2014/01/29(水)「資産インフレ傾向は今後も続く!?(田口美一)」資産形成力養成講座

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大前研一
 

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2014年がスタートし、株価は為替と共に乱高下を繰り返しています。今年はNISAがスタートするポイントですが、経済がしっかりと改善するのかを見極め、投資をしていかなければいけません。強い米国経済を背景に、世界経済は好転するのか? インフレが期待される中では、インフレを想定した資産形成にシフトしなければなりませんが、そのためには自ら考えることが重要です。「自ら考え、自ら行動を起こし、資産を形成すること」 私たちは今年も教育という観点からサポートしてまいります。

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資産インフレ傾向は今後も続く!?(田口美一)

金融政策を見通す上で見ておくべき統計は「当座預金残高」

 

 今後の金融政策を見通す上で見ておくべき統計は、当座預金残高の数字です。日銀は銀行が保有している債券をどんどん買い進めています。基本的に、銀行のバランスシートは負債である預金に対してどんな資産を持っているかというと、半分が国債、半分が貸し出しです。その国債の部分を日銀がどんどん買ってしまっているのです。その銀行の持つ国債が減った分が、グラフにある日銀の預金に変わっています。銀行は莫大な国債を日銀に売り、それにより得たお金を預金として置いているだけなのです。

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 ただし、これには0.1%の金利が付いています。それをECBは0%にしてしまっていて、それをさらにマイナスにしようという議論が進んでいます。中央銀行に預けておけばペナルティを取るという政策をドラギ総裁は検討しているわけなのです。日本の金利はすでに低く、0.1%でもあまり変わらないので、銀行はあわてて使うことはないのです。

 しかし、このお金はずっと置いておくわけにはいかないので、何かに使わなくてはなりません。黒田総裁も、ポートフォリオリバランス効果とか、リスクプレミアムの調整などという難しい言葉を使っていますが、簡単に言えば、これが今後使われるお金になるということを言っているのです。その場合の選択肢は、もう一度国債を買い直すか、株式や外債を買うか、国内貸出を増やす、海外貸出を増やす、または海外投資を積極化する、これだけしかないのです。これが起きるかどうかを見ていきましょうということなのです。

 今すでに起きていることもあります。地方銀行は5月、6月、金利が上がった時に国債を買っていました。しかしメガバンクはまだ売っています。株式、外債についてはBISの規制がきつく、それほどポジションを取ることはできません。国内貸出は増やしたいものの、企業は投資するものがなく資金を返したいと言うほどです。残りは二つ、海外への貸出増加と投資積極化です。そこで、東京三菱銀行が約5000億円でタイのアユタヤ銀行を買いました。損保ジャパングループもヨーロッパの保険会社を1000億円で買っています。

 結局、欧米やアジア向けなど、海外への貸出しか手段がないのです。国内の銀行では、土地開発にからんだ不動産融資か、シルバー向けの介護施設関連の二つしか貸出先がないそうです。バブルの時もそうでしたが、日本の銀行は非常に慎重で、大口の融資を思い切って進めることはなかなかしません。オリンピックを前に不動産会社に直接融資という動きも時間がかかってしまう性質を持っています。やはり頼みの綱は海外貸出や海外投資で、円高の時にもっとやっておけばよかったのですが、今後もここがまだまだ伸びると思います。

 こうした海外への資金の動きが、為替の面ではさらに円安に繋がります。為替市場では現在、日々天文学的な大きさの数字が動きますが、中でも売ったら買い戻すヘッジファンドより、資金が出て行ったきりになる投資の動きは為替相場にも大きな影響を与えるので、海外投資が円安要因となるのです。


世界の中央銀行、首相らが最も気にしている数字、失業率

 

 失業率は世界の中央銀行、首相らが最も気にしている数字です。各国の状況を見ると、フランスやスペインは悪化していますが、ドイツ、イギリス、日本、アメリカなどは全て改善してきています。しかし、実際にどこまでよくなってきているかは不透明です。つまり、労働参加率、失業した人のうち、就業を諦めた人がどのくらいいるのかが分からないというところが、この数字のミソです。そう考えると、アメリカについては7%という水準ですが、もっと下げなければならないという可能性も出てきます。

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 景気が回復しつつある中、中央銀行も楽観的になり政策を引き締めに戻すという話が出てきていますが、アメリカは失業率の目標を6.5%から5.5%に変更するのではと思っています。イエレン次期FRB総裁の示すデータなどを見ても、まだまだ緩和を転換できるような状況ではありません。一方、ECBについてはマイナス金利や、3回目のLTRO、つまり銀行が中央銀行からの借り入れで自国の国債を購入するという資金供給を行うと見ています。

 今後はフォワードガイダンスがさらに使われることになるでしょう。ゼロ金利、量的緩和などで期待に変化が与えられなければ、先々まで簡単には金融緩和を止めないというガイダンスを示すという方法です。黒田総裁も市場とのコミュニケーションを重視した発言をしています。その内容からも、日銀は相当な決意でこれからも緩和を続けると見ています。


今後も続く!? 資産インフレ傾向

 

 今後も、いわゆる資産インフレ傾向は確実に続くと思います。それしか今の経済状況を改善させる方法がないからです。今回も財政政策として公共工事などいろいろ施策があるとは言え、結局借金が増えるだけに過ぎません。今、欧米の先進国が考えているのは、期待に働きかけて資産をある程度膨らませることにより、懐状態が温まり、個人消費が増えるという経路であり、それ以外の方法は難しいと言えます。結局、緩和継続、株高継続、不動産価格の上昇などが予想されます。

 こうしたアベノミクスによって引き起こされたバブル現象はまだまだ序盤戦と言えます。現在起きている現象は、富裕層の拡大、東京都市圏の一極集中、少子高齢化による相続対策の動き、台湾、中国、オーストラリアなど、世界のバブルの日本上陸、東京オリンピックなどが上げられます。

 さらに富の偏在、つまり二極化現象と賃金デフレが平行して起こる中、バブル現象が続き、その資産効果を通して国内消費が活発になっていくというパターンが見られています。私も仕事で日本全国を回る中、年末に札幌で知人から景気の状況を聞く機会がありましたが、札幌はとてもよい状況だと話していました。なぜなら公共工事が盛んな上に、観光業も好調、小売り売り上げも伸びているとのことでした。私が宿泊したホテルも満室で、1時間待たないと朝食が取れないほどだったことからも、明らかに札幌の景気が良いことが伺えました。ただ全部の業種に広がるかというと難しいとは思いますが、これだけ構造変化が起こっている中、地方でここまで明らかに回復がみられるというのはこれまでなかったことで、今後大変なインパクトになるだろうと思います。


講師紹介

田口 美一

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
金融経済アナリスト
前クレディ・スイス証券副会長

田口 美一

1月19日に撮影したコンテンツの一部をご紹介します。

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資産形成力養成講座 加藤

 

2014年がスタートしました。今年はNISAがスタート。強い米国経済を背景に、世界経済は好転するのか? 株価、為替などを考える上で、非常に楽しみな情勢になっています。インフレが期待される中では、インフレを想定した資産形成にシフトしなければなりません。「自ら考え、自ら行動を起こし、資産を形成すること」 私たちは今年も教育という観点からサポートしてまいります。

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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