2012/07/02(月)「金価格の動向と上昇を続ける穀物価格(近藤雅世)」資産形成力養成講座

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金価格の動向と上昇を続ける穀物価格(近藤雅世)

ユーロ問題と金価格を推察する

 

 6月17日ギリシャでの再選挙の結果が判明、僅差で以前の政権与党3党が連立内閣を組閣することができ、市場は安堵しました。しかし、金価格は米国で開催された米連邦準備制度理事会の公開市場委員会(FOMC)でQE3が決定されなかったことを落胆して、6月21日▲50ドル下落しました。

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 QE3という金融緩和が行われれば、景気が回復するだろうという期待の下に、株価が上昇するのはわかります。しかし、QE3が無いと金価格が下落するというのは、商品アナリストとしては、おかしな話だと思えます。

 なぜなら金価格は2008年以降金融不安やソブリンリスク等社会不安によって上昇してきたからです。しかし、2010年以降の金価格は株価と連動を始めました。つまりそれまでの金価格は1987年のブラックマンデーの時のように、株価が急落しても金価格は上がったということで証券投資のオルタナティブとしてヘッジファンドが商品投資を活用し始めました。しかし、最近の金価格は株価と同じ方向で動くようになっています。証券投資家がETF等で金も一緒に買っているので、株価が下がると金も一緒に売ってしまうという動きになっているようです。

 さて、欧州債務不安は、ギリシャが一段落した後、スペインとイタリアの国債利回りの上昇がしばしば見られるようになりました。6月28日から開催された欧州首脳会議は、市場が注目するところでした。この会議の前にファンロンパイ欧州大統領は欧州統合に向けての工程表を提案していました。しかし、ドイツのメルケル首相は、「政治同盟」ができるまでは「財政同盟」は無いと語り、フランスのオランド大統領は「銀行同盟」ができるまでは「政治同盟」はあり得ないと述べていました。

 『欧州合衆国』ができるまでには、相当長い道のりがあるとは思いますが、市場は欧州が統合に向けて一歩ずつ進むのか、それとも各国のエゴが優先してバラバラになるのかを、この会議の雰囲気でかぎ取ろうとしていました。

 会議の結果はサプライズでした。銀行監督をECBに一元化する、金融行政を共通にする銀行同盟の実現を検討する、1200億ユーロの成長・雇用協定の採択など、ドイツがかなり譲歩した案が決議され、市場は一安心しています。そのため、株価は上昇し、金価格も一緒になって上昇し、先のFOMCによる下落を取り戻して1600ドル台を回復しました。

 しかし、7月から稼働するESM(欧州安定メカニズム)の決定方式について、フランス大統領とドイツやオランダ首相の見解が相違していたり、6月29日ドイツ議会はこの決議を採択しましたが、野党は憲法違反として憲法裁判所に提訴するなど、まだ事態が収まったわけではありません。また、オランド大統領は、サルコジ前大統領が年金の支給年齢を60歳から62歳に引き上げましたが、それを再び60歳に戻しています。

 これにより、2017年のフランスの財政負担は年間30億ユーロ増えると試算されています。またギリシャ等年金支給開始年の引き上げを迫られている国々の反発を呼んでいます。まだまだ欧州債務危機が一段落したというのは早いでしょう。ギリシャは今後再び3カ月ごとに総枠1300億ユーロの支援の実行をめぐって緊縮財政の進展具合と融資の実行が天秤にかけられます。何よりも、ギリシャやポルトガル等経済力の小さな国が、分不相応な過去の借金を今後返すアテがあるのかどうかという点が、この問題の本質でしょう。金価格は、そうした不安がある限り、基本的に高くなるのだと思います。




上昇を続ける穀物価格の今後

 

 最後にトウモロコシと大豆価格は強含みとなっています。二年続いた不作により、米国のトウモロコシも大豆も在庫が極端に少なくなっています。米国農務省6月の需給報告では、供給はすでに昨年秋に収穫されてしまい動かしようがないので、米国農務省は需要が減るという予想で在庫率を持たせています。トウモロコシの今年8月末の在庫率予想が6.72%、大豆は5.6%になっていますが、もし8月までの需要が昨年と同じ規模に達するなら、在庫率はそれぞれ3.45%、0.2%になってしまいます。いずれも歴史的な低さです。

 今年の米国産トウモロコシの生産は、日本の国土よりも大きい面積作付けされましが、6月の雨量は、1988年以来の少なさで、今年は冬場も暖冬で積雪が少なかったため、土壌水分が不足しています。

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 1988年の時トウモロコシ価格は6月から7月に約58%上昇しました。大豆も6月から7月に約35%上昇しています。今年もコーンは6月1日ら29日まで約22%上昇し、大豆は約14.8上昇しています。しかし、本格的な上昇はこれからだと思います。今後中国や日本、韓国等が大量に米国に引き合いをだせば、在庫は払底してしまうものと予想されます。家畜の餌や、サラダオイル等の大豆製品は今年は大幅に値上がりするでしょう。


講師紹介

近藤 雅世

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長

近藤 雅世

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