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世界経済に拡散する原油安の影(大前研一)2015/01/14(水)

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今回のテーマ

世界経済に拡散する原油安の影(大前研一)

【世界】今年の10大リスク 首位は「欧州政治」 ~ユーラシア・グループ~

 政治リスクの調査やコンサルティングを手掛けるアメリカのユーラシアグループは1月5日、年初恒例の10大リスク予想で、2015年は「欧州の政治」をリスクの筆頭にあげました。イアン・ブレマー氏率いる同社の予想は市場関係者の注目度が高く、2014年も原油安やウクライナへのロシアの強硬策を的中させています。

 イアン・ブレマー氏は、トマ・ピケティ氏と並んで今非常に注目を集めている一人です。「『Gゼロ』後の世界」という本を書いて非常に有名になった人です。ただ今年の予想を見ると、私の意見とはだいぶ違っています。

 まず、欧州の政治ですが、イスラムの欧州における影響ではなく、欧州の政治がリスクだと書いています。これは、ギリシャを中心に再び金融不安などが起こってくるのではないかというものです。次いでロシアをリスクとして挙げています。私はロシア、ウクライナ、欧州の政治については、すでに決着がついたと考えています。ギリシャの場合、急進左派連合が勝った時には、一度だけ我慢して予算を立てるのを見て、緊縮予算にしない場合には、ユーロゾーンから切り離してしまうという策がためらわずに採られると思います。それによって、緊縮をしなければ、ポルトガルもスペインもイタリアも切り離すのだと示すことになるので、実はもう決着がついていると言えるのです。

 また、ウクライナ、ロシアに関して言えば、ウクライナはすでに戦う力もなく破産状態なので、ここから先EUが本当に膨大なコストがかけて、ウクライナを救済するでしょうか。今のヨーロッパには、それは無理なことです。もちろん、ブルガリアやルーマニアのようにまだ自分たちも恵んでもらいたいと思っている国がずらりと並んでいるので、ここでEUの中にウクライナを入れる事はまずできないでしょう。今、EUは後退しつつあり、プーチンも経済制裁や原油安でダメージを受けています。結局は、ミンスク合意を徹底しようという話にならざるを得ないほどウクライナは疲弊しているのです。その点からも欧州政治やロシアの問題は解決済みであり、大きな問題にはならないと思います。

 むしろ、その次に挙げられている「中国の低成長」等の問題の方が大きいとみています。また、ブレマー氏は、米・ソではなく中・米の葛藤も大きなリスクであると言っていますが、私は中国が今の段階でアメリカと葛藤していくということは表立ってはやりにくいだろうと思っています。裏でコソコソと気づかれないようにやる可能性はありますが、問題になるとは考えていません。

 やはり、国民の不安という点から見ると、今回フランスで起きたような問題が大きいでしょう。ヨーロッパにはイスラムを自国に抱え込んでいる国がたくさんあるので、こうした問題とどのようにして共存していくのかが課題です。これには今のところまだ答えが出ていないので、今年のリスクとして残るだろうと思っています。

【ベネズエラ】輸出の9割を原油依存、原油安が経済を大きく左右

 ベネズエラのマドゥロ大統領は、中国北京で習近平国家主席と会談し、中国から200億ドル約2兆4000億円の財政支援を受けることで合意しました。輸出の9割を原油に依存するベネズエラは、原油価格が1ドル下落すると歳入が年間7億ドル、約830億円減る構造で、大統領は対立してきたアメリカとも関係改善を探る動きを見せるなど苦境ぶりが浮き彫りになっています。

 このことはいわゆるキューバ問題とも関係しています。ベネズエラは反アメリカ連合として、キューバに対して原油や資金の援助をしており、それが途絶えてしまったことが背景なのです。今回、マドゥロ大統領は中国に行き、みっともないほどの物乞い外交をやりましたが、ベネズエラの原油価格の採算ラインを見るとその理由がよくわかります。

 サウジアラビアは井戸元価格が2ドルとされ、採算ラインは約7ドルと言われています。これにより原油価格が20ドルになっても問題ないわけです。ただし、実際にはサウジアラビアは派手に国家予算を使っているので、90ドルはないといけないと見られます。しかし、しばらくは蓄えがある上に、国家予算の無駄を削ることで、40ドル、50ドルの水準でも問題なく乗り切ることができます。

 一方、アメリカのシェールオイルは、競争力のある所では採算ラインは40ドル、競争力のないところでは115ドルとされています。競争力のない所は今後続々と破綻するでしょう。

 そして、ロシアの場合、国家予算を維持するには110ドル必要としていますが、これは今後予算を削ると思われます。ロシアの原油生産自体の採算ラインは30ドルで、原油価格が40ドルになっても耐えうるわけですが、利益分が国家予算に入ってくるので予算との乖離が問題になっていたわけです。

 その点ではベネズエラが最も原油に依存しきった経済になっていました。これはチャベス大統領の頃に、低所得層から票を取るために、ばらまきをやったことが背景で、そのために国家予算を維持するには160ドルが必要と空想的な数字になっています。

 今回のサウジアラビアの行動は、アメリカのシェール生産の半分ほどをつぶし、石油に依存せざるをえなくしておくことが目的であり、原油価格は、当面40ドル近辺で動かないと言えるでしょう。

【日本】株式市場 割安感薄れ相対的魅力低下、外国人の動向が鍵

 日経新聞は、「強気になれない海外勢」と題する記事を掲載しました。これは、2015年の国内株式市場は軟調なスタートを切ったとし、その背景にはギリシャ不安や原油安による市場の混乱があると指摘、再び上昇相場に転じる鍵を握るのは上値を買い進む傾向のある外国人投資家の動向としながら、マネーのアメリカ回帰もあり、視界は良好とは言えないとしています 。

 さらにだめ押しですが、去年1年間は国内の年金勢力が買っており、外国人がほとんど売りに回ったのが実態です。GPIFが国内株の割合を25%にすることから大幅に買い越し、外国人が売り手に回ったということなのです。しかも、円安になっているので、高い円で買ったものを円安になって売っても得になってはいないのです。安倍首相になってから株式が3割以上上がっていなければ、実際は為替の方で損をしていることになるのです。日本のマーケットを主導してきた外国勢はそうしたことを警戒し、力が弱くなってしまったと言えるでしょう。

講師紹介

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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