2014/03/19(水)「日本から見て重要な取引相手国とは?(西岡純子)」資産形成力養成講座

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日本から見て重要な取引相手国とは?(西岡純子)

日本から見て重要な取引相手国とは?

 

 世界経済を考える上で、日本から見てどこの経済に注意を払っておくべきなのか、スクリーニングしておく必要があります。新聞などをよく見ていると、地理的な近さもあり中国が非常に重要であるという感覚を持つと思いますが、必ずしもそうではありません。おそらくイメージされるのは、輸出相手国のシェアからそのように思いがちなのだと思います。日本からみた輸出相手国は香港も含めた中国が23%と一番大きなシェアを占めています。リーマンショック前は北米が一番でしたが、2011年以降は中国に追い抜かれました。日本は輸出立国なので、地理的な近さから見ても、やはり中国経済が上がるか下がるかは非常に重要です。だからこそ、今回の全人代で成長率が7.5%なのか7.3%なのかということが非常に重要だったわけです。

 しかしもう一つ視野を広げて考える必要もあります。それは、海外の現地売上高ベースで考えるということです。絶対金額の大きさを考えると、日本の2013年の輸出金額は約60兆円ですが、それに対し海外現地法人として日本企業が現地でどれだけ売上高を立てているのかというと、180兆円近くに上ります。したがって、輸出が下がってきて円安の効果も出てこなくなったと嘆く声が多く聞かれますが、実際には外へ出ていった企業が非常に高収益を受けやすい体質を得て、それを国内に還流させるようなフローが定着すれば、日本全体で見たときに収益は確保しやすくなると言えるのです。

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 経常収支の赤字が問題になっていますが、もちろん輸出が落ちることによって経常収支が落ちやすいものの、それ以上の大きさで、海外で上げた利益が国内に還流する、すなわち所得収支の黒字が回復する絶対金額が多ければ、日本の経常収支についてそれほど簡単に赤字定着はしないと言えるのです。今のアベノミクスの取り組みは、第一のスローガンはデフレ脱却で、金融緩和、第二に財政支出があり、三番目の成長戦略にようやく話が進んできたところですが、それと同時に国内に余っているお金をどうやって有効活用していくかと言うことが軸足となっています。従って、海外投資、M&Aを増やしていこうという事は、結局図の右側のチャートの円そのものを大きくすることになり、嘆かれる足元の経常収支の赤字についても、将来的に赤字が簡単に定着しないという展望が持てると言えます。

 話を戻して、その売上高ベースで日本の相手国を比較すると、第一のシェアを持っているのは北米で28%です。確かに中国の割合も少なくありませんが22%ほどです。海外現地法人の売上高のトップがアメリカであり、その全体の金額も輸出よりも遥かに多いということを考えれば、日本にとっては、やはりアメリカ経済が1%上がるか下がるかということの方がより重要だと考えられるのです。


米欧でのデレバレッジ

 

 欧米の近年の特徴として、デレバレッジの傾向が挙げられます。レバレッジとは、てこの原理を利用して、安いコストで多額の融資と投資を実現するということで、金融危機の前に欧米ではこのレバレッジを多くかけてきたわけです。それが近年、金融規制のもとでレバレッジを解消する動きがどんどんと進んできているのです。

 例えば、家計部門の負債の可処分所得に対する比率を見てみます。アメリカでは2007年ごろにかけて大きく上昇しました。これはサブプライムの増加によるものです。その後、ショックにより一気に負債を積み上げることが難しい状況になりました。可処分所得が減ったにもかかわらず、負債の圧縮の方がより進んだので、この比率が下がってきたわけです。それがここにきて、ようやく底打ち反転の動きが見られるかというところまできました。

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 一方、この間のヨーロッパの動きはずっと右肩上がりで推移しています。金融危機の時に一旦伸び率が下がりそうになったものの、その後またさらに水準が上がり、足元は横ばいとなっています。ユーロ圏にとっては債務問題、すなわちデレバレッジは、家計部門よりも公的部門の話です。公的部門が過剰債務を抱えている経済が多いので、その債務が縮小することによって財政支出が絞り込まれ、それによって成長率が下がるということが広い意味でヨーロッパのデレバレッジなので、単純にアメリカと比較することはできません。しかし、家計部門だけを見れば、まだ警戒水準にあるのがヨーロッパ経済のデレバレッジの状況だと思います。

 そのデレバレッジが進むことが経済にどう反映されるかというと、資産価格の調整に働きます。たとえば、アメリカで2007年以降にデレバレッジが進んだのと同時に、実質住宅価格指数があわせて下落しました。需給がどんどん緩むことにより、価格が下がったのです。ところが2011年の後半あたりからまた価格は上がり始めました。ここまで続いた資産価格調整については、デレバレッジがほぼ収束しつつあるので、ようやく価格の上昇が戻って来ていると考えられます。

 この間ヨーロッパでは、実質住宅価格のピークを迎えたのが2007年頃で、そこから徐々に下落し、いまだに雰囲気は改善していません。むしろ、デレバレッジがここから先も進むと考えると、まだヨーロッパについては住宅価格が下がる余地があると言えるでしょう。


講師紹介

西岡 純子

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
アール・ビー・エス証券会社 東京支店 リサーチ・ジャパン チーフエコノミスト

西岡 純子

3月10日に撮影した映像より一部ご紹介いたします。

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長期デフレを経験した日本。デフレに慣れ、インフレの想像がつきにくい方も多いかもしれません。しかし確実に、デフレ脱却に向けて動き出しています。インフレとはモノの価値が上昇する世の中。私たちはそうした物価上昇以上に持っている資産を高めていかないと生活力(購買力)を落としてしまうことになります。

金融機関など他人任せにするのではなく自ら設計することで、手数料などを考えると2%程度の利回りの差になることも多々あります。毎年2%の差は、例えば500万円運用している人にとって、10年で100万円以上の差になって現れます。自ら学ぶことが重要なのが資産運用ですし、欧米では学校教育にも組み込まれているところも多いです。みなさんも、世界のお金の流れを学び、リターンを実現できる資産形成力を高めておく時期ではないでしょうか?

それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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