さらに今ではゼロ金利を勘違いして、実際はほんの少し、0.001%程度は付くわけですが、それをゼロと思って自宅に現金を置いておく人が増え、金庫が売れているとも言われています。
金利が付かないことで株式の方に来るかと思えばそうでもありません。本来ならこの金融資産から資金が大きく抜けて、不動産の方に向かうことになるものですが、日本の場合にはその傾向も見られないのです。個人にとって不動産は、一生に一戸を取得して、それが終の住処と思われているわけで、そうした発想をやめなくてはいけないのです。不動産は人に貸してなんぼのもので、キャッシュに変えるというぐらいの発想でなくてはならないのですが、全部自分のものとして、負債を背負い込んで買ってしまうのです。そして最後にこのように現金・預金として持ってしまうのです。
ただ、この個人金融資産の数字は非常に重要で、この個人金融資産の65%は60歳以上の人が持っているのです。安倍首相は給料を2%上げるなどと大げさに騒いでいますが、給料は総額でも200兆円なので、2%上げたところで4兆円です。しかし、高齢者の人がこの個人金融資産を1000兆円としても、そのうちから2%を使ってくれたら20兆円になるのです。こちらの方が遥かに景気には効くわけです。額では5倍の効き目があるのです。それにもかかわらず、それを使えとは全く言っておらず、使いやすいようにしてもいないのです。
高齢者は、将来が不安だと言ってお金を貯めているわけなので、将来の不安を私が取り除いてあげます、みなさん本当にいい人生を送ってくださいと、毎日言い続ければ少しは変わるはずです。しかし、給料を上げろ、上げろと言い続け、極わずかの会社が給料を2%弱上げるということをしていて、これでは完全に的が違っているのです。これが、クルーグマン氏や安倍首相、浜田氏などがみんな狂っているという理由なのです。
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