイルサンド、及び、ブラジル等での深海油田が増産を始め、急激に供給が増え始めているのに対し、需要は石油需要の半分を占める輸送分野の伸びが頼みであるが、新興諸国の経済成長に翳りが見えることから、原油が激しく売られることになった。

 石油輸出国機構(OPEC)が毎月発行しているOil Market Report12月号によれば、2014年の世界の原油需要は前年比+93万バレル増の日量9,113万バレルであるが、非OPEC諸国からの供給量は前年比+190万バレルの日量6,178万バレル、需要量から非OPEC諸国の生産量を差し引くと2,935万バレルが、OPEC諸国が生産すべき量である。しかし、実際の11月のOPECの生産量は日量3,005万バレルであり、11月時点で日量+70万バレルの供給過剰であり、OPECの生産量がこのままなら、来年は+113万バレルの供給過剰となる。

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 EIAは12月10日に発行した短期予測12月号において2015年のWTI原油価格は平均63ドルと予測している。ただ、直近の原油価格の急落は、サウジアラビアのOPEC総会における減産見送りがきっかけとなっているが、OPEC諸国の財政に火が付けば、いつまでも減産を先延ばしすることはできないだろう。サウジアラビアの減産をほのめかす発言等で、近い将来原油価格は短期的には反転上昇すると予想する。

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 穀物や金などの売り残は10月以降解消されているが、原油の場合は、売り残が過去最高の水準まで貯まったままである。ファンドのNY原油に対するネット買い残は既に12月12日の週までの3週間、増加に転じているが、一方で、売り残も増加している。何かのきっかけで売り残の一部が解消されれば、雪崩を打って買戻しが始まると思われる。しかし、短期的な揺り戻しはあるとしても、中長期的な原油価格は低迷すると思われる。上記のように、需要は代替燃料の開発により伸び悩み、生産も簡単には減らないと思われるためだ。


ルーブル下落が産んだ商品への影響

 

 原油価格の下落により、ロシアの通貨ルーブルや株価が下落している。シティグループのグローバル・コモディティー・リサーチによれば、ロシアは、原油・ガスの輸出が全輸出額の70%を占めており、政府歳入の50%以上を占めているという。ロシアの原油の60%以上はコストの高いシベリア産であり、原油価格の下落は、世界最大の原油輸出国であるサウジアラビア以上にロシアにとって打撃となるという。

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 カリフォルニア大学デービス校のエネルギーおよびサステナビリティーのエグゼクティブ・ディレクターであるエイミー・ジャッフェ氏は、ロシア政府の収支均衡のためには2020年まで原油価格が100ドル以上であることが必要であるという。U.S. Energy Information Administration(EIA)によれば、ロシアは原油資源の枯渇にも見舞われており、2015年は▲5万バレルの減産となるため、価格下落と数量の減少により、天然ガスをいかに多くの国に売るかという戦略を強化せざるを得なくなるという。そのため、ロシアは中国や極東地域に急接近しつつある。  ロシアルーブルの急落は、産油国がいかに原油価格下落に弱いかを見せつけている。イランやベネズエラも50ドル台の原油価格が続けば大きな財政赤字に陥る。それはオイルマネー還流の停滞となって、先進国にも影響を与えるだろう。米国の石油開発企業の株価や債券価格が下落すれば、再び金融不安が生じる恐れもある。また、太陽熱や風力、エタノール等のバイオエネルギー産業も原油価格下落の影響を受けるだろう。エネルギー価格の低下はバランスしていた経済の均衡を変化させる。

 また、ルーブルの急落を見て、NY金価格は少し値下がった。それはロシア中央銀行が外貨準備として毎月購入していた金を、通貨防衛のために売却するのではないかと噂されたためである。しかし、12月19日ロシア中央銀行は、11月には金を売却するどころか、60万オンス(約18.7トン)の金を購入していたことを明らかにした。

 さらにルーブル安の影響は、シカゴ小麦価格の急騰を引き起こした。それは、通貨安により、ロシアからの農産物の輸出が急増すると思われ、ロシア政府は国内需要を満たすために、急遽小麦等穀物を二度にわたり買い上げた。これを見た市場は、ロシア政府は小麦等の穀物を輸出規制するのではないかと噂し、小麦価格が急騰し、トウモロコシが追随した。大豆は旧ソ連邦ではあまり生産されていないので、影響はなかった。

 昨年から今年にかけては、世界の株価が上昇した年だと規定できる。2013年1月初めから比べると、12月22日の価格は、日経平均株価+65%、S&P500+41.7%、インドセンセックス+40%、ドイツDAX+26.9%、ベトナムVNI+26.2%、台湾加権+16.5%、ジャカルタ総合指数+16.2%、上海B株+15%、豪州オールオーディナリーズ+14.2%、フランスCAC+14.1%、タイSETI+8.5%、英国FTSE+8%、シンガポールFTSTI+3.3%、マレ-シアKLSE+3.0%と大半の株価が上昇している。下落したのはロシアロイター▲48.5%、ブラジルボベスパ▲19.8%、韓国▲3.4%である。21市場中18市場が上昇している。

 一方この二年間で、商品は33銘柄の中で、値上がった銘柄はパラジウム、コーヒー、プラチナ、粗糖等7銘柄に過ぎず、残り26銘柄は昨年から下落している。この状況から来年を予測すると、高くなった株価に更に投資する資金は少なくなり、投資家は他の割安な資産を物色するであろう。その中には下落している商品が、投資の対象として見直される可能性がある。高くなったものは売られ、安いものが買われるが世の常である。2015年はそろそろ商品の時代が復活するのではなかろうか。


講師紹介

近藤 雅世

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長

近藤 雅世

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資産形成力養成講座 加藤

 

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