2013/04/03(水)「書き換わる世界のエネルギー事情(近藤雅世)」資産形成力養成講座

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書き換わる世界のエネルギー事情(近藤雅世)

書き換わる世界のエネルギー事情

 

 世界のエネルギー地図が大きく変わりつつある。米国の原油生産が毎月増加し、世界一の原油輸入国であった米国の原油輸入量が毎月減少している。そして今後10年20年後の原油消費が増加すると見込まれているのは中国を初めとするBRICs諸国であるが、その中国が世界のエネルギー大国になるのはほぼ間違いない。そうなれば、中国が原油を中近東から輸入する量が徐々に減少していくだろう。IEA(国際エネルギー機関)など多くの石油関連シンクタンクが原油需給の長期見通しを書いているが、今後この見通しは大きく書き換える必要がでてきた。

 まず米国の原油事情であるが、米国は、1985年頃は日量900万バレル近くの原油を国産していた。その後、油田の枯渇により減少傾向となり、2004年には500万バレル弱と4割強減少した。それが2009年頃から再び増加に転じ、直近の2013年3月には日量715万バレルの生産となっている。これは伝統的な原油油田の増産も若干あるが、大部分はタイトオイルと呼ばれるシェールガスの油田から産出されるシェールオイルである。メキシコ湾岸やテキサス州ばかりでなく、中西部やカナダ国境に接するノースダコタ州等の産出量が増加している。

 米国の原油輸入量は1996年頃から日量1000万バレルを超えるようになり、2006年には1200万バレル以上となったが、2010年頃から徐々に減少し始め、直近の2013年3月22日は972万バレルである。日量200万バレル以上減少している。

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 先進国はどこでもそうであるが、米国でも石油製品出荷量は頭打ちとなっており、2008年頃の石油製品出荷量は2100万バレルを超えるときもあったが、直近では1887万バレルである。石油製品の原料は原油だけでなく天然ガスもあるので、天然ガスの増産分だけ原油投入量は減少している。

 また、原油の需要の大半は輸送用燃料、つまりガソリンや軽油、船舶用あるいはジェット燃料等であるので、主に自動車需要の増加が原油需要を支える。その意味では中国やインドなど新興諸国のモータリゼーションが原油需要増加の柱となる。

 そのモータリゼーションでは、電気自動車や燃料電池車、ハイブリッド等、ガソリンをいかに使わないようにするかという技術が日進月歩で進化している。その背後には環境問題が控えており、中国政府もようやく北京等主要都市の排気ガス公害規制に本腰を入れ始め、3月には自動車の燃費規制が新設された。まだリッター20kmを2020年までに達成するという先進国に比べればかなり低い燃費効率であるが、この規制導入により雨後のタケノコのように出てきた中小自動車メーカーの排除が行われる。北京市では4月から新車で排気ガス対策がほどこされていない車は販売できないことになった。

 中国のエネルギーは他の面でも進んできた。水力発電はすでに世界の22%とNo.1の地位を占め、風力発電でも米国、ドイツを抜いて世界一になっている。太陽光発電もドイツ、イタリア、日本、スペイン、米国に次いで6位である。更にシェールガスは世界の19%の埋蔵量を占めてNo.1であるし、炭層ガス(Coal Bedded Methane)は現在の世界の天然ガス生産量に匹敵する確認埋蔵量を有している。つまり、中国は近い将来資源大国に踊り出るであろう。

 その意味では尖閣列島の領有権問題は資源問題ではなく海軍基地、太平洋に出るための潜水艦基地建設問題によるものと推測される。日本が資源の共同開発をいくら中国に提案しても、中国はそれほど乗ってこないだろうと思われる。こうして、これまで中東諸国に大きく依存していた世界のエネルギー事情は今後様相を一変させる可能性がある。

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 そのため、長期の原油価格は天然ガスがファンドのSHORTにより下落してきたように、今は原油をLONGしているファンドが、いずれSHORTに回って下落し始める時代がくるかもしれない。

 ただし、短期的には景気回復により株価が上昇するとともに原油価格も上がる傾向にあり、需給というよりムードに流される側面があるので、価格は85ドル~100ドル、そのレンジを超えれば75ドル~110ドル当たりで上下動を繰り返すのではないだろうか。


講師紹介

近藤 雅世

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長

近藤 雅世

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